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けなしてけなしてほめて落とす

ほめるよりけなして好感度アップ

気になる異性に恋のアプローチをしかける時、「社内の誰よりも素敵だなあと思っているんですよ」と相手を少々大げさにほめたり、お世辞を言ったりというのは常套手段。言われたほうも決して悪い気はしません。

しかし、この手が効果を発揮せず、「またまたお世辞ばっかり言っちゃって。本気にするもんか！」と警戒心を強める人がいることもたしか。そんな時に試したいのが、相手をけなして落ち込ませてから、ホメて持ち上げるという作戦です。

これは、アメリカの社会心理学者のアロンソンとリンダーによる好意の獲得・損失効果の実験で証明された心理テクニック。実験は、被験者の女性とサクラに一対一でおしゃべりをしてもらい、サクラは女性の魅力を語り続けるという方法で行われました。おしゃべりは、女性をほめてからけなすＡパターン、けなしてからほめるＢパターン、ほめ続けるＣパターン、けなし続けるＤパターンで行われ、被験者の女性が最も好意度を抱いたのはどのパターンかを分析しました。

実験の結果、最も好意度が高かったのは、Ｂのけなしてからほめるパターンで、次いでＣ、Ｄ、Ａという順になりました。そう、けなしてからほめるほうが、ほめ続けることより相手を振り向かせる効果が高いことが明らかになったのです。

恋愛のスタートダッシュをうまくキメたいなら、まずは気になる相手のマイナスポイントをつっついて「この人、感じ悪いな〜」と思わせてからプラスポイントをホメちぎる技が最強。相手の心の中にあなたが強烈な印象として残ります。

断ってからＯＫすると恋心に火がつく

逆に、相手からアプローチされた時、あなたが相手を気に入っているのなら、よりいっそう相手の恋愛感情を高めるテクニックとして前ページのセオリーを活用してみましょう。

もし食事に誘われたなら、すぐにＯＫの返事をしたい気持ちをぐっと抑えて、まずは「その日は忙しいからなあ……」とＮＧの雰囲気を出してみるのです。そして、相手が諦めかけたところで「やっぱり予定を変えて行けるようにするよ！」とＯＫサインを出せば、相手の喜びやうれしい気持ちが倍増するというわけです。

この時に、「いつもお世話になっているあなたのお誘いなら」といった一言をつけ加えることも忘れずに。相手は、自分を特別な存在として扱ってくれたという気持ちになり、さらにあなたへの思いが高まることになります。こうした心の動きは、自分を高く評価してくれた人に好意を持つ「特定化の心理効果」と呼ばれています。ギリシャの哲学者ソクラテスの時代から使われている心理テクニックです。

あえて、感じ悪いな、嫌な人だなと思わせる

あえてけなして振り向かせる

アロンソンとリンダーの心理実験

80 人の女子学生に対し、どのようなほめ方が好意を持たれるかを実験。サクラの人は女子学生に４つの態度をとってみた。

結果

一番好意を持たれたのは②で、最も嫌われたのは①だった。自分を否定する言葉があるほど、最後のホメ言葉が効き、最後のよい印象が残るということ。

マイナスの言葉→逆接→プラスの言葉で好意を引き寄せる！

【出典】『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』著：渋谷昌三