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お米不足の救世主となるか?元物理教師が作った新肥料!

TBSラジオ

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今日はお米の話題。物価高が続く中、特に苦しいのが令和の米騒動以来続くお米の価格高騰です。備蓄米の2回目の入札が行われ、政府が放出した備蓄米も店頭に並び始めているという話も出てきました。

備蓄米への期待値は?

まずは、街の皆さんに備蓄米に期待しているのか伺ってみました。

・そんなに変化ないんじゃないかなと思っています。お米が切れたら買わなきゃいけないから買うでしょ。
・買わない。全然影響はない。価格高いですよすごく。群馬のお米「雪ほたか」っていう。
・下旬から安くなるとかって、いっぱい放出されるとかって言っていたのに全然感じない。4000円代で。放出されているんだかどうかもわからない。
・今放出されるじゃないですか、そろそろ。それを待ってみて値段が下がるかどうか確認してから買おうかなって。
・備蓄米だって「これは備蓄米です」って売るのかな、わかんない。下がらないよ、今のままじゃ。昔の半分に戻るなんてことはもうこの世の中ありえない。自分で作るしかないんだよ

備蓄米へのイメージも様々ですね!最近では5キロで4000円を超えるなど、前年同期比で2000円以上高騰している状況です。街の皆さんの対策として「少量ずつ購入している」「玄米を多めに購入して都度精米している」などという方もいました。

その備蓄米にも限りがあるという事で、今後は収穫量そのものを増やしていく、安定させていく取り組みが重要となりますよね。そんな中で今後のお米作りの強い味方となりそうな新しい肥料が登場していました!

地球温暖化に対応した新肥料!?

新肥料を開発してご自身も富山県でお米作りをしている、陽咲玲代表の元智 浩司さんにお話を伺いました。

株式会社陽咲玲 代表取締役CEO 元智 浩司さん

高校の物理の教員時代から、知り合いの方で農業関係の研究所をやっておられた方と交友関係がありまして、肥料のことを聞いていると、30年前ぐらいのデータをもとに作られた肥料が一般的で、今までの肥料だと暑くなってしまうと、早く肥料が溶け出してしまって、稲が欲しいときに肥料成分が行き渡らない、そういう特徴が最近見られているんですけれども、自社の開発肥料は、この猛暑に合わせた肥料設計、溶け出す設計ができておりますので、さらに肥料をやらずに稲刈りのときまで肥料が持つような、そういった構成になっています。自社の肥料は100メートル×10メートルの面積=10アールあたり600キロ以上という収量を結果としてとることができました。

地球温暖化が進む中でも昔ながらの肥料を使い続ける農家がほとんどだったそうで、驚きました!元智さんは物理教師時代に培ったデータ収集を駆使して、今の気候に合った新肥料を開発したのですが、データ収集には多くの時間を要し、それらを肥料づくりに反映させることは簡単ではなかったそうです。

苦労の積み重ねの中で出来上がった新肥料。その実力なんですが、通常は10アール=1000平方メートルあたりのコメの収穫量は平均で536キロあまりのところ、新肥料を使った田んぼでは収穫量が600キロ!新肥料を導入した農家さんからは、これまでにないほど稲が大きく成長が良かった、収量も普段よりも1俵(約60キロ)以上多く収穫できたという声があったそうです。20アールの面積があれば2俵の増加という事に。この1俵の積み重ねが全国的に広がれば、収量を大きく伸ばすことができそうですね!

さらに消費者からは「お米の甘みがしっかり感じられる」と好評で、作る側からも食べる側からもいい反応が得られたようです。

更なる改良を目指して。より良い米作りの未来のために!

出だし好調な、地球温暖化に対応した新肥料。さらに今後の展望について元智さんはこんなお話を聞かせてくれました。

株式会社陽咲玲 代表取締役CEO 元智 浩司さん

(今後は)生育マップとか知力マップっていうマップが。AIの解析データから取得できるシステムがありまして、そういったものを田植え機に読み込ませて、肥料コストを抑えるためにもスポットで肥料の量変えていくっていう取り組みを今考えています。今の米の価格っていうのは、ちょっと本当に異常だと思っているところはあります。そもそも農家さんがコストを抑えて、たくさん収量を取れるような生産体系ができれば、必ず農家さんの収益は上がってくると思いますので、米の確保ができれば、結果として、米の値段価格が下がっても農家さん的には問題のない、そういった未来が作り上げていけるような…今のこの研究が結びつけば、というふうに思っています。

新肥料の更なるバージョンアップが進んでいるようですね!ひとつの田んぼでも場所ごとに必要な肥料の量が違うので、肥料をまくためのデータを組み合わせれば、従来の肥料よりも3割ほど値段が高くかかっているところ、2割ほどのコスト削減が見込まれるとのことです。

また、新肥料については、富山県以外の栃木、香川、福岡から問い合わせが来ていて、今後はより多くの地域で地球温暖化に対応した肥料を使ってお米作りをする農家さんが増えていくかもしれません。

(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:糸山仁恵)

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