【コーヒーの街・福岡のロースタリー巡り】自家焙煎店でなぜ!?コーヒー×トンカツの二刀流(北九州市)
北九州市小倉北区浅野のあるロースタリーカフェ「あつみ珈琲」。もともとサラリーマンだった川島さん夫妻が営んでいて、今年5月で開業10年目を迎えました。とにかくコーヒーに対して真面目で、夫妻の人の良さも相まって多くのファンに愛されているお店です。
オーナーロースターの川島さん。今年、ハンドドリップの競技会の全国大会に出場
特徴的なコーヒーが浅煎り・中煎り・深煎りの3種を用意するハウスブレンド「あつみブレンド」。3種はすべて使用する生豆は同じですが、焙煎度合いが違うため、飲んだ時の印象がガラリと変わります。ちなみに使用している生豆はブラジル・グアテマラ・インドネシアで、比率も同じにしているそう。こういったブレンドはなかなか見かけないので、3種を飲み比べてみて、自分にはどの焙煎度合いが一番しっくりくるか確認する指標にしてみてもいいかもしれません。
JR小倉駅から徒歩10分程度
最初、お店は小倉北区片野にありましたが、2022年に現在の場所に移転。片野の店舗はこじんまりとしていましたが、新店舗は以前の倍以上の広さに。そこで川島さんは長年温めてきた夢を形にします。それがランチの看板メニューとしてトンカツを出すこと。日本中探しても自家焙煎店でトンカツを提供している店は多くないと思います。それぐらい意外性のある組み合わせを形にした理由を聞いてみました。
コスパ抜群の甘熟得ロースカツセット(1793円)
「東京で会社員をしていた時代の友人の実家が『とんかつとん平』という創業60年のトンカツ屋を営んでいて、そこで食べたトンカツに感動したんです。それから関東に行く度に食べに行き、『いつかこのトンカツをうちの店でも出したい』という話をしていたんですね。友人の父親である『とんかつとん平』の店主もいつでも教えてあげるよと言ってくださっていたんですが、うちはコーヒー屋なんで、冗談だと思いますよね。ただ、私は機会が訪れたら絶対にトンカツを出す、と考えていて、移転を機に食堂に弟子入りし、料理の勉強をさせてもらいました」と川島さん。
お子様ランチもあるので、子ども連れにもおすすめ
それだけの熱意で提供しているトンカツだけに、コーヒーと同じく妥協はありません。豚肉は鹿児島県産の南州ポークを厳選。合わせる調味料もインドシナ海の海洋深層水を精製した特製塩、フルーティーさが特徴の独自ブレンドのソース、鹿児島の甘露醤油など、随所にこだわりが光ります。
ヒレとロースがありますが「断然おすすめは脂身が甘く、スッキリと食べられるロース。中でも甘熟上ロースがイチオシです」と川島さん。価格帯は甘熟ロース(1573円)、甘熟上ロース(2123円)、甘熟ヒレカツ(1573円)など、日常的に利用できる価格帯なのもうれしいですね。
シングルオリジンは豆売りももちろん行っている
コーヒーは3種のあつみブレンドのほか、シングルオリジンもブルマンを思わせるボリビア、キレのあるコクが特徴のタンザニア、フローラルで華やかなエチオピア、モカマタリの最高級品であるイエメン イブラヒムモカなど常時10種程度を用意。
モーニング、ランチ、カフェと利用シーンは多彩
トンカツランチを味わったあとに本格的なコーヒーまで満喫できるのは「あつみ珈琲」ならでは。ゆったりランチとコーヒータイムを楽しみたい時にぜひ足を運んでほしい一店です。