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人間の体にいい食品は、猫の体にもいい?5つの食品別に猫への影響を解説

ねこちゃんホンポ

1.オリーブオイル

オリーブオイルは、猫の健康にとっていくつかのメリットがあります。

✔便秘の解消
✔毛球症の予防
✔老化の防止
✔生活習慣病の対策

オリーブオイルは、腸内で吸収されにくく便の滑りをよくして、出しやすくする効果があるため少量摂取することは便秘対策に効果的である可能性が高いです。

また、毛づくろいの際に飲み込んでしまった毛の排出をサポートする抗酸化作用のある成分が豊富で、老化を防止するなどの効果も期待されます。さらに糖尿病や心臓病などの生活習慣病の対策にもおすすめとされています。

ただしカロリー過多になりがちで、猫によっては下痢になる、アレルギーを起こすといったデメリットもあります。排泄や食欲の状態を見ながら与える量を調節するよう注意しましょう。

2.ヨーグルト

ヨーグルトはプロバイオティクスを豊富に含んでおり、人間には腸内環境を整える効果があることで知られています。猫にも与えることはできますが、注意が必要です。

猫に与えた場合、以下の効果が期待できます。

✔便秘下痢の解消
✔免疫力アップ

猫にヨーグルトを与えると、腸内で善玉菌が増えて腸内環境が整いやすくなります。その結果、悪玉菌が減って腸の動きが改善され、便秘や下痢の解消が期待できるでしょう。

また腸内の環境が整うと動きが活発になり、体内の有害物質を排除する働きが活発化して免疫力アップにもつながります。

口臭予防の効果があると言われることもありますが、いまのところ根拠はありません。

その一方で、猫は乳糖を消化する能力が低いため、乳製品を摂取すると消化不良を起こし、下痢や胃腸の不調を引き起こすことがあります。

3.豆乳

豆乳の原料である大豆には、猫にとって中毒となる成分が含まれておらず、健康にも良いとされています。

✔老化の防止
✔ガンの予防
✔免疫力のアップ

大豆には抗酸化作用のある「サポニン」が含まれており、豆乳を与えることで老化防止やガン予防の効果が期待されます。また大豆に豊富に含まれている大豆イソフラボンは免疫力アップや老化防止などのアンチエイジング効果があると言われています。

その一方、カリウムやマグネシウムが豊富なため、豆乳を与えすぎることがカリウムの過剰摂取につながり、ストルバイト結石の原因になり得るでしょう。また大豆にアレルギー反応を示す猫もいますので個体によっては注意が必要です。

猫に与える際は、成分無調整のものを選び、最初は少量からはじめるようにしましょう。

4.納豆

納豆は猫にとっても健康に良い食品のひとつです。

✔血栓の予防
✔便秘の予防
✔老化の防止
✔免疫力アップ
✔毛球症の予防

納豆の原材料も大豆のため、老化の防止や免疫力アップなど豆乳と同じような効果が期待できます。

そのほか納豆のネバネバには、「ナットウキナーゼ」という酵素が含まれており、血管にできる血栓を溶かす効果があります。血栓の予防ができれば、脳梗塞や心筋梗塞などの予防が期待できます。

ただし納豆の与えすぎは、消化不良や鼓腸症の原因になることがあるので注意しましょう。

猫に納豆を与えるときは、タレなどは入れずにそのままの状態で与えてください。また大粒の納豆はのどに詰まらせてしまう可能性がありますので、小粒やひきわりの納豆を選ぶようにしましょう。とくにひきわり納豆は皮が取り除かれているので、消化にも良くおすすめです。

猫用のフリーズドライタイプの納豆のおやつなども販売されているため、猫用のものを与えた方が試しやすく安心です。

5.ナッツ類

ナッツ類は栄養価が高く、健康に良い食品ですが、猫にはおすすめしません。ナッツ類は脂質が多く、硬いため消化不良や中毒を起こすこともあるため、与えるべきではないとされています。

とくにマカダミアナッツは犬で中毒を起こすことが知られており、中毒成分も不明とされています。猫については、よくわかっていませんが、犬と同様に中毒を起こす可能性があるため、与えないほうが賢明です。

以下はマカダミアナッツ中毒の症状です。

✔嘔吐
✔発熱
✔痙攣
✔麻痺

マカダミアナッツを誤って食べてしまった場合は、以下の症状に注意し、早急に動物病院を受診しましょう。

また中毒成分は含まれていませんが、カシューナッツ、ピーナッツ、アーモンド、クルミは脂質が豊富なため、肥満や消化不良の原因になり得ます。与えないよう注意しましょう。

まとめ

人間にとって健康に良い食品が、猫にとっても同様に良いとはかぎりません。猫は人間よりも体が小さいので少量でも影響を受けやすいですし、体の作りも違います。

そもそも猫は総合栄養食のキャットフードを与えていれば、栄養的に問題になることはありません。また人間の食べ物に慣れると、盗み食いや中毒などのリスクも高くなります。

人間の食べ物は、たまにおやつとして与える程度にし、日常的に与えるのは避けたほうが良いでしょう。


(獣医師監修:葛野莉奈)

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