<天才の悪意?>努力しなくてもセンスがあるわが子。秘訣を聞かれても嫌味なくスマートに返す方法は?
子育てをしていると、「あれ、この子は努力していないのに得意なことがある」と驚かされる場面があります。投稿者さんのお子さんの場合は、野球。家で素振りも投球練習もほとんどしていないのに、チームのなかではトップクラスに上手。どうやら、練習量というよりはセンスや運動神経に恵まれていて、チーム練習のなかで一度経験すればすぐに習得できるタイプのよう。でもここで投稿者さんが困るのは周囲からの質問です。
『たまに保護者から「どうやったらうまくなれるの? やっぱり家でもたくさん練習しているの?」と聞かれるのですが、何と答えていいかわかりません。「ぜんぜん練習していません」と言えば、自慢に聞こえるかもしれません。一方で「はい、練習しています」と答えれば嘘になる。さらに「じゃあどう練習しているの?」と突っ込まれると答えられなくなってしまいます』
コーチは、「上手になるためには努力が必要」と言っているとのこと。練習をしていないのに上手いわが子。「どう練習しているの?」と聞かれたら答えられないと投稿者さん。このような場面でどう切り返すのがスマートなのでしょうか。
嫌味にならない返し方は?
不安感を醸し出す
投稿者さんのお子さんは器用なタイプなのでしょう。嫌味に取られないよう、「困っているママ」とのスタンスで返すというアイデアがありました。
『私なら、「自主練はあまりしていないの。今はそれで何とかなっているけれど、この先みんなの練習量が増えてきたら置いて行かれそうで心配で……」と言って、困った感を常に出して会話する』
こう言えば、相手へのマウントにはならないでしょう。自然と相手の家庭の工夫や練習法を聞き出すきっかけにもなります。
『それが、練習嫌いなのよ。だからいつか伸び悩むかもしれない』
「コツコツ努力できるようになってほしいのだけれど」と不安を混ぜれば、謙虚と本音の両立した返事になり、角も立ちにくいかもしれません。
「これしかできない」を強調する
『野球が好きで、それしかやらないの。ほかのことも得意になってくれたらいいのにね』
こう笑い飛ばすことで、才能を軽やかに受け止めていることを見せられます。加えて「勉強もこれくらい得意だったらいいのだけれど」と付け加えれば、ママとしての悩みを共有している形になり、会話も和みやすいのではないでしょうか。
相手のいいところを褒める
子どもには個性があります。いいところはひとつ持っているもの。それを相手の子どものなかに見つけてあげてはどうでしょう。
『うちの子は野球だけ。でも○○くんは算数が得意だよね? 本当に羨ましい』
相手の子を褒めて会話を終えるパターンです。嫉妬を和らげつつ、自然に話題を移せます。また子どもにも「人にはそれぞれ得意がある」と伝えることにつながり、健全な価値観を育てる助けにもなるでしょう。
社交辞令として軽く流す
相手の質問が必ずしも本気とは限りません。社交辞令で聞いている場合もあり、あまり真剣に答える必要はないかもしれません。
『「どうなのでしょうね。私もよくわからなくて」と適当にはぐらかす』
『「とにかく好きみたいで」とか言っておけばいい』
曖昧に答えるのも賢い対応です。相手のママは話題のひとつとして聞いてきているのかもしれません。大っぴらに「練習していないのにできるの」と言うと、自慢していると捉えられてしまうでしょう。
正直に「わからない」と伝えてみるのもアリ
一方で、長く付き合うチームの保護者なら、適当な答えよりも誠実さが大切だとのコメントがありました。
『スポ少やクラブチームの保護者だとしたら、付き合いは継続するのだから、スマートな切り返しより、信頼を得るような受け答えを心掛けたほうがいい。わからないことはわからないと言うのがベター。私だったら、「わが子は自主練しないし、親がどれだけ練習を促したらいいのかもわからない」と答える』
実は投稿者さんの子どもには上の子どもがいるそう。「上の子は努力型だったけれど、下の子は感覚でできるよう。親としてはどう接すればいいのか、正直わからない」と言います。上の子が不器用なタイプだからこそ余計に、聞いてくるママたちの気持ちがわかるそう。ならばむしろ正直に「わからない」と言えるほうが、信頼されやすい場合もあります。謙遜しつつ本音を語ることが大切なのでしょう。
謙遜は、子どもへの悪影響があるかも
ママが「この子は何も努力してない」と周囲に話すのは、本人が聞けば複雑な思いをすることもあるようです。
『私がまんべんなくできるタイプだった。褒められていた母には謙遜せず「勘がいいから、好きなことなら観察力があるのかな。好きなことと得意なことがリンクしたのかもしれないし……でも周りの子に引っ張ってもらっているのは大きいよね」みたいに答えてほしかったかな』
『私がそうだったけれど、「保身や社交辞令のために、親が自分を下げて話している」というのを感じるのは、子ども本人としては複雑なのよ』
見た目には努力していなくても、要領よく習得していたり、人一倍集中している時間があったりするかもしれません。そして「楽にできる」ように見える過程も立派な力のひとつです。子どもの前では「好きだから上手になれた」「観察力があるのだと思う」と肯定的な言葉を掛けることが大切なのでしょう。
大事なのは、わが子の才能を卑下せず、同時に相手を不快にさせないバランスを取ること。相手の子どものいいところを一緒に探すことも、周囲との関係をスムーズに保つ工夫となるのではないでしょうか。