【ちいかわ】鎧さんは何者?その正体を考察~善良な管理者か箱庭の支配者か?~【ネタバレ注意】
この記事では、ちいかわの重要キャラクターである「鎧さん」について、そのお仕事、目的、そして正体について解説を交えながら考察をしていきます。
※『ちいかわ』のアニメ・単行本のネタバレを含みます。ご注意ください。
「鎧さん」とは
鎧さん(よろいさん)とは、ちいかわ世界に存在する鎧を身にまとった人型のキャラクターの総称です。ちいかわ族を管理する立場についており、討伐や草むしりなどの労働をあっせんする他、ラーメン屋やカフェなどの飲食店を経営したりしています。
しかし、見た目がいかつく「ちいさくてかわいい」存在でない彼らが、なぜちいかわ族を管理しているのか……。その正体はちいかわ達以上に謎に包まれているといえるでしょう。
そこで、この記事では鎧さんの本来の仕事・目的、そしてその正体について探っていこうと思います!
ちいかわ達と交流のある鎧さん
現在、ちいかわ達と交流がある鎧さんは、主にこの3人です。
ポシェットの鎧さん
ポシェットの鎧さんとは、ピンクのクマのポシェットを身に着けた、ちいかわたちと仲良しの鎧さんです。
出店でちいかわ族の服を作って売ったり、ピクニックのために可愛らしいキャラ弁を作ったりと、鎧さんの中でも手先が器用でクリエイティブな存在として描かれています。ちいかわお気に入りのポシェットや、ちいかわ族で大流行したパジャマも彼が作成したものです。
また、非常に心優しい性格でもあります。
そんなポシェットの鎧さんにちいかわ達もよくなついており、たびたびおすそ分けをしたり一緒に遊んだりしています。
労働の鎧さん
労働の鎧さんとは、労働の受付をしている鎧さんで、ポシェットの鎧さんの友達です。
実は、この労働の鎧さんがちいかわで最初に出てきた鎧さんです。
ちいかわたちに擬態型への注意を促してくれたり、モモンガのダル絡みにも面倒がりつつ付き合ってあげるなど、世話焼きな一面があります。また、漢気がある性格で、ちいかぶ編ではちいかわ達を抱えて怪異から逃げるというファインプレーをしました(アニメ93話)。
ラーメンの鎧さん
ラーメンの鎧さんは、ちいかわ世界で言わずと知れた人気ラーメン店「郎」の店主です。ちいかわ達と直接の接点はないものの、ポシェットの鎧さんと労働の鎧さんの友達で、一緒にピクニックに行くなど仲良し三人組のようです。
スーパーアルバイターとしてラーメンの鎧さんの下で働くシーサーからは、「お師匠」と呼ばれて慕われています。そんなシーサーのことを、ラーメンの鎧さんも大切に思っているようです。
ちいかわ族と鎧さんたちの関係
しかし、上に述べた鎧さんたちは、あくまで特殊な存在です。というのも、ほとんどの鎧さんは業務以外でちいかわ族とあまり交流していません。鎧さんとちいかわ族との間には、一定の距離感があるようなのです。
ちいかわ族と仲良くしてはならない!?
例えば、ちいかわ達と家ですき焼きを楽しんだ後、コッソリと帰ろうとするポシェットの鎧さんを王様風の鎧さん(通称:えらい鎧さん)が呼び止めて、「仲良くしすぎだ」とたしなめるシーンがあります。
この言葉から、鎧さん達にはちいかわ族と仲良くしてはならないという掟、あるいは暗黙の了解のようなものがあると考えられます。
あくまで使用者と労働者
また、ちいかわ族は草むしりや討伐といった労働を鎧さんにあっせんしてもらっていますが、鎧さん達がそのような労働に従事している描写はありません。
鎧さん達は、あくまでちいかわ族の成果を受け取り、報酬を与えるという使用者の立場です。
もっとも、スーパーアルバイターに関しては、お店をもつ鎧さんの下で共に働くことができますが、「むちゃ・ムズカシイ」試験を突破しなければならないという制約が設けられています。くわえて、裁量のある仕事をしているわけではなく、アルバイトとして鎧さんの指示に従って働いていると考えられるため、ちいかわ族が鎧さん達に管理・監督される立場であることは変わりません。
鎧さんたちの仕事はただの管理者?それとも…
それでは、鎧さんの仕事は、ちいかわ族を管理することなのでしょうか。
確かに、ちいかわたちは純粋でか弱いため、常に危険と隣り合わせのちいかわ世界で生き抜くためには、彼らを導く「保護者」のような存在が必要なのかもしれません。
しかし、本当にそれだけが「目的」でしょうか?
ただちいかわ族を保護するためなら、ちいかわ族と仲良く協力し合って暮らしてもよさそうなものです。
それをせず、ちいかわ族と「仲良くしすぎない」ように一定の距離感で付き合いながら、ちいかわ族を雇って労働をさせるのはなぜでしょうか?
何か、鎧さんたちには別の「目的」があるのではないでしょうか?
以下、鎧さんたちがちいかわ族を管理する「真の目的」を探るために、いくつかの視点から考察していきます。
ちいかわ世界は鎧さんの王国なのか
そもそも、ちいかわの世界はどういった仕組みでできているのでしょうか。
それを解明するためには、ちいかわ族と鎧さんたちの間で大きく異なる点、すなわち「上下関係」の有無が大きな鍵となりそうです。
ちいかわ族は皆自由で、そこに身分の差はありません。しかし、鎧さんたちには「王様」らしき上位の存在(えらい鎧さん)がいて、その指示に従って団結して動いています。
その様子から、鎧さんたちは「王様」が統治する集団、つまり「王」を中心とした王国を形成しているのではないかと考えることができます。
ちいかわ達が住む世界、しかしそのちいかわたちを実質的に管理しているのは鎧さんたち、そして、鎧さんたちには彼らを統べる「王」がいる……となると、ちいかわ視点で普段見ている私たちは気づきにくいですが、あの世界はちいかわの世界というよりも、鎧さんたちの王国に、ちいかわ族が住んでいると言った方が正しいのかもしれません。
ちいかわ族と「仲良くしすぎてはいけない」本当の理由
鎧さんがちいかわ族と仲良くしてはいけない理由、それはズバリ、ちいかわ族と必要以上に仲良くなると問題が生じるためであると考えられます。
もう少し具体的に言えば、「ちいかわ族に情がわいてしまうと、あの世界を管理する上で業務に支障をきたす」ということです。
ではなぜ、仲良くなってちいかわ族に情がわいてしまうと、鎧さん達の管理に支障をきたすのでしょうか。
それは、ちいかわ世界の怖ろしい仕組みと関係していると考えられます。
ちいかわ族がキメラ化することを恐れている?
アニメではふんわりと、そして原作ではしっかりと描かれているのが、「ちいかわ族がキメラ化する」という事実です。
普段はちいかわたちを襲う恐ろしいキメラたちですが、その一部はなんと、元ちいかわ族がキメラ化したものなのです。中には、ちいかわ族であった記憶を持ちながら、元の仲間であるちいかわ族を捕食するものも……。
ちいかわ世界では、ちいかわ族をキメラに変えてしまう道具があったり、ちいかわ族と怪異の魂を入れ替える魔女がいたりします。また、何もなくとも突然キメラ化してしまうちいかわ族もいます。このように、ちいかわ族とキメラ化のリスクは常に隣り合わせのため、鎧さんたちはちいかわ族と一定の距離を置くことで、自らがキメラに襲われるリスクを減らしているのかもしれません。
確かに、仲良くなって一緒に過ごしているときに、突然キメラになって襲いかかられる可能性がある……と考えると、程よい距離感で遠ざけておきたいのも無理はないですよね。
討伐をちいかわ族にさせているのは、ちいかわ族を身代わりにするため?
しかし、鎧さんたちがちいかわ族と「仲良くしてはならない」理由として、一番大きいのはこれだと予想します。
『鎧さんたちは、ちいかわ族にキメラを討伐させることで、ちいかわ族を身代わりにしている。』
……。
可愛らしいちいかわ世界には、似つかわしくない残酷な理由ですよね。
つまり、鎧さんたちは、あえてキメラ化するリスクがあるちいかわ族を使って、キメラ(元ちいかわ族だったものも含む)を討伐させているのです。
なぜなら、自分たちが被害を受けることなく、安全にキメラという危険を排除できるから。
ちいかわ族がキメラになり得るという特性を考えれば、キメラリスクがあるちいかわ族を使って討伐をさせることで、キメラが倒せればよし、倒せずちいかわ族がやられたとしても、将来キメラになるかもしれなかったから問題ない……と。
……怖ろしいですよね。
もちろん、これはあくまで現時点での一考察なので、正解ではないかもしれません。
しかし、討伐に赴くための仕組みが整っていること(特に大きい討伐など)、それにもかかわらず討伐に赴いたちいかわ族が少なからずやられてしまっていることから、討伐を管理する鎧さん側としても、ちいかわ族がやられてしまうのはある程度折り込み済みである……とは言えるでしょう。
そんないつやられるかわからないちいかわ族に、情がわいても苦しいだけ。
だから、「仲良くしてはならない」んです。
鎧さんたちの正体は、箱庭の支配者!?
このように、鎧さんのちいかわ族に対するスタンスが見えてきたあたりで、少し発想を飛躍させてみましょう。
ちいかわ世界は、王を中心として鎧さんたちが統治しています。
そして、その世界には、ちいかわ族という善良な、しかし危険なキメラになるリスクをはらんだ種族が暮らしています。
ちいかわ族は、キメラになるかもしれないという欠点を除けば、他人の言うことを素直に聞き、まじめに労働をこなします。
そこで、王をはじめとした鎧さんたちは、ちいかわ族に自然では手に入らない美味しい食べ物や素敵な品を与える代わりに、危険が伴う労働をしてもらうことにしました。
ちいかわ族は他人を疑うことを知らないので、そういうものだと思って受け入れ、欲しいものを得るために危険な労働をするようになりました。
しかし、いつかちいかわ族が、「どうして自分たちばかり危険な労働をさせられているのか」と不満に思うかもしれない。そこで、鎧さんたちは、ちいかわ族が住む場所でイベントを開催したり、住みよい環境を整えたりと、ちいかわたちが過ごしやすいように工夫を重ねていきました。
それで出来上がったのが、今私たちがみている『ちいかわの世界』である。
つまり、『ちいかわの世界』とは、鎧さんたちが作りだした箱庭の世界で、鎧さんたちはその箱庭の支配者である……。
と、こんな具合に、考察を広げてみても面白いですよね。
おわりに
いかがだったでしょうか。
「ちいかわはこんなにダークな物語じゃない!」というお声が聞こえてきそうですが、これはあくまで現時点の情報で鎧さんたちを深読み考察したものですので、実際のナガノさんの設定とは大きくかけ離れている可能性があることをどうぞご了承ください。
そもそも、ちいかわは「なんか小さくてかわいいやつ」というナガノさんの思いつきから生まれた作品ですので、小さくてかわいい…つまり子供のようなちいかわ達の保護者として、鎧さんたちが存在している、というだけかもしれません。
しかし、ちいかわは可愛らしい絵柄と裏腹に、非常に奥が深い世界観となっておりますので、ナガノさんがかなり深くまで構想を練っておられることも十分に考えられます。
そんな奥が深い作品を、これからも追っていけると思うととてもワクワクしますね!
是非一緒に、ナガノワールドを堪能していきましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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