県央ブランチ 医療的ケア児の防災学ぶ 当事者、家族ら招き初研修
災害時に医療機器の電源確保が課題となる医療的ケア児の防災対策について考えようと、かながわ医療的ケア児支援センター県央圏域相談窓口(県央ブランチ)が10月30日(水)に初の研修会を開く。長時間の停電は当事者にとって生命の危機につながりかねず、電気自動車からの給電など実技を交えながら災害時の電源確保について学ぶ。
研修会は、神奈川県からの受託で県央ブランチを運営する厚木市障がい者基幹相談支援センター「ゆいはあと」の職員らが企画。元日の能登半島地震で、医療機器を必要とする人たちの避難や電源確保が困難だというニュースを目にしたことがきっかけだった。
所管地域に37人
医療的ケア児とは、人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを日常的に必要とする子どもたち。全国に2万人いるとされ、ゆいはあとが所管する厚木市と愛川町、清川村の対象者は、今年3月末時点で37人に及ぶという。
医療機器を必要とする人がゆいはあとへ相談に訪れることも多い。職員の松井愛さんは「医療的ケア児の災害対策を改めて周知する必要があると感じた」と話す。研修会の開催は、市町村の医療的ケア児コーディネーターを通じて家族や関係者に参加を呼びかけた。
電気自動車で給電
研修会は神奈川工科大学で開催し、同大臨床工学科の山家敏彦特任教授による講義「安全な電源確保の基礎知識」をはじめ、横浜重症心身障害児グループ連絡会「ぱざぱネット」の渡邊聡美さんが「我が家の防災対策」について解説する。
会場内では、ウエインズトヨタ神奈川やフランスベッド、アビリティーズ・ケアネットなどの協力で福祉車両や福祉用具を展示。電気自動車から給電するデモンストレーションも行う。
松井さんは「災害時に電気を必要とされる方は多く、役立つ情報がある。健常者との情報共有も大切なので、家族や関係者以外の方もお越しいただけたら」と、一般の来場者も歓迎という。
午後1時30分から4時。参加無料。希望者は10月23日(水)までに電話で予約する。
問い合わせ、申し込みはゆいはあと【電話】046・225・2904へ。