交通安全・防犯特集〜中原警察署・菅署長 STOP危険運転 ルールを守ることが、自分の命を守る! 安全への意識と、盗ませない環境づくりを
比較的平坦な土地が広がり、自転車利用者の多い中原区。今年も自転車が関係する事故が増え続け、盗難事件も県下で高い水準にある。今回、中原警察署の菅健司署長に交通安全と防犯の観点から事故防止や犯罪抑制に向けた取り組みについて聞いた。
【交通安全について】
――中原警察署ではここ数年、自転車事故防止の取り組みに力を入れていますね。
「朝夕の駅周辺は、車ばかりでなく、自転車も数多く走っています。通勤や通学に利用される方から小さな子どもを乗せた保護者など、自転車を利用する人が多いのが中原区の特徴です。人口が26万人を超えて今も増え続けていること、狭い一方通行や見通しの悪い道路が多い地区であることも事故が多い原因と考えられます。暖かく過ごしやすい季節を迎え、4月からの新生活が始まった今の時期は出掛ける機会も増えます。自転車事故が減れば、交通事故全体の件数の減少にもつながりますので、自転車の事故防止対策は重要な課題といえます」
――今年の区内の人身事故は、4月16日時点で128件発生(前年同時期と比べ21件増)し、そのうち自転車が関係する事故は58件(同18件増)と増えています。
「残念ながら、全体の45・3%を自転車関係の事故が占めています。県下54署中、ワースト。年齢別では65歳以上が14件と最多で、時間帯別では午後2時から6時が21件と多くなっています。路線別では一般の市道が39件と最も多く、次いで中原街道、南武沿線道路となっています。地区では上小田中地区が10件、木月地区が7件、下小田中地区が6件と続きます。事故を抑止するには、自転車利用者のモラルを向上させることが鍵を握ると考えています」
【防犯活動について】
――自転車盗の発生件数も多い中原区。盗まれないために注意するべき点を教えてください。
「啓発活動の効果もあり、4月15日時点で自転車盗発生件数は102件と前年同期と比べ15件減少しています。被害の傾向としては、マンション駐輪場での被害が多く、被害の約半数が無施錠。ワイヤー錠をかけていても窃取されています。短時間での駐輪でも必ず施錠し、馬蹄錠とチェーン錠の『ダブルロック』を励行しています」
【まとめとして】
――今後はどのような取り組みを行っていくのでしょうか。
「自転車の交通事故は、利用者のルール違反や安全不確認が多く見られます。悪質な運転は取り締まりを強化するとともに、自転車を利用する方がルールを守って安全に走行できるよう、自転車マナーの向上に努めてまいります。自転車盗難防止については、あらゆる機会を通じて、市民の皆さまに防犯意識の向上を繰り返し呼び掛けてまいります」
サイズ選びが大切
自転車の安全な利用を促し、防犯登録の普及に力を入れる神奈川県自転車商協同組合。中原支部には区内の13の自転車店が加盟している。サイクルショップナカハラ(上小田中)代表の白井友次さんは「特にお子さんの場合はサイズ選びが大切。身長に合った自転車に乗ることが安全にもつながる」と話す。
事故を避けるためには、事前に確認し、危険なルートを走らないこと。防犯に関しては長めのチェーンロックなど、盗むことをためらわせる工夫を呼び掛ける。