大阪湾の人気釣り場『深日港』を紹介 遠浅の地形ゆえルアーウェイトにはご注意を
泉南の深日は「ふけ」と読み、南海電車に「深日港」駅直結の釣り場がある。ここは港内と外向きの消波ブロック帯が主なポイントで、それぞれ狙える魚種が異なる。そして深日港は何より釣り場が南北に広大である。実はそんなに釣り物は変わらないが、南北でやや違った特徴がある。詳しく解説しよう。
深日港について
深日港は南海電車の始発駅の難波から乗り継ぎして40分ほど。大阪のアングラーたちがいわゆる「岬町以南」と呼ぶ、回遊魚の回遊が濃いエリアでは唯一電車釣行が可能な場所で、車が乗り入れられる駐車場もある。泉南ではもっともポピュラーな釣り場のひとつだ。
駅を降りて海のほうに向かうと、下の画像のように、南北が分かれている。画像でいうと、右側が北で左側が南だ。沖向きの消波ブロック帯から見て、海は、南北共に西になる。つまり西の風が強いと用心しなければいけない。
南北の釣り場に共通する特徴は、泉南の海が基本的にどこもそうであるように、「遠浅」。そして手前のカケアガリや消波ブロック際が、とにかく荒い。重いメタルジグやハリがデカいルアーで根がかりすると、ほとんど回収できない。この二点については最後に詳述したい。まずは南北の釣り場の紹介だ。
南側の目印「赤灯台」
上の画像で左側に曲がると、そこが南側の釣り場だ。外向きの海の目印に、突堤の赤灯台がある。この赤灯台から外はミオ筋となっていて、回遊魚の気配が濃い。特にタチウオとシオ(小さなカンパチ)がよく来る。
消波ブロック帯はエギングのメッカでもあり、よく釣れるらしい。いたるところに墨跡が見られる。
近年シーズナルパターンでは、夏は7月下旬から8月には早めのタチウオが入る。9月末からは2.5号から3号サイズのエギでマシなサイズのアオリイカがくるようだ(*筆者はエギングをほぼしない)。アジの回遊は現在(2024年9月)に極薄の豆々アジが入っている。釣れるが、極度に釣りにくいのでせめて豆アジサイズになる10月11月を待ったほうがいい。
港内が低調
この南側の釣り場の困ったところは、とにかく港内が釣り場としてよくない。あまり魚のストックがない。あるいは、先行して入る人が多く、その上毎日たたかれるせいか、スレているのかもしれない。エイもかなりの数いる……。だが常にイルカが2頭いたりと、面白い眺めも見られる。
北側の目印「白灯台」
駅から海側への道を右に曲がった先が、北側の釣り場だ。
ここは釣り場が小さい。足場がいい堤防は30m程度。実はここからずっと歩いた先にもうひとつ堤防があるのだが、そこは基本的に船の係留所で釣りがしにくい(範囲は特定していないが釣り禁止と書かれた看板が散見され、港内では釣らないほうがいい)。
足場がほぼ消波ブロック帯となっている。わりと乗りやすいブロックで、穴釣りはしやすい。また南側と同様、エギングとタチウオ釣りでにぎわう。ただ、どちらかというと南側より沖の根が荒いので、あまり何も知らないうちからメタルジグを遠投するのは勧められない。
川の流れ込みの恩恵がある
この場所がひとつ南側より優れているのは、川の流れ込みがあることだ。この地形変化はおいしい。その周りに常夜灯もついていて、アジが入りやすい。消波ブロックも、手前を捨てて早めにリグを回収すれば根がかりしないしフグ・ベラにもかじられにくい。
ただ、中潮の上げ、または小潮の上げ切りでないと、かなり釣りがしにくいほどのドシャローだ。
……筆者はまだ確認していないが、もしかするとこの川沿いは、バチパターンもあるかもしれない。シーバスアングラーやメバルアングラーは、チェックしてみてほしい。
「遠浅」と「手前の荒さ」に気を付けて
泉南の釣り場全般に言えることだが、どこも遠浅である。筆者の印象では激流ポイントと呼べるほどの場所もなく、PEライン0.6号にメタルジグ15gで15カウントほどすれば底が取れる。ヘタにライトショアジギングタックルを持っていって30gを投げると、フォールの間を作る必要もないほど簡単に着底してしまう。回遊魚を狙うならば、ルアーウェイトはうまく調整したい。
そして手前の荒さ。港内には敷石やシモリが入っていたり、消波ブロック帯には見える範囲から先20m程度まで沈み根が入っていて、思わぬところでルアーが根がかりする。深日は、泉南の釣りの練習台として足場もよくきれいな釣り場なので、ここでその特徴を掴んで他所の釣り場でも応用しよう。
<井上海生/TSURINEWSライター>