コンビニで雑誌販売減る 雑誌店の苦悩
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今日はコンビニに置いている「雑誌」の話題です。
コンビニで雑誌買いますか?
コンビニの入り口近くに、よく雑誌が並んでいるのを見かけると思いますが、今月からファミリーマートやローソンの一部店舗で、雑誌の販売を終了するとのこと。これは雑誌を配送してきた企業の撤退などが影響しているそうですが、みなさんは、コンビニで普段雑誌を買っているかや、コンビニで雑誌販売が減るというニュースを知っているかなど、街で聞いてみました。
・「雑誌は買わないですね。コンビニで買うのは食べ物ばかりで、表紙をちらっと見るくらい。」
・「雑誌は買わないですね、最近は全然。昔はファッション誌を見ていましたね。知らなかったです。やっぱり時代の流れですかね。」
・「表紙の女の子目当てで買ったり、雑誌の付録目当てで買ったりはします。ちょっとは置いてほしいなと思いました。家の近所で手軽だから、本屋まで行くのが面倒くさいから、たまに買いたい。」
・「たまに見たり買ったりは昔はしましたけど。テレビジョンみたいなのとか、お料理の本とか。種類減ったなと思う。スペースも少なくなったじゃないですか。滅多に買わなくなっちゃったかな。」
・「ジャンプ買います。週に1回、20年くらい。え!知らなかったです。困りますね。webで読むの、僕嫌いなので、本が欲しいんですよね。ちょっとショックですね。はしごですね、コンビニ。他の店舗、探しますね。」
このニュースを知って、ショックを受けている方もいましたが、取材した中では、コンビニで雑誌を買う人と買わない人、半分半分くらいの印象でした。「コンビニでは全く買わない」という人も数人いましたが「昔は買っていたけど、今は見なくなった」という方が多かったのが印象的でした。「今、近くに本屋が少なくなったので、コンビニで買えるのが便利だった」という声もありました。
雑誌中心の書店は
また、中には「本屋で本は買うけれど、雑誌はほとんど買わない」という方もいましたが、書店の経営が厳しいと言われる中で、「雑誌」を中心に扱っている書店が都内にあります。JR目白駅から歩いて10分、桔梗屋書店 店長の秋山栄一さんのお話です。
桔梗屋書店 店長 秋山栄一さん
廃刊、休刊はこれからもどんどん多くなっていくと思います。これから、週刊現代が隔週になって月2回、週刊ポストも月3回という形で、もう決まっていますからね。そうするともう本屋としては売り上げは半分っていうことですよね。今まで4週あったのが隔週で2回になっちゃうし。売り上げとしては、どんどん減っていく一方だと思います。結局いま、雑誌、週刊誌というのは委託品で、売れ残れば返品できる形なんですけども、返品すれば、問屋さんの方から数をどんどん減らされていっちゃうし、自分が欲しい部数は、来なくなってくると。うちあたりも売り上げが落ちてきたのはコロナ後。それまではある程度の数字はあがっていたんだけど、どんどんどんどん右肩下がりで下がっていって。もう厳しいと思います。嗜好品の1000円の雑誌を買うか、それより食料品を買うかっていったときに、確実に食料品の方を買いますよね。
「雑誌にお金をかける余裕があれば、みんな今は食料品に使うだろうな」と、秋山さんも嘆いていました。
この書店は目白通りに面していて、広さは7坪ほど。ご夫婦で営業していて、近くから移転してきたんですが移転前から合わせると70年以上営業を続けています。
コロナ禍以降はガクンとお客さんが減ってしまったそうですが、周りはマンションや住宅が多く、お客さんは年配の女性や主婦の方がメインだそう。昔は車関係の雑誌が人気でしたが、今は女性誌が人気、最近は大谷翔平選手の活躍などで、スポーツの雑誌を手にする人は増えた、と変化を話していました。
「いつ閉めようか考えながら営業しています」
今の時代に、雑誌を「紙」で販売する想いや、葛藤について、再び桔梗屋書店 店長の秋山栄一さんに伺いました。
桔梗屋書店 店長 秋山栄一さん
やっぱり紙は、開けたときに匂いと、あと読み返しのときに紙の方が見ていても楽だし、来るお客さんが、年齢が高いじゃないですか。やっぱりネットだとかスマホで読めないっていう人が多いですよね。言われますよ、やっぱり。「辞めないでください」って言われますけど、こちらも商売だから、あまり数字が出なければ考える。「いつ閉めようか」という形で商売をやっています。ただ赤字がこれから累積されているのが大きくなってきたら、お客さんには言わないで、バサって切っちゃおうかなと思っています。コンビニさんはコンビニさんのルートがあるし、私たちは書店は書店のルートがあるからなんとも言えないけども、ただ、コンビニさんが置かなくなったら、本はもっと売れなくなるんじゃないですか。本屋に行けば、いろんなめぐり会いがあるから、行ってもまた面白いんじゃないですか。
「動けるうちはやっているけれど、いつ閉めようか、考えながらやっている」という言葉がとても重いなと感じました。足を運べば、新たな出会いがある書店。なんとか続いてほしいです。
(TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』取材・レポート:西村志野)