〈御杖村〉奈良と伊勢を繋ぐ「伊勢本街道」に眠る『敷津七不思議』を追え!
伊勢本街道の宿場町・御杖村に伝わる『敷津七不思議』を巡る旅
奈良県と三重県の県境に位置し、古くから伊勢本街道沿いの宿場として栄えた御杖村。街道沿いには天照大神を祀る場所を求めて旅をした倭姫命や弘法大師空海の伝説などがいい伝わる7つの石『敷津七不思議』があります。今回は旧本街道を歩きながら七不思議を巡ります。
★ 御杖神社(みつえじんじゃ)
第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命が天照大神を祀る場所を求めてこの地を訪れた際、その印として自らの杖を残したとされる伝承の地。「御杖」の村名はこの伝承に由来します。
ご祭神は久那斗神・八衢比古神(やちまたひこ)・八衢比女神(やちまたひめ)の三柱で、いずれも魔除け・厄除け・道中安全の神として信仰されています。神社のすぐ北を伊勢本街道が通り、また大和国と伊勢国の国境付近にあることからこの神様が祀られているんでしょうね。
御杖神社
住所:
奈良県宇陀郡御杖村大字神末1020
駐車場:
あり
運命の分かれ道…
御杖神社から伊勢本街道をてくてくと北上し約25分。ここで新街道と旧街道の分かれ道に出合います。敷津七不思議があるのは旧伊勢本街道なので今回は右の道を進みます。
「伊勢街道」「姫石明神」の立て札が目印!
❶ 子もうけ石【敷津七不思議】
子もうけ石は小石の粒が堆積してできた堆積岩。たくさんの小石=子どもを孕む岩であることから撫でると子宝に恵まれるといわれています。
子もうけ石は写真の赤いゲートの向こう側。掛札にうっすら残ってる文字を読むと自分で開けて入るシステムでした。
入る時も出る時も開けたら必ず閉めましょう。
隣の木箱には…?
開けるとポツンとスタンプが一つ。敷津七不思議の各箇所に用意されているようです。ただ台紙等は現地になかったので各自で準備していきましょう(私は忘れました!)
❷ 月見岩【敷津七不思議】
古民家が建ち並ぶ街道沿いにある小さな防火水槽の脇にある『月見岩』。倭姫命がこの岩に腰掛け中秋の名月を鑑賞したと伝えられています。
❸ 倭姫の手洗井戸跡【敷津七不思議】
立て札がないと見逃してしまいそうな井戸跡。よく見ると井戸のような石組みが残っています。この井戸跡は倭姫命が手を洗ったとされる霊泉と伝わり、日照り続きでも枯れたことがないといわれています。
❹ 夫婦岩【敷津七不思議】
こちらも囲いがなければ分からないほど姿が隠れている『夫婦岩』。土をよけて高くあらわしても、恋しがっていつの間にか沈んでしまう、別の場所に運んでも必ず元の場所へ戻り、離すと泣くともいわれています。相思相愛の岩なんですね♡
実は倭姫の手洗井戸跡と夫婦岩は目と鼻の先にあります。西から東へ順に番号が付けられているのかと思いきや、なぜか四が先に現れます。これは八不思議目でしょうか…?
❺ 弘法井戸【敷津七不思議】
立て札からは少し離れた場所にある『弘法井戸』。民家の石垣になじみすぎていてわかりにくいですが、近寄るとちゃんと水を湛えた井戸でした。この井戸は弘法大師空海が杖で掘ると泉が湧いたという伝承が残っています。
❻ 金壷石【敷津七不思議】
伊勢本街道から少し離れた場所にある『金壷石(かなつぼいし)』。山肌に隠れていますが、毎年正月元旦の朝になると、この石の上で金の鶏が鳴くと伝えられています。
❼ 姫石明神【敷津七不思議】
御杖村の桜の名所「丸山公園」の小高い丘を右手に眺めながら駐車場を抜け石段を下ると見えてくるのが『姫石明神(ひめしみょうじん)』。倭姫命が婦人病の快方を祈ったことから「姫石」と呼ばれ、安産や縁結びのご利益があるといわれています。
★ 道の駅 伊勢本街道御杖
西へ少し引き返して金壷石のある道を北上し道の駅へ。天然温泉「姫石の湯」は神経痛や筋肉痛、関節痛などに効能のある単純温泉。歩き疲れた体をリフレッシュするにはピッタリです!
また館内のセルフコーナーでは、村のキャラクター「つえみちゃん」が持つ杖をかたどった『杖チュロス』が密かに話題を呼んでいます。米粉を使ったザクッもちっな食感がたまりません♪
杖チュロス 500円道の駅 伊勢本街道御杖
住所:
奈良県宇陀郡御杖村神末6330
TEL:
0745-95-2641
営業時間:
11:00~20:00
定休日:
火曜(祝日の場合営業)
駐車場:
あり