星が丘小学校 個別登校に切り替え 背景に「小1の壁」問題も
星が丘小学校(的場雄一郎校長)が4月から、これまで続けてきた登校班による集団登校から各自で通学する個別登校に切り替えた。背景には、保護者が仕事と子育ての両立を難しく感じる状態、いわゆる「小1の壁」など社会情勢の変化も大きく起因している。
市教育局によると市内の市立小学校では全70校のうち65校が集団登校、5校が個別登校を採用している。中央区内で個別登校が導入されたのは上溝南小学校につづき2校目となる。
見守りの負担
同校では10年ほど前から個別登校への切り替えが議論されてきた。背景にあるのは保護者による登校時の見守りに関する負担。共働き世帯が増加したことにより見守り活動への参加が難しい家庭があることや、児童の数が少なく見守りの当番頻度が高まっている地域もあった。
議論が本格化したのは昨夏。PTAが学校側に登校手法の見直しに関して相談、秋に登下校に関する保護者アンケートを実施した。その結果、「見守りができない」とする回答が多かったことから、個別登校への切り替えへ向けた議論が重ねられた。最終的には「児童の自主性育成」なども加味し、個別登校の一斉導入が決まった。
地域で柔軟対応
新年度からは1年生も含め、全ての児童が個別で登校している。道中の交通量の多い交差点などには有償ボランティアとして「学童通学安全指導員」を昨年度までよりも増員して配置。それ以外の場所でも民生委員や自治会、老人会、交通安全関係者、PTA校外委員ら「見守り隊」が立ち、児童の登校を見守り安全を確保している。これまで保護者が担ってきた見守りを地域の住民たちが担っている形だ。
制度変更から1カ月余り、個別登校による「副産物」も見られるという。各自で登校するため見守りを行いながらの「おはよう」「いってらっしゃい」という声かけに応じる児童が以前よりも増えているという。的場校長は「地域に見守られながら学校があることを再認識した。地域の方々の支えをいただきながら、保護者の負担軽減につながった。ありがたい」などと話した。