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トランプ関税が情熱を削ぐ。GOON GEARの生産停止から見る、スノーボード業界への波紋

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BACKSIDE 編集部

プロスノーボーダーのルーカス・マグーンが主宰するスノーボードブランド「GOON GEAR」が、2025-26シーズンにおけるスノーボードの生産を見送ると発表した。ブランドの公式Instagramにて、「予測不能な関税とコスト上昇により、私たちのような小規模事業にとってはあまりにもリスクが大きい」と理由を述べている。
 
「GOON GEARは金銭のためでなく、スノーボードとそのコミュニティへの情熱で続けてきたブランド」。そんな言葉とともに届けられた今回の決断は、小規模なクラフトブランドが直面する経済的現実を如実に示している。
 

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いっぽうで、今回の動きはGOON GEARだけでなく、大手ブランドにも直撃している。イギリスのウィンタースポーツメディア「PLANET SKI」によれば、ユタ州ソルトレイクシティに拠点を置く登山用品ブランドのBLACK DIAMOND(ブラックダイヤモンド)は関税の影響を理由に、5月5日以降の製品価格を10〜25%引き上げると顧客に通知。また、バーモント州バーリントンに位置するBURTON(バートン)のCEOであるジョン・レイシーは地元紙「BENNINGTON BANNER」に対し、「製品価格が最大145%上昇する可能性がある」と述べたという。
 
これらの動きは、アメリカ製のスノーボードギアを多く輸入している日本市場にも大きな影響を及ぼすだろう。関税と円安が重なれば、来季以降の価格高騰は避けられない。
 
スノーボードは自由な遊びだ。しかし、その自由の足元を支えているギアの背景には、国際情勢や経済政策といった複雑な力が作用している。GOON GEARのように、情熱に突き動かされてギアを作り続けてきたブランドが生産停止に追い込まれる現実は、そのことを改めて突きつけてくる。
 
いま、ひとつのブランドが静かにその手を止めた。私たちは、その背景にある構造を見過ごさずに、何を“選ぶか”を考えるフェーズに来ている。

text:Daisuke Nogami(Chief Editor)

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