PORTERが「100%植物由来ナイロンの新TANKER」をベルリンで初披露
素材の刷新だけでなく、細部にまでこだわった新TANKERの魅力とは?
日本の老舗バッグブランド「PORTER」は、ベルリンのコンセプトショップ「ANDREAS MURKUDIS(アンドレアス・ムルクディス)」にてポップアップを開催した。
2024年春から100%植物由来のバイオベースナイロンへ切り替えた新しい「TANKER(タンカー)」のローンチイベントとして開催。店内に設置されたPORTER特製の大型テントや専用什器にフルコレクションが並ぶ。
「TANKER」とは、1983年に誕生したバッグシリーズで、アメリカ空軍のフライトジャケットMA-1がモチーフとなっている。長年に渡り、多くの人から愛用され、世界中にファンを持つPORTERの代表作だ。そんな不動の人気を誇るTANKERにとって重要な素材が刷新されたとあって、POPUP初日から多くの人が訪れた。それぞれの愛用TANKERを持参している姿も印象的だった。
トウモロコシ&ヒマからできた100%植物由来のナイロン製
東レとの協業によって誕生したナイロンは「エコディア®N510」と呼ばれる、トウモロコシとヒマからできた100%植物由来のナイロン繊維を使用しており、世界で初めて量産化に成功したという。同素材は、石油などの化石資源を使用しないため、CO2などの温室効果ガスの排出量を削減できる地球環境にやさしいエコ素材だ。
それでいて、従来の石油由来のナイロンと同等の強度と耐熱性も兼ね備えているだけでなく、品質や光沢など以前と全く変わらないクオリティーを保持している。裏地には、回収漁網を再資源化したケミカルリサイクルナイロン素材が使用されている。
刷新されたのは素材だけではない。パーツは下地の上に6度の塗装を繰り返し、色が剝がれ落ちないよう改良。他にも、織りの密度を限界まで上げたPORTERネームを刺繍し、従来よりなめらかで鮮明な文字に改良された。
カラー展開はTANKERの定番カラーとして人気のセージグリーン、日本古来の「鉄紺(てつこん・鉄色がかった濃い紺色のこと)」から着想した上品で落ち着きのあるアイアンブルー、そして、ミニマルなブラックの3色。セージグリーンは5回にわたる染料調合を行い、改良を繰り返し、現状の色になったという。
なお、新色のアイアンブルーにおいては、ヨーロッパで唯一となるANDREAS MURKUDISのみの先行販売で、それ以外は世界でも厳選された店舗のみで2025年の3月に販売予定だ。
ANDREAS MURKUDISは、オーナーのアンドレアス・ムルクディスがすべてのバイイングを手がけており、独自の審美眼によってセレクトしたこだわりのブランドやプロダクト、インテリアなど、ファッション業界のなかでも一目置かれている存在だ。日本の伝統文化やクラフツマンシップへの関心が高く日本のブランドも多数取り扱っている。
“この先もTANKERがTANKERであり続けるために”「ALL NEW TANKER ― 何も変わらず、何もかもが変わる ―」というコンセプトのもとヨーロッパでも販売がスタートしたTANKERは2023年に誕生から40周年を迎えた。
ドイツは環境先進国として知られているが、ヨーロッパ全体を見てもサステナブルなものづくりを取り入れていないブランドはないと言っても過言ではない昨今。
100%植物由来のバイオベースナイロンを使用するだけでなく、細かいディテールや見た目の美しさへのこだわり、機能性の向上。素材以外もアップデートされた究極のこだわりが集結したニューTANKERがスタンダードの時代がやってきた。
※参考
吉田カバン
ANDREAS MURKUDIS