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Petit Brabanconの対バンシリーズ『CROSS COUNTER”』東京2days初日、The BONEZとの対バン公式レポ

SPICE

Petit Brabancon

Petit Brabanconのライブシリーズ『CROSS COUNTER -01-』の東京2days公演が3月26日、27日にLIQUIDROOMにて開催され、The BONEZを迎えた初日公演のオフィシャルレポートが到着した。

名古屋、大阪と回ってきたPetit Brabancon「CROSS COUNTER -01-」も大詰め。それぞれ2デイズの初日が名古屋はROTTENGRAFFTY、大阪はSPARK!!SOUND!!SHOW!!との対バンだった。そしてこの日3月26日東京・恵比寿リキッドルームの相手はThe BONEZだった。

ところがライブの5日前になってThe BONEZのヴォーカルJESSEが喉の不調を訴えドクターストップがかかり歌えなくなってしまうという事態に。リード・ヴォーカルが歌えないとなればライヴは中止になって当然だが、なんと決行するという。いったいどんなライブになるのかまるで見当もつかないまま会場に向かったが、The BONEZというバンドの底力、JESSEのパフォーマーとしての圧倒的な華、バンドメンバーの強固な結束、そしてBONERと言われる熱狂的なファンたちの団結力を示す素晴らしいライヴとなった。The BONEZの大熱演がトリのPetit Brabanconやそのファンを大いに刺激して結果的に最高の夜になったのである。

The BONEZ

The BONEZがステージに登場するなり凄まじい歓声と熱気。ラウドでスピーディーなミクスチャー・ロックが容赦なく鳴らされ、歌わずして容赦ないオーラを醸し出すJESSE 、ヴォーカルをサポートするKOKI, T$UYO$HI,のコーラスワーク&パフォーマンスにバンドの勢いを加速させる怒涛のドラミングのZAX、まるで、バンド全体が一丸となった溶鉱炉のようなステージの熱気は確かに伝わり、客の反応は熱狂的だ。歌がない物足りなさをまるで感じさせない。バンドはライブを決行する以上、歌がないことを言い訳にはできない。そしてオーディエンスは、この苦境であえてステージに立って闘うことを選んだバンドをバックアップし最高のライヴにしなければ、ファンをやっている甲斐がない。いつのまにか、少なくとも全体の半分はいるはずのPetit Brabanconのファンも巻き込まれ、会場中がThe BONEZのライブに熱狂している。私もいつのまにか中坊に戻ったかのように彼らのライブに引き込まれていた。歌えなくても全身全霊で客を煽り続けたJESSEと、最高にパワフルでエネルギッシュなプレイで歌の不在を感じさせなかったThe BONEZの演奏と、その心意気を感じ取ったオーディエンスが完全に一体となった最高のライヴだった。

The BONEZ

となれば、Petit Brabanconも負けられない。音楽は勝ち負けを競うものではないことは百も承知の上だが、The BONEZとオーディエンスが作り上げたこの熱気をさらにアゲてアゲてアゲまくることが、ヘッドライナーのバンドの使命である。

Petit Brabancon

まだThe BONEZ の余熱が残る会場にyukihiro作のインダストリアルなインスト「move」が鳴り響くと、フロアは爆発的な歓声と熱気に包まれる。前回のツアーあたりからPetit Brabanconというバンドの本質を客が完全に理解し、バンドが望むライブのあり方に応えるようになったことは実感していたが、BONERたちをも巻き込んだ会場の雰囲気は早くも熱狂的だ。

Petit Brabancon

名古屋大阪と周り、すっかり温まっているバンドのエンジンはいきなり全開で、コンビネーションはさらに研ぎ澄まされている。目の前でThe BONEZの最高のライブを見せられて、メンバーが燃えないわけがない。antzもミヤも、最近はめっきり動きが激しくなった高松もステージを動き回る。antzとミヤのツイン・ギターのコンビネーションはバッチリ決まっているし、いつも冷静沈着にリズムを刻むyukihiroは、バンド全体に強力なガソリンを注入するかのような荒々しいエネルギーを放射している。

Petit Brabancon

Petit Brabancon

Petit Brabancon

yukihiroのテンションの高さはこの日ひときわ目についた。リキッドルームの音響の良さもあって、各楽器の音が混濁せず、バンド・アンサンブルの確かさもはっきりわかる。素晴らしい。

そしてなにより京だ。デス・ボイスとクリーン・ボイスを自在に往還しながら、圧倒的なカリスマで会場を支配する。JESSEのように水際だったかっこよさというより、衝動に任せたような不規則で予測できない動きはある種の不安や狂気や禍々しさを感じさせ、目が離せない。内面の混乱と毒を吐き続けるような彼の歌は、決して安易に共有できるようなものではないはずだし、第一Petit Brabanconは歌詩を公開していないが、しかし客は歌っている。京の吐く毒を食らい内面化し共有しようとするオーディエンスはこんなにも多いのだ。いま目の前に繰り広げられている、熱狂の渦となったフロアこそが彼が望んだ光景だろうが、それでも彼はもっともっとと要求する。もっと自分をさらけ出せ、もっと剥き出しのお前をぶつけてこい、そんなもんじゃねえだろ、全力でかかってこい、と挑発するのである。JESSEとはまったく違う意味で、京は切実にオーディエンスとのコミュニケーションを求めているし、誰よりも観客を信じているように思える。その挑発は過去のライブでは思うようにならない客席への苛立ちの表れのようにも思えたが、いつになく客席にマイクを向け歌わせていたこの日の京の表情は、満足げに見えた。The BONEZの大熱演がPetit Brabanconやそのファンを大いに刺激して最高のライブになったことは間違いないし、The BONEZにとっても同様だったはずだ。実りある対バンであり、個人的にも久々にロックらしいロックのライブを堪能できた夜だった。繰り返すが、最高である。

文=小野島 大
撮影=<Petit Brabancon>青木カズロー、河本悠貴 <The BONEZ>Taka"nekoze_photo"

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