【中央線の最果て】忘年会で寝過ごした時のため、夜中の「大月駅」まで下見に行ってみた正直な感想 → 寝たら死ぬ
忘年会シーズンである。楽しく飲んだ後、泥酔した状態で電車に乗って寝過ごし、気付いたら見知らぬ土地にいた……なんてことにならない保証はどこにもない。あなたにも私(あひるねこ)にも起こり得ることだ。
そこで今回は、万が一寝過ごした時のため、終着駅の周辺を下見しておくことに。場所は寝過ごし民の聖地、JR中央線「大月」だ。それでは張り切って寝過ごしていきたい。
・中央線の終点
つい先日も南栗橋駅や中央林間駅がSNS上で話題になっていたが、やはり関東が誇るレジェンドといったら山梨県にある大月駅だろう。そう、数多の寝過ごし民を絶望のどん底に叩き落としてきた、中央線最果ての地だ。
時刻は21時頃。大月へは高尾で乗り換えるケースが多いが、この日は降車不要の「大月行」に乗ることができた。しかも幸運なことに、たまたま乗ったのが例の中央線グリーン車である。
お母さん、これから私はグリーン車でわざわざ夜中の大月駅に行きます。
・初めての大月
よくよく考えたら、中央線で高尾から先に行くのはこれが初めて。
藤野、四方津、梁川、鳥沢……聞き馴染みのない駅名が並ぶが、相模湖を過ぎたあたりから明らかにギアがもう一段階上がるというか、もう後戻りできない次のステージに突入してしまった気配が濃厚になる。
私は寝過ごすシミュレーションを何度も試みるも、これから大月まで行くんだ……! という謎の緊張感でまったく眠れなかった。
そして……
ついに……
大月駅に到着。
・極寒
こ、ここがあの噂に名高い……! 寝過ごし民たちの墓場……!! 大月は富士急行線の起点でもあり、それなりに規模が大きい駅ではあるものの、たしかにここで目が覚めたら打つ手がない気がする。
そして、とにかく寒い! 寒すぎるぞ!!
待合室があるにはあるが……
利用できるのは深夜0時までなので、あまり実用性はないだろう。というワケで駅の外に出てみたところ……
なるほど。
松屋くらいならあるのでは? と考えていた私がバカだった。松屋どころか、駅前にコンビニすらない。車移動が主だからだろうか。何というか、今の自分に必要な情報が皆無なのである。
すぐ近くに庄やと……
魚民を発見するも……
どちらも日付をまたがずに閉店する模様。繫華街じゃないんだから仕方がないとは言え、さすがにこのままだと凍えてしまうぞ。コンビニはないのかコンビニは~。駅前通りを一人トボトボ歩いていると……
あ!
コンビニあるやん! 助かったーーー!!
と思ったらチョコザップかよ!
・謎のトラップ
これ絶対コンビニだっただろ! ていうかたぶんデイリーヤマザキだったろ! 紛らわしいんだよ!! こんなに腹立たしいチョコザップは初めて見たかもしれない。
オアシスかと思ったらただの蜃気楼で愕然とする私であったが、チョコザップの通りを右に曲がってしばらく歩くと、なんとローソンを発見! どうやらドライバーたちの休憩場所になっているらしく、車が停まりまくっていた。
一応、飲食スペースはあるものの、小さいカウンターで3席分くらいのスペースしかなく、ここをアテにするのは少し心許ない気がする。
また、大月警察署からの指導によって、20時~翌7時のイートインコーナーでの飲酒は禁止と書かれていた。参考までに。
この日はホッカイロを持参していたのだが、まったく効果がないくらいの極寒。さすがにちょっとキツくなってきたので、ここらでそろそろ “アレ” をキメておかねばなるまい。そう……
ロベルトのウイスキーである。
念のため解説しておくと、『キャプテン翼』でロベルト本郷が持っていたサイズのウイスキーボトルのことだ。まさか自分で買う日が来るとは思っていなかったが、これが腹の底から温まる。
大月での夜には欠かせないアイテムと言えるだろう。
さて、実はローソン以外にもう1軒コンビニを発見した。先ほどのチョコザップまで戻って、そのまましばらく直進すると……
こっちにはセブンイレブンが。
広さや品揃えに関しても申し分ないが、中に入った瞬間、致命的な欠陥があることに気付く。なんと……イートインコーナーがないのである。はい終了ーーーーーー! そそくさと店を出ます。
セブンを出てふと横を見ると、遠くの方に何やら巨大な建物を発見。そういえば駅を出た時から気になっていたのだ。大月駅周辺で、あの建物だけがやけに異質というか。もっと近くまで寄ってみよう。すると……
と、東横イン……!
・救いの要塞
実はここ数年、大月が語られる時に必ず話題に上がるのがこの東横インである。2022年3月31日に開業したらしい。寝過ごし民があまりに哀れで建てられたのだろうか? まさに最後の砦。最終防衛ラインである。
もちろん部屋が空いていれば天国であるが、もし満室だった場合、精神的にいよいよ無理かも分からないのでもう少し探索しておきたい。先ほどのセブンまで戻り、道なりにしばらく歩くと見えてくるのが……
そう……
カラオケ「ビッグエコー」だ。
なんともレトロな佇まいで趣があるが、こちらは年中無休で朝5時まで営業しているとのこと。
定員15人という微妙な数字がかなり気掛かりではあるものの、始発までの待機場所としてはもっとも現実的だろう。駅から若干離れるが、覚えておくべし。
・帰投
そんなこんなで、かれこれ1時間以上、大月駅周辺を歩き回った私。ロベルトウイスキーももはや効力を失い、なんとか駅に戻る頃には私の体は、あずきバー並みにカチコチになっていた。実質サファイアの硬度である。
その後、22時56分の終電に乗り込み、ガラガラの車内で私はようやく安堵の息をついた。忘年会の帰りに寝過ごし、大月駅で目を覚ました場合を想定して決行された今宵の下見であるが、それによって得られた結論は以下のようになる。
東横インかビッグエコーに入れないと凍死する。
・必然の死
つまり、帰りの中央線で寝たら死ぬ可能性が高まる。だから寝るな! 死んでも起きてろ! じゃないと死ぬぞ!!
これが夏場だったらまた話が変わってくるが、忘年会シーズンに一人彷徨う大月は、我々人類にとってあまりにも過酷かつ修羅な環境だった。これから忘年会を控えている人、特に大月方面の中央線ユーザーは肝に銘じておくように。ではまた。
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.