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高温多湿の夏が近づくと、ゴキブリの活動が活発化します。一匹でも侵入を許してしまうと驚異的な繁殖力で増えてしまうため、本格的なシーズンを迎える前にゴキブリの”侵入経路”を知ることが重要です。そこで、ライオンケミカル株式会社の方に「ゴキブリは一体どこから家に入ってくるのか？」を詳しく教えていただきました。

教えてくれたのは……ライオンケミカル株式会社

創業140年以上の技術、豊富なノウハウを活かし、殺虫剤、入浴剤、洗浄剤、消臭剤など、幅広い日用品を開発・製造・販売するライオンケミカル株式会社。「よりよいモノを、よりリーズナブルに」を合言葉に、NB・PB・OEM事業を拡大中で、和歌山県から全国、世界へと販売網を展開している老舗企業です。

ゴキブリはどこから家に入ってくるの？

ゴキブリは、屋外から家のなかに侵入してくるのが一般的です。こちらでは、可能性の高い代表的な侵入経路をご紹介します。

玄関

ゴキブリは、玄関のドアを開けたときやわずかな隙間から入ってくることがあります。
ドアに郵便受けがついている場合は、新聞や郵便物が差し込まれて隙間が空いている状態のときに特に侵入しやすくなるため、注意が必要です。
玄関から入ってきたゴキブリは、湿気の多い靴箱周辺に身を潜めている可能性が高いです。

窓

窓や網戸のわずかな隙間からも、ゴキブリが侵入してくることがあります。
ゴキブリは基本的に高く飛ぶことはできませんが、マンションの3～4階までなら直接飛来してくることがあります。壁をつたって登ることもあるので、窓を開けるときは2階以上でも必ず網戸を閉めるようにしましょう。網戸や窓枠に穴や隙間がないかのこまめなチェックも大切です。

ベランダ

ベランダも玄関同様、開口部が大きく出入りが多いため、ゴキブリが侵入しやすい場所となります。

また、ベランダは落ち葉や枯葉、雨水、虫の死骸など、ゴキブリが好む環境がそろっています。すのこやタイルを敷いていたり、物置きとして使っている場合は、ゴキブリにとっては身を隠せる好条件の場所になってしまいます。アパートやマンションでは、他の家からベランダを伝って侵入してくることもあります。

排水口・排水管

キッチンや浴室、トイレ、台所、お風呂場などの水場の排水口からゴキブリが侵入してくる場合もあります。

排水口は水回りにある排水を流すための穴で、基本的には排水トラップが設置されています。排水トラップは排水管をS字やP字にすることで水を溜めて、ニオイや虫が居住空間に上ってくるのを防ぐためのものです。

しかし、ゴキブリは水の中を泳ぐことができるため、たとえ排水トラップがあっても侵入してくるリスクがあります。また、排水トラップに溜まる水が少なかったり、汚れが蓄積している場合はそのリスクがさらに高まります。

換気扇

ゴキブリは、キッチンや浴室の換気扇の小さな隙間や排気口を通じて侵入してくることもあります。

キッチンの換気扇は油が蓄積しやすく、浴室の換気扇は湿気が多いため、それぞれがゴキブリにとって最適な環境なのです。特に、換気扇のフィルターや網が破れている場合はゴキブリが侵入しやすくなってしまうため、注意が必要です。また、あまり使っていない換気扇は内部が暗く湿った状態となるため、ゴキブリの隠れ家になっていることもあります。

エアコン

【ドレンホース】
エアコンの室内機から屋外につながっている排水用のホースで、運転時に発生する結露水を屋外に排出する役割があります。ドレンホース内は湿気が多いため、ゴキブリにとって快適な環境といえます。

【スリーブ穴】
室内機と室外機をつなぐ配線を通すために空ける穴です。スリーブ穴はエアコンパテで周りを塞ぎますが、時間の経過とともにパテが劣化し隙間が生じることで、ゴキブリの侵入口となってしまうことがあります。

段ボール

ゴキブリは、保温性が高く狭い空間が多く、好物のコーンスターチが原料である段ボールを好みます。
そのため、ネット通販などで購入した商品の入った段ボールにゴキブリが潜んでいたり、卵を産みつけられていることがあります。その場合、段ボールごと家に搬入され、家のなかで繁殖してしまいます。

”家に入れさせない”意識が大切

ゴキブリは、玄関や窓だけでなく、換気扇や排水口、エアコンのホースなど、思いがけない場所から侵入してくることがあります。
また、今や生活に欠かせない存在となったネット通販などの段ボールにゴキブリが潜んでいると、家のなかに入り込む原因となってしまいます。
今回ご紹介した侵入経路をよく確認し、ゴキブリやその卵を家のなかに入れさせない、持ち込ませないことが大切です。

次回の記事では具体的な対策として、「ゴキブリの侵入を防ぐ方法」をご紹介します。

鈴木杏／ライター