ギンザ・グラフィック・ギャラリー第411回企画展【中村至男 オン グラフィック】なぜか、私たちは彼のシンプルなデザインから凝縮されたメッセージを自然に汲み取っている…
グラフィックデザイナーの中村至男(なかむら のりお)は1990 年代、アートユニット「明和電機」のグラフィックや、佐藤雅彦氏とともに取り組んだプレイステーション用ソフト「I.Q」などの鮮烈な視覚世界で注目されてきた。中村の得意とするミニマムな表現と多角的な視点の面白さ、人の想像力を掻き立てるビジュアルは、中村のどの作品にも共通する魅力となっている。無駄な情報を削ぎ落しながら、「シンプル=単純」でもない、メッセージのエッセンスを凝縮した豊かな表現が実現されている。
「I.Q Intelligent Qube」(1997)
今回、これまで手掛けてきた広告や音楽業界の仕事、動画、絵本など、多分野の作品と合わせて、本展のために制作された新作も、代表作と織り交ざるようにあちらこちらに配されている。馴染みのある作品も改めてじっくり観察してみたり、新作と対比してみたりすることで新たな発見があるかもしれない。中村至男の絵本に魅了される子どもたちのように、簡潔な形や色の奥にある「何か」を〝全仕事〟を通して探してみたい。
「ヒロシマ・アピールズ 2023」(2023)
展覧会名:中村至男 オン グラフィック
会期:2025年12月9日(火)〜2026年1月31日(土)
会場:ギンザ・グラフィック・ギャラリー
住所:104-0061 中央区銀座7-7-2 DNP銀座ビル1F/B1 Google Map
時間:11:00〜19:00
休館日:日曜・祝日、12月26日(金)―1月5日(月)
入場料:無料
TEL:03-3571-5206
URL:【ギンザ・グラフィック・ギャラリー|公式サイト】
https://www.dnpfcp.jp/foundation
中村 至男(なかむら のりお)
神奈川県川崎市生まれ。1990 年、日本大学芸術学部美術学科卒業。同年CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)入社。1997年からフリーランス。グラフィックデザインを起点に、広告、デジタルコンテンツ、映像、絵本、マンガ、アニメーション、CI、ブック、パッケージなどの制作をしている。主な著書に、『どっとこ どうぶつえん』、『はかせのふしぎなプール』(福音館書店)、『勝手に広告』(佐藤雅彦氏と共著・マガジンハウス)、『明和電機の広告デザイン』(土佐信道氏と共著・NTT出版)、『7 :14』(Self Publishing / Creative Language)など。2018年毎日デザイン賞、第20回亀倉雄策賞、『どっとこ どうぶつえん』で、ボローニャ・ラガッツィ賞優秀賞など受賞多数。多摩美術大学グラフィックデザイン学科教授。