村尾信尚「バイデン大統領の政治的介入があっても日本製鉄の橋本会長はとことんまでやり抜くと思います」
日本製鉄のUSスチールの買収に禁止命令を出してきたバイデン大統領。1月7日の「くにまる食堂(文化放送)」では、関西学院大学教授の村尾信尚が、この問題をわかりやすく解説した。
村尾「多くのアメリカ人はUSスチールという会社を多分“アメリカの象徴”と考えていると思うんですよ。そういう人たちからすると“USスチールを日本製鉄が買収するということ”イコール“アメリカが日本に買われる”というようにイメージしているのではないでしょうか。しかも、そういう民意で大統領も選ばれているので、そこらへんも考慮しなくてはいけないでしょう。ですが、正論から言えば、これは民間企業の判断で合意をしているし、株主総会だって、これを認めているわけだから日本製鉄がUSスチールを買収することは何の問題もありません」
邦丸「逆に日本製鉄がUSスチールに買収されるってなると『えっ、ちょっと待ってよ』っていう心情にはなります。でも全てとはいいませんけど多くのUSスチールの従業員の人たちは『このままいってもお先真っ暗だから、だったら買ってもらったほうが我々の日々の暮らしにはいいんだよ』って言ってるようですね」
村尾「日本製鉄の橋本英二会長にお会いしたことがありますけれど、非常に論理的に物事を考える人だし、グラつかない人ですから、今回の買収をめぐるバイデン大統領の政治的介入はアメリカの雇用者たちにとってどうなのか?アメリカの景気にとってどうなのか?彼だったらとことんまで考えて決断してくれると思いますね」