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平沼・緑ケ丘 地元高卒業生が合同展 高島屋で2校同時開催

タウンニュース

自らの作品を手に両校を代表して取材に応じてくれた安藤さん(右)と小西さん

横浜平沼高校と横浜緑ケ丘高校の卒業生でプロとして活躍する美術作家が集い、両校それぞれの合同展が8月7日から12日まで、横浜高島屋7階の美術画廊で同時開催される。「地元の高校」という枠組で、百貨店画廊を使った展覧会が行われるのは珍しい試みだ。

きっかけは、平沼高の同窓会が来年の125周年記念として、美術の道に進んだ卒業生を集めて企画した合同展。緑ケ丘高卒のガラス作家・小西潮さん(59)が偶然同時期に隣の会場で個展を開く予定だったことから平沼の企画を知った。

緑ケ丘では80周年の時に卒業生らによる合同展覧会を開催しており、先輩たちから100周年展を託されていたという小西さん。折しも昨年同校が創立100年を迎えたため、当時の仲間を集めて平沼と同時開催することを決めた。

平沼は校歌の一節から取り「ももふねちふね展」と題して開催。20代から70代まで、創作家具や日本画、根付、『ハーバーテイル』のアニメーションなど幅広いジャンルの9人が参加する。一方、緑ケ丘は「Jubilee-グリーンの断片」と題し、50〜60代の5人が参加。「緑」をテーマに制作した作品に、ラジオパーソナリティーのクリス智子さんが言葉をのせる。

両校とも注目は「コラボレーション作品」。ガラスの茶杓(ちゃしゃく)に合わせてフェルトで作ったケースや、厨子(ずし)にモザイクアートを施すなど、異なるジャンルの作家同士だからこそ生まれた作品も。販売も行われる。

観覧無料。午前10時から午後8時まで。

作品通じ「母校にエール」

平沼高卒で、同画廊で20年前から定期的に個展を開いている創作家具作家の安藤和夫さん(71)は「プロの作家とはいえ『地元高校の卒業生』という枠組みで高島屋の画廊を使えるなんて異例のこと。他の作家や同窓生に会えるのが楽しみ」と期待する。小西さんは応援団長だった自身の高校時代を振り返り「勉強だけでなく様々な将来の選択肢があることも伝えられたら」と話す。

また、共に横浜の伝統校だが「少子化による統廃合は他人事ではない」との危機感も。横浜高島屋美術部の原口優子さんは「地元高校など地域の活性化も百貨店の役割の一つ」と考え開催に尽力。「同窓生だけでなく普段画廊に来たことのない方にも、買い物がてら気軽に立ち寄るきっかけになれば」と話した。

出展者(敬称略)。【平沼】安藤和夫(創作家具)、鳥山玲(日本画)、今井陽子(絵画)、三小田智子(写真)、伊藤有壱(アニメーション)、浅野信二(油彩画)、向田陽佳(根付・書・和小物)、飯野夏実(陶器・モザイク)、小川名樹(漆芸)【緑ケ丘】押山治(日本画)、小西潮(ガラス)、まえだゆき(フェルト)、木寺由布子(金工)、クリス智子(言葉)

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