【専門家監修】暮らしに役立つお金の知識(最終回)「お金の管理の方法」
物価の上昇に「生活が不安」と感じる人は多いのではないでしょうか? 将来に備えて貯蓄・貯金をしたい!と思っても、なんだかうまくいかない…。「何を、どうしたらいいのか?」お金の専門家が、暮らしに役立つお金の知識を解説します。
矢野美月さん
金融教育に力を入れる「フィナンシャルクリエイト」の千葉支社・支社長。ファイナンシャルアドバイザーや楽天証券の資産運用アドバイザーとしてセミナー登壇多数。金融リテラシーの向上にも力を入れる。
株式会社フィナンシャルクリエイトHP/https://www.financial-create.co.jp/
千葉支社/千葉県千葉市中央区富士見2-3-1 塚本ビル8階
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お金の管理をするためには、まずは収入や貯蓄などの洗い出しから
基本的なお話しなのですが、入ってくる量に対して出ていく量が多ければ浪費になりますし、出ていく量が少なければ貯まっていきます。浪費を無くし、お金を貯めていくためには、お金の管理を行うことがとても重要です。
まずは、自分がどれだけ使っていいのか、またどんな目的で、いつ使うのかを把握しましょう。それから収入と貯蓄もクリアにすること。それらをすべて洗い出したら、振り分けを行っていきます。
細かく振り分ける必要はなく、ざっくりと、「使うもの」「貯めるもの」で分けていく感じでOKです。
お金を管理することで見えてくる「貯めるお金」と「使えるお金」
使うものというのは、日々の生活費などの短期的なものから、習い事の月謝など毎月支払うものから半年、1年のうちに使っていく中長期的なもの、それからお子さまの学費や家のリフォーム費などの将来的に必要になってくる長期的なもののこと。
貯めるものに関しては、「何のために貯めるのか」という点をハッキリさせることが大事なポイントです。ここがぼんやりしていると、つい使ってしまったり、逆に貯めすぎてしまって結局老後には使い切れないまま…なんていうことも。
貯める必要があるお金は貯めて、使えるお金であれば使っていいと思うので、そこを見誤らないためにも、収支や貯金を一旦洗い出すことが必要なのです。そして、ゴールを決めることも忘れずに。いつまでに貯めるのかを決めて、無理なく計画的に資産形成を行っていってください。
夫婦それぞれがお金の管理をしている場合は要注意!
お金を管理していく上で注意が必要なのが、夫婦それぞれが収入や支出を管理している場合です。老後になって貯金が無かった、なんてことにならないよう、お互いの収支を把握しておけるといいですね。
管理の仕方としては、夫婦共同の口座を作って管理するのがベスト。とはいえなかなかそれを実現するのが難しい方もいるかと思いますので、そういった時は私たちのような専門家を頼るのも1つの手です。第三者を交えた方が話しやすいこともありますし、可視化することで何のためにこのお金が必要なのかも分かっていただけるかと思います。
お互いが目標を理解することでストレスなく一緒に行動ができるので、老後の暮らしのためにも、夫婦で一度話してみることをおすすめします。
無駄な支出を無くして上手に貯蓄するためにはお金の管理は大事
お金の管理をすることでの最大のメリットは、自分が今何をしているのかが明確になる、という点が一番ですね。
それが分かることで無駄な支出はなくなりますし「なんでこれ貯めてるんだろう?」といったストレスもなくなります。それに、意外と安泰だったと分かったら生涯の不安が1個減るので、そういった面も良い点です。
お小遣い・お年玉…子どものお金の管理はどうしたら?
お金の管理は本来自分で行うものですので、お小遣いなどの管理を思い切ってお子さんに任せてしまうのもいいかと思います。
最初はもちろん失敗ばかりでしょうけど、それを繰り返すことで学んでいくので、親の心情的には色々と言いたくなる気持ちはすごく分かりますが、ヒントを出す程度で留めておきましょう。自分自身が「これは、まずい!」と思わない限り、思考や行動ってなかなか変わらないですからね。自分で管理することで、お金に対しての意識が少しでも高まってくれればと思います。
今後、過去20年、30年前の日本とは大きく変わってくると思います。それはお金の面にも言えること。子どものころからお金に対する意識を高めておくことで、さまざまな変化にも対応することができるので、大人も含め、お金の正しい知識を備えていって、将来を見据えて行動していけるといいですね。