猫の『顔の汚れ』は病気のサイン?考えられる3つの病気と正しいお手入れ方法
1.猫ニキビ
猫のあごや口角、唇に黒いポツポツとした汚れがこびりついたり、毛が黒く汚れたりすることがあります。
猫のあごによく見られるので「あごニキビ」と呼ばれることもありますが、鼻周りが黒ずむこともあります。人間のニキビとは違うので、人間用のニキビ薬は塗らないでください。
猫ニキビは、皮脂腺から分泌された皮脂や角質が毛穴に詰まることでできるものです。
猫ニキビができる原因は、猫の体質、あご周りについた汚れ、雑菌の感染、ストレス、アレルギーなどが考えられます。黒い汚れだけだったのが、皮膚炎を起こして赤くなるなど悪化したときは動物病院を受診しましょう。
猫のあごニキビが軽いうちは、自宅でのケアで改善する場合があります。ぬるま湯で濡らしたガーゼやコットンでやさしくふきとります。無理に汚れを取ろうとすると皮膚が荒れてしまうので注意しましょう。
食後や水を飲んだ後の口周りも、普段からやさしく拭き取ると予防につながります。
2.結膜炎、角膜炎
目の病気になると普段とは違った色や量の目やにがでるようになる場合があります。
乾燥して黒っぽい目やには少量であれば問題ありませんが、目やにの量が多い場合や、黄色や緑色、血が混じっている目やには病気の可能性があります。猫が目を気にしてこすると、炎症が悪化したり目の表面が傷ついて角膜潰瘍に発展したりするおそれがあるので、早めに動物病院を受診しましょう。
また猫の目やにを無理に取ろうとすると傷をつけてしまう可能性があります。ぬるま湯で濡らしたガーゼやコットンを猫の目頭に数秒間当てて目やにをふやかしてからやさしく拭き取ります。
目が開かないほどひどい場合は、無理に目やにを取って目を開こうとせず、はやめに動物病院を受診しましょう。
3.外耳炎
猫の耳垢が多くなる、においがする耳垢が出るなどしている場合、耳の中で炎症が起きている可能性があります。耳の中は観察がしづらく、こまめにチェックしていないと耳垢がたまり、そこで細菌が繁殖して炎症を起こすことがあるのです。
猫の外耳炎の予防のため定期的に耳をチェックし、汚れていたら掃除をしましょう。
コットンに猫用イヤークリーナーをつけたものや、ぬるま湯で濡らしたガーゼなどで力を入れずやさしく汚れを拭き取ります。耳掃除は指が入る範囲で大丈夫です。
耳垢が多い、耳が赤い、痒がっている、痛がっているなど外耳炎が疑われる状態のときは、耳掃除をすることで悪化するおそれがあるので、耳掃除をする前に動物病院を受診しましょう。
まとめ
今回は、猫の「顔の汚れ」で考えられる病気と正しいお手入れ方法について解説しました。
猫の口周り、目、耳などが、普段とは違って汚れが目立っている場合、病気のサインである可能性があります。
今回の解説を参考に、猫の皮膚を傷つけないように、正しいお手入れをしましょう。
いつもと違うと感じたときは、すぐにケアをしてしまう前に、かかりつけの動物病院を受診してください。
(獣医師監修:唐野智美)