「SFの世界にも届きそうな生命科学の研究」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 生命科学の話】
SFの世界にも届きそうな生命科学の研究
不老長寿や超人遺伝子も現実的なものに
いつまでも若くいたい、長生きしたい、もっと強くなりたい……。これまでは夢だったことも、生命科学によって実現可能な時代になりつつあります。よく知られるのは、2012 年にノーベル賞を受賞した山中伸弥博士の、“ 何にでもなれる ” iPS 細胞です。「山中因子」とも呼ばれ、さまざまな再生治療や創薬に活用されています。
また、骨を強くする遺伝子や痛みを感じない遺伝子、長時間潜水できる遺伝子、学習能力が高まる遺伝子なども見つかっています。生命科学の技術によってこれらの遺伝子を編集することができれば、超人的なヒトをつくることも理論的には可能だとされています。
古代生物の復活も夢じゃない?
1996 年にクローンヒツジのドリーが誕生したことは、よくご存知のことでしょう。それ以降、マウスをはじめ、ブタやウシ、イヌ、ネコなどのクローンもつくられました。アメリカでは、クローン技術で氷河期の巨大なマンモスをよみがえらせ、絶滅危惧種の保護につなげようという試みも始まりました。
また、複数の動物で一つの生物をつくるキメラの実験も行われています。アメリカでは臓器移植のために、ヒトとブタのキメラ、中国では動物実験などのために、ヒトとサルのキメラがつくられ、日本でもラットとマウスのキメラが成功して、医学研究への活用が期待されています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 生命科学の話』著:高橋祥子