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特殊詐欺騙されないために 茅ケ崎警察署 生活安全課長に聞く

タウンニュース

茅ケ崎警察署管内での、今年に入っての発生件数は、11月末時点で約70件、被害総額は約2億3千万円となっている。そこで、同署生活安全課の渡辺啓課長(=生安課長)に、管内の詐欺の傾向や身を守る方法を聞いた。

近年では、インターネット上の交流サイトで知り合った相手を言葉巧みに騙し、恋人や結婚相手になったようにふるまい、恋心を利用して金銭の送金をさせる『ロマンス詐欺』や、「必ず儲かります」など投資や副業を進めて金を騙し取るSNS型投資詐欺などが多くなっている。

一方管内では、かばんや財布の紛失、彼女を妊娠させたなどと語る『息子がたり』や、会社の車で暴力団の車にぶつけてしまったと語る『暴力団がたり』などのオレオレ詐欺が多い傾向にあるという。

用意周到な犯行

「電話でお金やキャッシュカード、還付金などのキーワードが出たら要注意。まずは家族や警察に相談してほしい」と生安課長。詐欺グループが騙す手口や文言は日々変化している。

最近の傾向では、騙しの電話から犯人が自宅等を訪問するまでの時間が短くなっているという。詐欺グループは、あらかじめ架電する地区を決めて受け子を待機させているほか、犯人と被害者が顔を合わせないよう、エアコンの室外機の下など指定の場所に現金を封筒に入れて置いておくように指示する手口もある。

また、官公庁や有名企業、弁護士などを名乗り不安・心配にさせ、考える時間を与えずに焦らせ、急がせるケースが多い。中には電話口で一旦女性に代わり安心させることもあるそう。

地域一丸で詐欺撲滅へ

茅ケ崎署では7月に、金融機関の職員などに詐欺の手口や阻止のポイントなどを周知しアドバイザーとして指定する「CASTプロジェクト」を発足。管内50件の各金融機関に声掛け訓練や管内コンビニに声掛けの徹底を呼び掛けチェックシートを配布した。役所や神奈中バスの協力でサイネージでの啓発、薬剤師会による「お薬手帳」での啓発、茅ケ崎高校美術部は詐欺防止に関するポスターを制作した。家電量販店と合同で迷惑電話防止機器付き電話購入を呼び掛けるキャンペーンも実施するなど、地域一丸となって詐欺撲滅に向けて奮闘している。

一番の抑止力は『地域の目』

地域で孤立している人は、情報が入ってこないため被害に遭いやすい傾向があるという。「入ってきた情報を自分だけに留めることなく、近所や地域で孤立している人にも話題を提供し、情報共有をしてほしい」と呼び掛ける。また、「似合わないスーツを着ている」「人の家をジロジロと観察している」など不審な人を見たら通報を。地域の目が一番の抑止力だ。

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