「メダル取るね、約束!」デフリンピックが開幕 北海道から注目の12選手が出場へ
聴覚の障害を乗り越えて世界の舞台へ!
11月15日に開幕した「東京2025 デフリンピック」。
4年に1度開催される、聴覚に障害があるアスリートの国際大会です。
日本では初開催で、約80の国と地域から3000人の選手が出場します。
北海道からは7選手。北海道出身を含めると12選手が出場します。
バスケットボール日本代表の手塚清貴選手(38)は札幌市在住。
「一生懸命プレーしている姿を見せて、みんなに勇気を与えたい」と話します。
聞こえなくても世界の舞台へ! 注目の北海道勢を取材しました。
「北海道でレベルが最高」バスケットボール日本代表に注目
手塚清貴選手は、生まれつき聴覚に障害がありほとんど音が聞こえませんが、北海道江別市の社会人チームに所属し、健常者とともにプレーしています。
仲間とは、ハンドサインを使ってコミュニケーションしています。
このチームで練習する理由をたずねると「北海道でレベルが最高のチーム。自分のレベルが上がる」と教えてくれました。
タフなスタミナと、シュートの決定力の高さが評価された手塚清貴選手。
「コミュニケーションがうまくいかないことが苦しいが、目で見て判断している」といいます。## デフリンピック、どう競技を進める?
デフリンピックは 競技の進め方に特徴があります。
たとえば陸上競技は、スタートのピストルの音は選手に聞こえないため、光で合図します。
サッカーも、審判の笛が聞こえないため、主審も旗を持ってジャッジします。
さらに、出場選手は補聴器などの使用が禁止され、フェアプレーが徹底されています。
父も、妻も…娘と指切りの約束
手塚選手のデフリンピック出場は今回で4回目。
バスケ日本勢初のメダル獲得を目指します。
「まずはベスト8を目指したい。その次にメダルです。それを目標に頑張ります」
手塚選手の父、安夫さん(77)は、元スキーのデフリンピック日本代表選手。
親子でデフリンピック出場を果たしたのは、日本では初めて。
安夫さんは「練習を見ていると、昔と比べても全然違う。技術も上がっている」と期待を寄せます。
さらに!札幌市出身の妻・満里さんは、デフリンピック・バドミントンの金メダリスト。
家族を代表して、長女の満月ちゃん(6)がエールを送ります。
「がんばってね」
「メダル取るね!約束!」
指切りです。手塚選手は、パパを心配する満月ちゃんに「大丈夫だよ。応援してね」と伝えました。
長い腕でぐんぐん進む!
デフリンピック国内勢最年少の選手は14歳。
北海道北広島市出身の水泳・日本代表の川眞田結菜選手です。
生まれつき重度の難聴で、2歳から「人工内耳」を装着して暮らしています。
水泳を始めたのは5歳。負けず嫌いの性格で、ハードなときには週に6日練習。得意の背泳ぎで、北海道内中学生のトップに躍進しました。
背泳ぎの好きなところをたずねると「上を向けて呼吸が自由にできること。出場できるかわからなかったが、選ばれてホッとした」と話してくれました。
JSSスイミングスクール清田の菅野恭平ヘッドコーチは「長い腕をうまく使える。体が1ストロークで多く進むのが結菜選手の一番の特徴」と話します。
水泳を勧めたのは、父の川眞田裕さんです。結菜さんの難聴が分かったときに、決意したことがあります。
「ビッグチャレンジだと思った。この才能を何に生かせるのか。本人が何に対して、楽しみに変えることができるのか、一緒に考えていけると思った」
家族、友人、コーチらの支えを胸に世界の舞台に立ちます。
「とても緊張するけど楽しみ。五輪とパラリンピックだけではなく、デフリンピックもあることを教えたい」と抱負を語ります。
北海道から活躍!
日本からは約270選手が出場予定です。そのうち北海道の選手は7選手、北海道出身の選手を含めると12選手になります。
男子バドミントンの森本悠生選手は、札幌市出身の18歳。北海高校で練習を重ねて初出場です。
長原茉奈美選手(31)は、北海道帯広市出身。2017年のトルコ大会では銅メダルを獲得しています。
日本では初めての開催となる東京2025デフリンピックに注目です。
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月5日)の情報に基づきます。