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終戦から80年 上越市の高田忠霊塔で戦没者追悼法要

上越タウンジャーナル

終戦から80年の節目を迎えた2025年8月15日、新潟県上越市本城町の高田城址公園に立つ高田忠霊塔で、戦没者追悼法要が執り行われた。遺族ら約50人が参列し、静かに手を合わせて戦没者を悼んだ。

《画像:戦争で犠牲となった父の写真を手に焼香する参列者》

高田忠霊塔は、明治以降の戦争で亡くなった5300人余りがまつられ、1943年に建立された。毎年終戦の日に高田連合遺族会が慰霊祭を行っていたが、会員の高齢化などを理由に解散したため、2023年からは高田仏教会が市社会福祉協議会の協力を得て追悼法要を行っている。

この日は気温32度を超える晴天の下、法要が行われた。6人の僧侶が阿弥陀経を唱える中、参列者一人一人が焼香し、犠牲者や戦時に思いをはせた。

《画像:高田忠霊塔前にテントが設けられた》

参列者を前にあいさつした高田仏教会の西脇真成会長(70)は「ほとんどの当事者の方々が亡くなり、会場に来る方が少なくなった」と話し、「遺族の皆さんは心に苦しみを抱いて過ごしてきたと思う。苦しみや悲しみを背負った人たちに優しい言葉を掛けてやれる環境が今の日本には必要ではないか」と語った。

同市新光町1の女性(87)は、海軍の軍属としてパプアニューギニアのラバウルで亡くなった父の写真を抱いて娘と出席した。「4歳くらいで(父を戦争に)送り出したとき、皆さんが日の丸の旗を持って『行ってらっしゃい』と言い、父が『この子を頼みます』と言ったことだけ覚えている。(終戦の日の)15日は忘れられなくて、こうして毎回来ている。戦争は絶対にやっちゃいけない」と話していた。

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