【レシピあり】タサン志麻さんが旬の素材の個性を、シンプルに楽しむヒントをお届け!
『きょうの料理』2025年4月号から始まったタサン志麻さんの新連載「Juste ça!~ただ、それだけ~」。肩の力を抜いて、もっと自由な発想で。旬の素材の個性を、シンプルに楽しむヒントをお届けします。
今回は、4月号に掲載されている「かぶと帆立てのいちごマリネ」のレシピを公開!
いま、たくさん出回っている旬のいちごを使ったソースは必見です。
「かぶと帆立てのいちごマリネ」のレシピ
春。さまざまなフルーツが店頭に並び、目にも楽しい季節です。
今回は赤がかわいい、いちごのソースをご紹介します。
いちごはあえてラフに、ザクザクと刻むのがポイント。
バラバラの大きさにすることで、食感にリズムが生まれます。
大きい粒は、かんだときにジワ~ッとあふれる果汁が、おいしいアクセントに。
小さい粒は、ソースをまとめる役割を果たしてくれます。
薄く切ったアボカドや、ゆでたアスパラガスなどにかけても。
材料(つくりやすい分量)
いちご…10コ(160g)
かぶ…(小)2コ
帆立て貝柱(刺身用)…10コ(300g)
りんご酢…大さじ1/2
ミントの葉*…適量
●塩・こしょう・オリーブ油
◎680kcal(全量) ◎塩分2.9g(全量) ◎10分
*タイムやディル、パクチーなど、好みのハーブにかえても。
1 かぶは皮をむき、スライサーで1~2mm厚さにして皿に盛る。帆立ては食べやすい厚みに切り、かぶにのせる。
21に塩・こしょうを軽くふり、ミントをあしらう。
3 いちごは大きめにザクザクと刻み、ボウルに入れる。オリーブ油大さじ3、りんご酢、塩・こしょう各適量を加えてよく混ぜ、2にかける。
いちごはきれいな角切りにしなくてもよい。塩によって出てくる水分がオリーブ油と自然になじむので、混ぜるときはいちごをつぶさないようにする。
いちごをつぶさないように混ぜる
私がふだんの料理で心がけているのは、甘みと酸味のバランス。
いちごをはじめとした果物は、この二つの味と水分が最初から程よく調和した食材です。
ここにオイルや酢を足すだけで、万能なソースに早変わり。
素材の味を、調味料として生かしてしまおう! というわけです。
同じつくり方で、いちご以外にもいろいろなフルーツソースがつくれます。
かんきつ類やキウイ、パインなど、酸味の強い果物がおすすめ。
タサン志麻(たさん・しま)
大阪あべの・辻󠄀調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、有名レストランでの研修を修了。帰国して老舗フレンチレストランなどで15年間勤務したのち、結婚を機に「素朴で温かいフランスの家庭料理の魅力を伝えたい」とフリーランスの家政婦に転身。家族構成や好みに応じた料理が話題を呼び、「予約のとれない伝説の家政婦」としてメディアで注目を集める。
■NHKテキスト『きょうの料理』2025年4月号より抜粋
■撮影・木村 拓(東京料理写真)/スタイリング・しのざきたかこ