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2025年の時計トレンド:進化するスタイルと新たな楽しみ方

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2025年の時計トレンド:進化するスタイルと新たな楽しみ方

時計はもはや単なる時間を知る道具ではなく、ファッションや個性を表現する重要なアイテムへと進化している。2025年の時計業界は、デザインの多様化、価格の上昇、そして時計愛好家が集う新たな空間の誕生によって、さらなる変化を迎えている。今年注目すべきトレンドを紹介する。

author justin hast

1. 形の変化

──丸型ケースの時代は終わるのか

 これまで時計といえば、丸いケースが一般的であった。しかし、近年は四角や八角形、クッション型など、さまざまな形状のモデルが登場している。カルティエの「タンク」や「サントス」の成功を受け、独立系ブランドもまたユニークなデザインを次々と発表している。

 さらに、時間の表示方法にも変化が見られる。ベルギーの独立系ブランド「レッセンス」は、針のないリキッドダイヤルを採用し、ルイ・ヴィトンの「タンブール コンバージェンス」は、文字盤上部で時間が流れるように表示される仕組みを導入している。伝統的な時計の概念が大きく変わりつつあるのは間違いない。

「Type 9 Aqua」自動巻き、Tiケース、39mm ¥2,337,500 Ressence

「タンブール オトマティック コンバージェンス ピンクゴールド」自動巻き、18KPGケース、37mm ¥5,049,000Louis Vuitton

2. 価格の高騰

──高級時計はさらに手が届きにくい存在へ

 昨年「時計の価格が高騰している」と感じたならば、2025年はさらなる衝撃を受けることになるだろう。かつて5,000ドル(約75万円)で購入できたエントリーモデルは、今や8,000ドル(約120万円)前後にまで価格が上昇している。特に、5万ドル(約750万円)以上の超高級時計市場は急成長している。

  これは単なる物価上昇ではなく、ブランド戦略の一環である。時計の価格を引き上げることで、希少性と特別感を強め、より高級なポジションへとシフトしているのだ。

3. サイズの変化

──大きめの時計が再び主流に

 数年前は38mm前後の小ぶりな時計が「理想的なサイズ」とされていた。しかし、2025年はより大きめの時計が再び注目されている。パネライは、かつてのビッグウォッチブームを思わせるモデルを発表しているが、これは2000年代のような極端な大型化ではない。42~44mmと程よいサイズ感を維持しながら、デザインと装着感のバランスが考慮されている。

 存在感がありながらも洗練されたデザインが求められる時代へと移行している。

 「ルミノール ベース ロゴ」手巻き、SSケース、44mm ¥847,000 Panerai

4. ヴィンテージデザインの復活

 時計業界において「復刻」や「アニバーサリーエディション」は恒例行事となっている。そして2025年もこの流れは続く。70年代や80年代のデザインを取り入れた時計が次々と登場し、特にサーモンピンク、モスグリーン、オリーブといった色合いの文字盤が人気を集めると予想される。

 しかし、注意すべき点もある。復刻モデルが続々と発売される一方で、オリジナルのヴィンテージウォッチが市場に出回っており、場合によっては復刻モデルよりも安価に手に入ることもある。時計愛好家の間では、復刻版とヴィンテージのどちらを選ぶべきか、慎重に見極める動きが加速している。

5. カラーバリエーションの拡大

──より自由な色使いへ

 かつて時計のストラップといえば、黒や茶色が主流であった。しかし、2025年はよりカラフルな時計が流行の兆しを見せている。ビビッドなラバーストラップや、職人による手縫いのカラーレザーストラップが増え、ダイヤルの色も多様化。サーモンピンクやバーガンディ、メタリック仕上げの文字盤などが登場している。

 さらに、ケース素材も進化し、カラフルなセラミックやユニークな合金が採用されるようになった。時計はもはや時間を示す道具ではなく、持ち主の個性やスタイルを反映するアイテムへと進化している。

「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41 “Mercedes-AMG Petronas Formula One™ Team”」自動巻き、Tiケース、41mm ¥1,292,500IWC

6. 時計ブティックのクラブハウス化

──新たな購入体験の提案

 時計を買う体験そのものが変化しつつある。これまでのような明るい照明のブティックではなく、時計愛好家が集い、ゆったりと楽しめる「クラブハウス」のような空間が増えている。ロンドン、オールドボンド・ストリートに位置するヴァシュロン・コンスタンタンの「Club 1755」はその代表例である。時計を販売する場所ではなく、時計をじっくりと楽しむための空間として設計されているのだ。

 同じく「The Time+Tide London Discovery Studio」もまた、時計愛好家の新たな拠点となっている。ここでは、時計製造のワークショップやトークイベントが開催され、知識を深める機会が提供されている。

 時計の購入は単なる消費行動ではなく、時計文化を共有し、楽しむための体験へと変わりつつあるのだ。

ロンドンのメイフェアにあるヴァシュロン・コンスタンタンの「Club 1755」。

ロンドンの「The Time+Tide London Discovery Studio」。

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