丘みどり、演歌・歌謡界の歌姫がデビュー20周年を記念し初座長公演に挑む「長年の夢がかなう」オフィシャルインタビュー到着
3月21日(金)~31日(月)に大阪・新歌舞伎座にて『新歌舞伎座初座長 デビュー20周年記念 丘みどり 特別公演』が上演される。公演を前にオフィシャルインタビューが到着したので紹介する。
『新歌舞伎座初座長 デビュー20周年記念 丘みどり 特別公演』が、2025年3月21日(金)から31日(月)まで大阪・新歌舞伎座で開催される。本公演は、演歌・歌謡界の歌姫にとって待望の初座長公演となる。第1部は竹取物語をベースに笑いもたっぷり詰め込んだコメディ芝居「輝く月の姫君」、第2部が民謡から最新曲までを披露する「丘みどりオンステージ〜劇場版Special〜」の構成になる。デビュー20周年を迎え、「長年の憧れだった」と語る新歌舞伎座のステージに立つ丘みどりに、本公演の見どころや演歌への思いなどを語ってもらった。
憧れだった大阪・新歌舞伎座での初座長公演。今はプレッシャー以上に楽しみが大きい
――満を持しての初座長公演へのお気持ちをお聞かせください。
姫路市出身の私がいつか座長公演をするなら、憧れの大阪・新歌舞伎座で……と思っていたので、その夢が叶い、本当にうれしく思っています。もちろんプレッシャーや緊張はありますが、それ以上に楽しみの気持ちの方が大きいですね。
――第1部ではお芝居にも挑戦されますが、見どころを教えてください。
竹取物語をベースにしたお芝居になります。関西らしく、笑いがたっぷり詰まった楽しい内容になっています。私はかぐや姫を演じますが、怒ると地元の播州弁が出たり、途中で「六甲おろし」を歌ったりする場面もあるんです。新しいタイプのかぐや姫を楽しんでいただけると思います(笑)。
――今年1月にも三越劇場で初主演舞台を務められたばかりですが、手応えはありましたか?
歌のステージは自分一人で完結するものですが、お芝居は共演者のみなさんと一緒に作り上げていくという、歌とはまた違う楽しさが感じられました。
――なるほど。では、最初から楽しんで演じられたのでしょうか?
最初は、同じ場所で連日行う劇場公演、しかも主演舞台ということで、「私に務まるのだろうか」という不安がありました。共演者の方に「毎日同じことを新鮮な気持ちで続けられるのでしょうか?」とご相談したところ、「みどりちゃんは全然わかってないな。お芝居に同じ日は1日もないんだよ」と言われて。本当にその通りで、公演の1カ月間、同じ日は一度もなく、役者同士の掛け合いでお芝居がどんどん変化していくことに演じる楽しさを実感しました。そうした経験も活かし、今回はどんなお芝居になるのか、今からワクワクしています。
歌のステージでは過去曲から新曲、そしてダンスにも挑戦。演じるという経験を糧に歌の表現にも変化が。
――第2部の歌のステージの見どころをお聞かせください。
これまでの曲はもちろん、今回新たにチャレンジする曲や歌いながらダンス披露など、ジャンルを問わず多彩な楽曲をお届けします。普段あまり歌わない曲も予定しているので、長年応援してくださっているファンの方にもご満足いただける内容になると思います。また、第1部が楽しいお芝居なので、逆に第2部では女の情念をテーマにしたコーナーも設けたいとも考えているところです(笑)。デビュー20周年記念曲「夜香蘭(ひやしんす)」も披露しますので、まさに丘みどりの集大成ともいえる、魅力満載のステージをお見せします。
――それは楽しみですね。新曲の「夜香蘭(ひやしんす)」はどういった曲なんですか?
女性の揺れ動く繊細な心の機微を情緒豊かに描いた作品です。少し切なさを感じながらも、温かな気持ちになれるような、日常の中のふとした瞬間にスッと心に寄り添ってくれる一曲ですね。
――お芝居を演じるという経験を得たことで、少なからず歌い方にも影響があったのでは?
同じ歌詞でもさまざまな歌い方があるように、お芝居のセリフにも表現の仕方が無限にあることや、時に囁くような表現でも伝わることを、お芝居を通して学ばせていただきました。私の歌はどちらかというと力強い響きと歌唱で押す“攻めの歌”の印象があると思うのですが、お芝居を経験したことで、「ここはあえて語るように歌ってみよう」と表現の幅が広がったように思います。ファンの方からも「最近は歌い方が変わった、良くなった」と言っていただけることが多く、お芝居の経験は私にとって大きな財産になっています。
デビューから20年。改めて一番好きな曲は演歌なのだと実感
――デビュー20周年という大きな節目を迎えられた今、どんなステージをファンの方に届けたいですか?
常々心がけているのは、初めて私のステージを見る方や、演歌のコンサートに初めて足を運ぶ方にも、必ず楽しんでいただけるようなステージを作ることです。演歌歌手のコンサートという枠にとらわれず、さまざまなことに挑戦していきたいですね。
――これまでを振り返って、演歌に対する思いは変わりましたか?
歌手としてさまざまなジャンルの曲を歌わせていただいていますが、ふと原点に立ち返ると、「やっぱり一番好きなのは演歌」と改めて実感します。40歳を迎えてから、その思いがより強くなりました。年を重ね、人生について少しずつ分かる年齢になったこともあり、「心に寄り添ってくれるのが演歌なんだ」なんて思うんです(笑)。
――新歌舞伎座での初座長公演、そしてデビュー20周年を迎えるにあたり、演歌歌手・丘みどりとして、また新たな一歩を踏み出すことになりますね。
5歳のときに鳥羽一郎さんのコンサートを見て「演歌歌手になる!」と決めていたんです(笑)。そして新歌舞伎座で初座長公演という夢が叶い、満足なのかといえば、まだまだですね。これからも全国各地を訪れ、ファンの皆さんに直接歌を届けたい、もっと幅広い世代の方々にも私の歌を聴いてもらいたい、いつかは「演歌歌手といえば丘みどり」と言ってもらえる存在になれたら……。「できることを全力ですべてやり切る」という気持ちで、この公演も精一杯頑張りたいと思っています。
取材・文=野上知子 撮影=西木義和
『新歌舞伎座初座長 デビュー20周年記念 丘みどり 特別公演』は3月21日(金)に開幕。チケットはイープラスにて販売中。