【ネタバレ】「スケルトン・クルー」第8話、ジュード・ロウはジェダイ?映画シリーズとのつながり解説
『スター・ウォーズ』の実写ドラマシリーズ「スケルトン・クルー」が、第8話『本当の正義の味方』をもって完結した。『スター・ウォーズ』版『グーニーズ』とも評されるこのシリーズの見どころは、未知の銀河に迷い込んでしまった4人の少年少女たちと、ジュード・ロウが演じる怪しいフォースおじさんの微妙な関係性だ。最終話では、ついに彼の正体が暴かれ、映画シリーズとの物語的な関わりが判明した。
この記事には、「スケルトン・クルー」第8話『本当の正義の味方』のネタバレが含まれています。
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怪しいフォースおじさん
その正体が判明
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(C)2025 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:スケルトン・クルー」でジュード・ロウが演じたジョッド・ナ・ナウッドは怪しいフォースおじさんとして登場し、銀河に迷い込んだ少年少女たちが故郷に帰る手助けをするように振る舞った。物語が進むにつれて、彼はいくつもの偽名を名乗るなど、不審な点が目立つようになる。やがて子どもたちの故郷が伝説の宝の惑星アト・アティンと知るや、財宝に近付くために悪巧みをするようになる。
第7話『あたしたち絶対に怒られる』でついに故郷のアト・アティンに帰着したウィム、ニール、ファーン、KBたちだが、ジョッドの同伴も許してしまっていた。最終回となる第8話『本当の正義の味方』でジョッドは共和国の密使であると身分を詐称し、アト・アティンの監理官と謁見する。
「スケルトン・クルー」最大の謎の一つは、SFの王道をいくオチとして登場する。アト・アティンを統治する監理官とは、実は巨大なドロイドだったのだ。ドーム状の大きな本体から睨む赤のモノアイカメラは、『2001年宇宙の旅』(1968)のHAL 9000を思わせるようだ。
監理官に対して、ジョッドは「共和国の密使でジェダイ」であると偽る。アト・アティンに眠る大量のクレジットを持ち帰るため僚船の着陸許可を求めるが、監理官はジョッドの素性を疑う。共和国からの通達によれば、ジェダイは反逆者であるはずだからだ。
つまり、共和国の人間であることとジェダイであることは、この時代において両立するはずがないのだ。そのことまで思い至っていなかった、あるいは世情を知らなかったジョッドは、嘘の露呈を許してしまう。
この背景となっているのは、『エピソード3/シスの復讐』(2005)で描かれたジェダイ抹殺令「オーダー66」だ。クローン戦争末期、共和国議員のパルパティーンは、その正体であるシス卿の陰謀としてジェダイ・オーダー壊滅を目論み、全てのジェダイを裏切り者とみなして即刻処刑を命じた。ごく少数のジェダイはこれを生き延び、それ以降は銀河のあちこちで身を隠して過ごしていた。銀河帝国軍のダース・ベイダー卿や尋問官は、生存したジェダイの捜索と始末を命じられる。
「スケルトン・クルー」でジョッドがなぜフォースの使い手であったのかが、この最終話でついに明らかにされた。ジョッド自身が語ったところによれば、彼は貧しかった幼少期に、住んでいた穴蔵に現れた女性のジェダイから資質を見込まれ、訓練を始めた。彼女もボロボロの身なりだったということなので、おそらく彼女もジェダイ狩りから逃れて生きていたと想像できる。なお、ジェダイが幼い子どもを誘って訓練をつけることの人道的な危うさは、ドラマ「スター・ウォーズ:アコライト」でも題材となった。
ジョッドが訓練を初めてすぐに、彼の新たなマスターは殺害されてしまった。厳しい生活から、ジェダイやフォースの理が自分を救い出してくれるかと思いきや、彼の人生は、銀河のより巨大な力によって結局奪い取られてしまったのだ。この経験によって、貧しい出身のジョッドは極端な虚無主義者となったのだろう。クリムゾン・ジャックやダッシュ・ゼンティン、ジョドウィック・ザンクといったいくつもの偽名を用いていたのは、帝国軍によるジェダイ狩りから逃れるためでもあったのだ。実際のところ、ジョッド・ナ・ナウッドという名前すら、本名かどうか疑わしい。
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“大いなる事業”の名の下に共産的なアト・アティンの統治にも批判的なジョッドは、この世界で唯一信じられるクレジットを持ち帰るべく、子どもたちとその親を手懐けようとする。しかし、事態はジョッドの思い描くようには運ばない。
その頃、KBがキムに救援を求めたおかげで新共和国の海賊討伐隊が到着。ウィムとファーン親子が力を合わせて惑星のバリアを解除すると、X-ウイングとB-ウイングによる精鋭部隊が海賊船を一掃する。親子たちが脱出する中、ジョッドは一人管制室に留まって、落ちていく海賊船を眺めていた。
その後、ジョッドの安否や身柄がどうなったかは描かれていないが、彼の最後のカットでは、何かを閃いたような表情も浮かべていた。ずる賢い機転の効くジョッドのことだから、うまく逃げ出して次の一手を考えていることだろう。
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ジョッドは確かにジェダイとしての訓練を受けてはいたが、すぐにマスターが殺害されたということなので、まだ訓練を完了させていないはずだ。フォースの正しい使い方の会得やライトセーバーの取得(かつてジェダイは修行の一環として、ライトセーバーを司るカイバー・クリスタルの探索を行った)にも至っていない。ジョッドはほとんどが見様見真似のフォースの技を、闇社会で生き延びることに活用していたと考えられる。
「スケルトン・クルー」はと同じく、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)で帝国軍が崩壊した後の世界の出来事。この時代のジェダイはルーク・スカイウォーカーを除いて絶滅状態で、ジェダイ・オーダーはもはや存在しない。今後、ジョッドが再びジェダイとしての歩みを再開するかと考えると、(彼の性格的にも)あまり考えにくいことだろう。それよりも、『スター・ウォーズ』世界の裏社会に蔓延る犯罪シンジケートに関わっていく可能性の方が高いかもしれない。
現時点で「スケルトン・クルー」シーズン2の予定は伝えられていないが、製作陣はすでにアイデアも思い描いているといい、続行にだ。人気俳優のジュード・ロウが演じているだけあって、きっとルーカルフィルムはジョッドにも更なる出番を与えたいと願っているはず。今後の情報に期待しよう。