深海釣りで40kg頭にアブラボウズが連発【茨城・第十五隆栄丸】大型クーラーが満タン
北茨城沖のアブラボウズが好調を維持しているとの情報を受け、満を持して出かけてきました。当日も好調の流れは継続し、終わってみれば80リットルクーラーは満タン!当日の釣行をレポートします。
北茨城沖のアブラボウズ釣り
北茨城沖では年間を通して狙うことが可能であるターゲットのアブラボウズ。しかしそのポイントは遠く、かつ水深400~650mの深海を狙うため、他の釣り物よりも天候や潮の速さに大きく左右されてしまうことから、出船日は慎重に決めているとのこと。
更には、近年アブラボウズは釣りのターゲットとして広く知れ渡るようになり、人気も上昇していることから、平日でも予約がすぐに埋まってしまう状況なのだとか。「アブラボウズを釣りに行きたい!」と思ったら、遅くとも2週間前からHPのチェックをはじめましょう。
深海釣りの道具類
根の荒い水深400~650mのポイントを500号のオモリで底スレスレを狙うので、底を取りやすい硬めの竿が扱いやすい。リールはミヤマエコマンド9番以上、ダイワシーボーグ1200MJ等が主流。この日も船中を見渡すと、コマンド6名、MJ3名という布陣でした。仕掛けは「下針にしかかからない」「多点掛けしてしまったら手に負えない」という理由から、2本針が基本。中には1本針でやっている方もちらほら。
筆者の当日の仕様は、幹糸40号240センチ、ハリス30号120センチ、捨て糸16号200センチ、針ネムリムツ28号。因みに針はクエ針(35号程度)を使用している方も多く見かけます。また、タコベイトは有効なアイテムなので、オレンジや蛍光グリーンを中心に、数色持ち込むとよいでしょう。
また、日によってはアブラボウズがダメで、お土産確保のためににメヌケを狙うこともあるので、5~6本針のメヌケ用の仕掛けも2~3組持ち込んでおくと万全です。
1投目から本命アブラボウズ浮上!
1時集合、1時半出船。暗い海を3時間走ってアブラボウズのポイントに到着しました。移動中は畳敷きのキャビンでぐっすり眠ることができたので、体調は万全。手際よく準備し投入の合図を待ちます。
全員の準備が整うと、船長の合図(もしくはブザー)でトモから順にオモリを前方に投げ入れる方式で投入。水深は560m。かけ下がりを攻めていくので、糸を少しずつ出し、丁寧に底をとっていきます。すると早速トモでアタリがあった様子。見ると竿がグングンと明確にしなっています。
そして、それに続いて筆者の竿にもアタリ! 竿が叩かれた時に巻き上げが止まる程度にドラグを調整し、低速で巻き上げスタート。そして、船長のギャフアシストにより無事推定15kgの本命確保! 1投目から本命確保という、この上ない幸先の良いスタートを切ることができました。
まさかの3投連続ヒット!
この日は魚の食い気が立っているようで、流しの度に船中誰かしら釣れる状況。筆者もモンスターこそ掛からなかったものの、2投目25kg、3投目10kg(いずれも推定)と連続ヒット! 3本目が無事確保できたところで「もう道具を片づけても……」なんていう余裕が生まれると同時に、「この先、モンスターを上げてしまったら……」などという贅沢な不安も脳裏をよぎる状況でした(汗)
ラスト7投目で良型の4匹目を追加
潮が若干速くなり、お祭りが増えてきた中盤以降は、控えめな1本針仕掛けで釣りを続けることに。すると船長が「みんな釣れたのでこの流しで終わります」と予定よりもちょっと早めの「最後の流し」を宣告。その流しで、筆者の竿にこの日4回目のアタリ発生!
余裕の手つきでドラグを調整し、巻き上げをスタートさせます。やがてリールのカウンターが100mを切ると、1~3投の巻き上げとはまた違ったスケールで竿が大きくしなりだす。クーラーの残りのキャパをふと想像し「やっちゃったかな」なんて思うも、見えてきた黒い魚影はモンスターに一歩とどかない推定40kgの本命。解体すれば何とかクーラーに収まるサイズということでホッと一息でした(笑)
解体してクーラーボックスへ
クーラーボックスにおさまりきれなくとも、途方に暮れる必要はありません。アブラボウズは骨が柔らかく、切断が容易い魚でもあります。なので、この写真のようなケースでも心配は無用。頭、内臓、尻尾を落としてしまえば、ちゃんとクーラーボックスに収まります。……この釣りで「大漁」という状況に至って、ミステリー小説によく登場する「バラバラ殺人事件」の犯人の心理が少しだけわかった気がしました。……不謹慎ですみません。
もし釣れたアブラボウズをできるだけ船上で解体したくなければ、上の画像のようなクーラー(イグルー156リットル)を持ち込むと良いでしょう。
この日、40kgクラス2匹なら、上手く解体すれば何とか60リットルクーラーにおさまることが証明されました。
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>