【立ち食いそば放浪記347】新宿の片隅でよもだそばに鬼詰めされてる「だるまそば」の天丼が実はウマイ
本格和風インドカレーで知られる立ち食いそば屋の「よもだそば」。東京だけでなく名古屋にもあって、独自の地位を築いている立ち食いそばチェーンだが、そんなよもだそばは新宿に2店舗ある。新宿西口店と新宿西口2号店だ。
2021年に小滝橋通りにオープンした2号店。1号店とは離れているため、それぞれの立地で周囲の客を掴んでいることは昼時の混み具合で分かる。ただ、衝撃なのは……
・鬼詰め
真隣も立ち食いそば屋であること。そう、以前からあった「だるまそば」の隣によもだそば2号店がオープンした形なのだ。昭和のヤンキーがメンチ切る時の顔くらい隣接している。鬼詰めだ。
大学生の頃、チャリのベルを鳴らしたことがキッカケで、道を開けてくれたヤンキーに「ありがとうはァァァ!?」とメンチを切られた経験がある私(中澤)はだるまそばを応援したくなった。そんなわけで入店して券売機を確認したところ、価格は「かけそば(420円)」、「かき揚げ天そば(550円)」という感じ。
・衝撃の唐揚丼
まあ、普通の立ち食いそば屋価格と言えるだろう。しかし、かき揚げ天だけではなく、かぼちゃ天や魚フライ、鶏唐揚げなどがある揚げ物類は、バリエーションの豊富さが感じられる。そこで唐揚丼セット(920円)を注文してみたところ……
唐揚丼が何気にウマイ。衣がパリッとしているだけではなく、噛むとジューシーな鶏の旨みがあふれ出す。こだわりの唐揚げ屋みたいな常軌を逸した肉汁のインパクトとかではなく、普通っちゃ普通なんだけど、立ち食いそば屋の唐揚げにしては大分ウマイ。
・上をいく天丼
さらには、唐揚げ単品以上に、丼という料理としてウマイ感じがする。そばは可もなく不可もなくで特別何かが良いわけではないけれど、それがまた丼の汁ものとしては優秀だ。そばが丼を支えるようなセットである。なんか気になったので、翌日も行ってみた。今度は「天丼セット(1070円)」を注文してみたところ……
天丼はもっとウマかった。天ぷらなど揚げ物は揚げ置きなんだけど、それでも衣が軽くサクッとしている。かつて天ぷらがウマイことで知られた立ち食いそばチェーン「いわもとQ」の揚げたて天ぷらを思い出した。
その上で、色は濃いけど辛くないタレが衣のサクサクさと米を生かしている。そう、米だ。丼として何がウマイって米の粒が立っていてベチャッとしてないのである。唐揚丼の時に感じた料理としてのウマさはこの食感のバランスがものを言っていたのかもしれない。
それゆえか、よもだそばに鬼詰めされていても、結構客が入っているだるまそば。オーソドックスな点がちゃんとウマイ立ち食いそば屋として、よもだそばとは違う個性の輝きを感じた。気分で使い分けられる店が並んでいるのはむしろ良いかもしれない。また来よ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 だるまそば 西新宿支店
住所 東京都新宿区西新宿7-4-7
営業時間 7:00~16:00
定休日 日曜日
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.