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ロックスが語るデービー・ジョーンズとその一族って何者? 空白の100年やジョイボーイとの関係は?

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1160話)までのネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。

海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。

未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。

現在はエルバフ編のストーリー途中でスタートした、ロックス海賊団の活躍を知れる過去編が注目を集めています。

なかでもロックスが語ったデービー・ジョーンズの存在は読者をザワつかせることに。

伝説上の存在だと思われていたデービー・ジョーンズとは果たしてどんな人物なのか? 現在までの情報を、ロックスとのつながりや空白の100年とのかかわりといった予想や考察を交えながらお伝えします。

 

 

デービー・ジョーンズとは?

そもそもデービー・ジョーンズの名がはじめて作中に登場したのは、じつは約20年前。麦わらの一味が「デービーバックファイト」のゲームに参加したときにさかのぼります。ゲーム名の由来となった伝説の海賊としてその名が挙がりました。
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その際にはデービー・ジョーンズにまつわる伝説も語られ、「悪魔に呪われて深い海底に今も生きているという昔の海賊」「海底に沈んだ船や財宝は全て甲板長だった彼のロッカーにしまわれてしまう」とちょっと怖いエピソードが紹介されました。

さらに、コミックス38巻のSBS(質問コーナー)では、そんなデービー・ジョーンズの姿も描かれています。「てきとう」とカッコ書きがついているため実際の姿とは違う可能性は否めないものの、そこには伝説の内容とは裏腹に気の良さそうなデービー・ジョーンズが描かれています。

それ以降はとくに触れられることのなかった人物ですが、1155話でロックスが「デービー・ジョーンズの崇拝者」だとイム様に告げたことから、その存在が再び注目を集めることとなりました。

ちなみに、デービー・ジョーンズの伝説は現実にもあり、「海で遭難し溺死した者たちの魂を海底にある“デービー・ジョーンズの監獄(ロッカー)”に幽閉する悪魔(悪霊)」としてヨーロッパの船乗りたちの間に伝わっているそうです。

これをモチーフにしたデイヴィ・ジョーンズは、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』にも登場するのをご存知でしょうか? 映画のデイヴィ・ジョーンズは、幽霊船フライング・ダッチマン号の船長。タコ足の髭にカニのハサミのような手と、SBSで描かれたデービー・ジョーンズとは印象の異なる姿をしています。

 

デービー・ジョーンズの血をひくデービー一族

1159話では、ロックスの本名がデービー・D・ジーベックだと明かされます。ロックスは、デービー・ジョーンズの血をひく一族の末裔だったのです。広く知られている“ロックス”は、じつは“デービー”の名を伏せるための隠し名でした。

そうまでして“デービー”の名を隠すのは、デービー一族が世界政府にとって「消したい」もののひとつに数えられているから。

とはいえ、デービー一族はゴッドバレー事件以前までは、“闇の世界”にハバを利かせて細々と生き長らえていたといいます。ゴッドバレーを拠点に暮らしていたようですが、ロックスのいう“闇の世界”とこの地につながりがあるのかどうかは判明していません。

そもそも、“闇の世界”が“アングラ”的な意味合いの抽象表現なのか、この世界に実際に存在するものなのかも謎のままです。「悪魔に呪われて深い海底に今も生きている」というデービー・ジョーンズの伝説やティーチの「ヤミヤミの実」の能力がどことなく“闇の世界”を思わせるのも気になるところ。

また、ロックスの息子であるマーシャル・D・ティーチ(黒ひげ)もデービー・ジョーンズの血をひいているということになります。本当の名はデービー・D・ティーチなのかもしれません。

ちなみにティーチは七武海だった時期もあり、世界政府にはデービー一族だと気づかれていないのかと思いきや、デボンとサターン聖の間で「ティーチは特別よ」「血筋もな」「あら気付いてた?」と意味深なやりとりが行われたことも。

ティーチのほかにも現在まで生き残っているデービー一族はいるのか、「“闇の世界”にハバを利かせている」人物とはいったい誰なのか、世界政府はどこまで把握しているのか。まだまだ謎の多い一族です。

 

 

デービー・ジョーンズと空白の100年との関係性

デービー一族は世界政府にとって都合の悪い存在。800年の時を越えてゴッドバレーに存在していることが発覚したデービー一族は、38年前の先住民一掃大会で脱兎(ラビット)にされてしまいます。

デービー一族へのヘイトは、世界政府の上層だけではなく一般の天竜人にまで浸透している様子で、1160話ではデービー一族に対し「お前らは嫌われの一族だ!!」という怒号や罵声が飛んでいました。

800年という数字と、世界政府にとって都合の悪いこと、といえば真っ先に浮かんでくるのは空白の100年についてですよね。デービー一族もまた、「ジョイボーイ」「Dの一族」「ある巨大な王国」「歴史の本文(ポーネグリフ)」「ネフェルタリ・リリィ」などに並び、当時の謎を紐解くカギのひとつになる予感です。

 

“バッカニア”と称される謎

また、天竜人からデービー一族に対する罵声のなかには「“バッカニア”なんだろう!?お前らも!!!」と気になる声もありました。

バッカニアといえば、くまとその父・クラップにその血が流れているとして名の挙がった一族。

巨人の血をひく混血の種族であること、大柄で力が強く身体が丈夫なこと、代々「太陽の神ニカ」が伝承されていることなどの特徴が明かされています。

バッカニア族もまた世界政府から敵視されており、サターン聖いわく「生まれながらに奴隷階級」「奴隷になる事と死ぬ事しか許されていない」とのこと。

デービー一族とはまた違った特徴を持っているように思えますが、彼らもバッカニアとはどういう意味なのでしょうか。

じつは、バッカニアとは、17世紀ごろのカリブ海の海賊を指す言葉でもあります。

そのことをふまえると、バッカニアとはひとつの種族名ではなく、世界政府が反逆者や裏切り者など敵とみなしたもの(=海賊)の大きなくくりがバッカニアで、そのひとつがデービーなのかもしれません。実際、伝説どおりならばデービー・ジョーンズは海賊。あり得ない話ではないでしょう。

もしくは、バッカニア族とデービー一族の祖は同じ血族だったとか、世界政府が排除すると決めた種族の血が混ざっていたらどんな氏族もバッカニアとみなしているとか、そういった線も考えられそう。こちらも世界政府の差別的な姿勢を考えると、あり得そうな話ですよね。

デービー・ジョーンズの伝説には「悪魔に呪われて深い海底に今も生きている」とあります。“海底に生きている”のをストレートにとらえるならば、彼は魚人族である可能性も考えられるのではないでしょうか。バッカニア族には巨人の血が、デービー一族(バッカニア)には魚人の血が混ざっていることで世界政府から敵視されている……とか。

世界政府側の人間と、世界政府に反逆する巨人や魚人といった他種族が結ばれたことで誕生したのがバッカニアやデービーといった混血族で、「反逆者の血が入っているから」と迫害対象にされたなんてことも考えられそうです。

また、「悪魔に呪われて深い海底に今も生きている」という文脈は、“悪魔に呪われたせいで海底に生きている”とも捉えられますよね。デービー・ジョーンズは、大昔に罪を犯して1000年以上歩き続けている象主(ズニーシャ)のように、呪いのせいで海底から抜け出すことができないのかもしれません。

 

デービー・ジョーンズがジョイボーイの仲間だった可能性

デービー一族が800年前に存在していたこと、世界政府にとって都合が悪いで悪いこと、伝説上で海賊とされていることや“バッカニア”が海賊を指す言葉でもあることから、デービー・ジョーンズは800年前に活躍した海賊である可能性が高いでしょう。

彼の生きた年代的にも、はじめて海賊と呼ばれた人物・ジョイボーイと目的を共にする仲間だったということも考えられそうです。ジョイボーイが船長、デービー・ジョーンズが甲板長の役職を担っていたのでしょうか。

また、デービー・ジョーンズの子孫にあたるロックスやティーチ、ジョイボーイの再来とされるルフィはどちらも“Dの一族”。同じ“D”でも思想や好みが正反対で敵対するティーチとルフィですが、その祖先(先代)はもともとまったく同じ意志を掲げる同志だったのかもしれないですね。

ちなみに、記事冒頭で触れた「デービーバックファイト」は、クルーや海賊旗を賭けて行われる海賊同士のゲームです。海賊の世界に古くから伝わるゲームだそうで、ロックスもこれを利用して後世に名を残すロックス海賊団のメンバーを集めました。

“古くから伝わる”ということで、ゲーム自体の起源にもデービー・ジョーンズ本人が関わっていたかもしれません。

麦わらの一味とフォクシー海賊団のデービーバックファイトはギャグ路線な部分も多かったですが、結果によっては仲間が奪われたり、海賊旗をとられたりするなかなかに残酷なゲームです。

もしかするとデービーバックファイトとは、もともとは世界政府との戦いのなかで生まれたものだったのかも。

たとえ実際にはもっと残虐な内容でも、世界政府ならゴッドバレー事件のように“ゲーム”と呼びかねません。イム様の「ビビが欲しい」発言もこのゲームに通じるところがある気がします。

人やシンボルが奪われる=侵略的な意味合いも感じられるので、世界政府による国取りや奴隷化が起源になっている可能性もありそうです。

また、デービーバックファイトという名前からして、とらわれてしまったデービー・ジョーンズを取り戻すための戦いだったというパターンもあるかもしれません。彼が強欲だというのは世界政府の視点から広まった言説で、呪われたというのも世界政府の手によって……ということもじゅうぶんあり得そう。

象主(ズニーシャ)やエメトなら、当時のことをくわしく知っているでしょうか。

突如物語の根幹につながるキーパーソンとして浮上したデービー・ジョーンズ。歴史の真実やデービー一族のこれまで、ティーチがこれからどう動くのか、そしてルフィの冒険とどうつながっていくのか、さらなる情報が提示されるのが待ちきれません。

 
[文/まりも]

 

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