SNS型投資詐欺を未然に防ぐ、四日市南署が三十三銀行塩浜支店と行員に感謝状
SNSを通して架空の投資を続けさせ、金をだまし取る「SNS型投資詐欺」の被害を未然に防いだとして、三重県警四日市南署は12月12日、三十三銀行塩浜支店と行員に感謝状を贈った。同署によると、SNS型投資詐欺の被害はこのところ急増しており、注意が必要だという。
感謝状贈呈式が四日市南署であり、伊藤秀哲支店長(52)と行員の吉田千幸さん(56)に中西通署長が感謝状を手渡した。中西署長は「私たちも特殊詐欺は大きな課題として取り組んでいますが、金を引き出す最後の砦ともいえる銀行で食い止めていただき、感謝しています」などとお礼を述べた。
感謝状を受けた伊藤秀哲支店長と吉田千幸さん。左は中西通署長
同署などによると、11月19日に来店した70歳代の男性が、1000万円の高額出金を申し出たため、対応した吉田さんが理由を尋ね、「LINEグループで知り合った人に投資を勧められた」などと話したため、投資詐欺ではないかと考え、伊藤支店長に伝え、別室に案内したという。
男性は、LINEがつながったままになっているなどと、出金を急いだが、吉田さんらはお茶を出すなどして落ち着いてもらう一方、男性の家族や警察に連絡し、一緒に「詐欺です」と説明、1時間以上して理解してくれたという。
吉田さんは「被害が止められてうれしいです。お客様の気持ちを考えて、これからも対応していきたいです」と話した、伊藤支店長は「毎日のように起こる詐欺ですが、1件だけでも防げてうれしい。この経験を職場で共有し、今後に役立てたいと思います」と話していた。
SNS型投資詐欺は、SNSなどで投資アプリに勧誘し、架空の投資を継続させながら、投資金や手数料などの金銭をだまし取る手口だという。南署によると、今年は11月末現在で、三重県内で約280件、約25億3500万円の被害が出ており、対前年比で約200件増、約18億4900万円増などと、今年になって急増している状況だという。(記事中の吉田千幸さんの「吉」の上部分は、正しくは下の方が長い「土」です。システム上、表示できませんでした)