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【琵琶湖のタナゴ釣り】バイクで巡る湖北エリアの水路 濁りの中でも本命手中

つり人オンライン

初夏から秋にかけ、琵琶湖の湖北エリアは流入河川や水路に本湖からヤリタナゴ、シロヒレタビラ、カネヒラなどの在来種が入って来る。小さな野生と出会う絶好のチャンス。今回はそんな貴重な出会いを求め、バイクでポイントを巡った。

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初夏から秋にかけ、琵琶湖の湖北エリアは流入河川や水路に本湖からヤリタナゴ、シロヒレタビラ、カネヒラなどの在来種が入って来る。小さな野生と出会う絶好のチャンス。今回はそんな貴重な出会いを求め、バイクでポイントを巡った。

写真と文◎編集部

琵琶湖・湖北でタナゴ釣り

4月下旬、湖北の長浜市にやって来たのは、名古屋市の釣具店「ルアーフライショップ上飯田」の石川幸弘さん(59)と、お客さんの石黒博文さん(63)、堀恵治さん(56)。

石川さんはねらった魚はとにかく追いかける釣りオタク。高知のアカメ、琵琶湖のビワコオオナマズ、遠州灘のオオニベ……と、これまで手にした魚を数え上げればキリがない。フライフィッシングも得意にしており、お店でもフライコーナーを任されている。石黒さんは管理釣り場でルアーとフライを始めたあと、30代で渓流のフライフィッシングにステップアップ。堀さんもフライフィッシャーだが、九頭竜川本流やサーフではルアーも楽しんでいる。

石黒さんと堀さんがタナゴ釣りを始めたきっかけは、どちらも「フライだけじゃつまらなくないですか?」「タナゴも面白いですよ」と石川さんに声を掛けられたことだった。堀さんはタナゴを始めて7~8年。今では琵琶湖にも通い自分だけでも釣っている。石黒さんは「これがタナゴ釣り5回目(笑)」というオールドルーキーだ。

バイクでタナゴ釣りに挑戦

今回、3人がもうひとつ楽しみにしていたのが「バイクで釣りに来る」こと。石川さんは20歳の頃にバイクショップに勤めていた根っからの二輪好き。ただ、最近になって復帰するまでしばらくはバイクから離れていた。しかし軽量ミッドシップスポーツカーのS660を手放したタイミングでバイク熱が再燃。「五三川のバスフィッシングとか、田園地帯のナマズ釣りとか、バイクが便利な釣り場もけっこうある」ことも手伝い、人生通算11台目という現在のHondaPCXを購入する。

石黒さんもバイク歴は筋金入りだが、一時離れた期間を経て、通勤にバイクが便利な状況が生まれたことから復帰。今は「(時速)300kmは出る(笑)」というカワサキニンジャのレプリカモデルとHondaXR100モタードの2台を乗りこなす。

この日もチョイスした後者は足つきのよさとスタイルが気に入っている一台とのこと。そして堀さんも通勤にバイクを使っており、長良川など近所の釣りに出かけることも念頭にイエローカラーとオフロードテイストがお洒落なHondaクロスカブ110を所有するが、「長良川はやってみたもののクルマのほうが楽で……、結局クルマに戻っています(笑)」とのこと。とはいえ、「バイクも釣りも、これからもっと楽しみたい!」という元気なオジサン世代の意気込みは3人共通なのだ。

バイクで琵琶湖・湖北の水路を巡る

想定外の水色でも元気な魚たち

タナゴ釣りとバイクの相性はよい。まずクルマなら縦横無尽に走る水路をいちいち駐車と下車してチェックしなければならないが、バイクなら座席に跨ったままスピーディーに状況を確認でき、クルマからでは見落としてしまうような流れも目に入る。タナゴの水路探索はどれだけポイントを見て回れるかがモノを言う。その点でバイクには圧倒的な機動力がある。そしてタナゴ釣りは道具がミニマム。バイクでも必要な道具を持ち歩ける。

この日、サオをだしたのは、そうしたバイクのメリットも生かして石川さんや堀さんが下見をしていた水路。ただ、実際に到着すると前夜に降った雨の影響から、どこの水路もほぼ水中が見えないくらい濁っていた。それでも「ここは流れの中に水草がたなびいています。タナゴもその中から出てきます」とのこと。いざ仕掛けを入れてみると、水路をふさぐ衝立で流れが緩くなっているところ、水路が曲がるところ、水路の合流点など、流れが何かしらスローダウンする箇所を中心に、仕掛けが上手く水面下になじんでナチュラルに流れると反応があった。

ヤリタナゴが群れていた水路。同じ場所でも投入箇所によって反応が変わる

水路の釣りも仕掛けバランスは重要

アタリを最も得ていたのはやはり石川さん。仕掛け自体は親ウキの下にシモリが並ぶオーソドックスな連動シモリ仕掛けで、ハリも通常の市販バリだが、「親ウキは自作の小ぶりかつ流れの中で安定しやすい形状を選び」「仕掛けは親ウキが速やかに水面下でサスペンドするくらい(実際にはそれより気持ち重め)のオモリバランスに自宅できっちり事前調整。あとは状況により現場でオモリを微量カットすればすぐに調整が利く」といった準備をしっかりしていた。それにより釣り開始直後から、親ウキがすぐに水面直下になじみ、その状態で50~80cmほど仕掛けが流れると、ウキが止まったり引き込まれればほぼアタリという状態でヒット。

仕掛けも釣りも無駄がなくこの日も断トツの釣果を得ていた石川さん

さらに石川さんはエサにもこだわりがあり、以前から愛用しているマルキユーの初代「紅雪」をカミソリでアカムシ大にカットしたものをチョン掛けで使用していた。これについては以前にも本誌でお伝えしたことがあるが、石川さんいわく「初代モデルが非常によく釣れて気に入っているのですが、3代目にあたる現行製品も効果はあります」とのこと。

カミソリでカットした「紅雪」

マナーを守って楽しい釣りを

この日の釣果はすべてヤリタナゴ。メスが多かったが、琵琶湖で見られる銀鱗タイプやゴマ入り銀鱗タイプもまじり、最後はすべての魚を元の流れに戻した。

大もの賞は石川さんが釣ったメスのヤリタナゴ11cmオーバー

また、このあたりは民家も多くあるので、タナゴ釣りをする際も迷惑駐車は絶対に避け、田んぼや庭の手入れをしている地元の方に出会った時は、積極的に挨拶をするなど「釣りをさせてもらう」ことを常に心掛けたい。そうした行為の積み重ねが、のどかな釣りを誰もが楽しめる環境の継続につながるはずだ。

※このページは『つり人 2025年7月号』を再編集したものです。

 

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