勾配天井とは?失敗しないポイントや家をおしゃれにするための工夫を解説
「室内をできるだけ広くしたい」 「天井にもこだわって家を建てたい」 このようなお悩みをお持ちではないでしょうか? この記事では、室内を広くする効果や家全体をおしゃれにする勾配天井について解説します。失敗しないためのポイントもご紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
勾配天井とは?
そもそも勾配天井とは、どのような天井のことを指すのかについて解説します。
勾配天井の概要
勾配天井とは傾斜がある天井のことです。屋根裏の傾斜をそのまま天井にする方法や、天井を斜めに造る方法があります。勾配天井にすることで室内に広がりが生まれ、見た目もおしゃれな空間になるでしょう。 また屋根裏部分にある梁を見せて個性的な印象にするなど、アレンジも可能です。
勾配天井のメリット5つ
勾配天井にはさまざまなメリットがあります。 ここでは5つご紹介します。
メリット①:室内空間に広がりが生まれる
勾配天井の最大のメリットは、室内空間に広がりが生まれることです。天井に高低差ができる勾配天井は、物理的に空間が広がるだけでなく視覚的にも奥への広がりを感じられます。 リビングなど、できるだけ広さを確保したい空間には勾配天井がおすすめです。
メリット②:室内への自然光を確保しやすい
室内空間への自然光を確保しやすいことも、勾配天井のメリットです。勾配天井にすることで高い位置に窓が設置でき、室内に自然光を取り込みやすくなります。 住宅密集地など隣の家と距離が近い場合には、いかに室内への光を確保するかが課題です。勾配天井にして高い位置に窓を設置すれば自然光を確保できます。
メリット③:通気性がよい
勾配天井は、通気性がよくなることもメリットです。勾配天井を用いて高い位置に窓を造ることで、低い位置から高い位置への空気の流れが生じます。 これにより、室内に空気の通り道ができることで通気性がよくなるのです。
メリット④:2階リビングとの相性がよい
平屋だけでなく、2階にリビングを設ける間取りとの相性がよいのも勾配天井のメリットです。2階にリビングを設置すると、天井をすべて勾配天井にすることも可能です。また1階と2階を吹き抜けにすることで、勾配天井の室内を広げる効果を高められます。 2階にリビングを設けるときには、勾配天井も合わせて検討しましょう。
メリット⑤:デザインの選択肢が広がる
勾配天井は、デザインの選択肢も豊富です。勾配天井の高さや広さによって印象は大きく変わります。またあえて梁などの構造を見せることで、デザイン性を高めることが可能です。 勾配天井であれば、通常の天井では難しいデザインの選択肢が広がります。
勾配天井のデメリット4つ
さまざまなメリットのある勾配天井ですが、デメリットもあります。 ここでは4つご紹介します。
デメリット①:維持管理が大変
勾配天井は、維持管理が大変であるため注意が必要です。 高い位置に照明や窓を設置することで得られるメリットはありますが、照明の交換や窓の掃除が簡単に行なえません。また、自分で交換や掃除を行う場合には転落によるケガに気を付けましょう。 勾配天井の設置は、維持管理が大変な点も踏まえて検討しましょう。
デメリット②:費用負担が大きい
費用負担が大きい点も、勾配天井のデメリットです。勾配天井は通常の天井に比べて、傾斜をつける必要がある分だけ費用が多くなります。 また勾配天井に合う照明や窓の設置費用もかかります。通常の天井に比べて費用が数倍にかさむ場合もあるため、注意しましょう。
デメリット③:照明で失敗しやすい
勾配天井は、設置する照明で失敗しやすいこともデメリットです。照明の種類や配置を十分に考えないと、以下のような問題が生じます。・光の量が不十分で暗い・光との距離が近すぎて眩し過ぎる・勾配による室内の広がりを感じにくい・勾配のデザイン性を活かせない勾配天井を設置する際は、照明で失敗しやすいことを踏まえて設計士や建築会社に相談しましょう。
デメリット④:空調効率が悪い
勾配天井は室内の空間が広くなる分、空調効率が悪くなります。 屋根裏を勾配天井に用いるケースでも屋根部分から熱の出入りがあるため、やはり空調効率が悪くなるのです。
勾配天井で失敗しないためのポイント3つ
勾配天井のメリット・デメリットをご紹介しました。これらを踏まえて勾配天井で失敗しないためにはどのようなポイントに気をつけるべきでしょうか? ここでは3つ解説します。
ポイント①:照明は組み合わせに注意する
勾配天井で失敗しやすい照明については、組み合わせに注意しましょう。複数の照明を組み合わせることで、光の過不足を防げます。また間接照明を上手く取り入れることで、空間の広がりをより一層際立たせられます。 勾配天井のメリットを引き出す照明の組み合わせを検討しましょう。
ポイント②:勾配部分の高さ・広さに注意する
勾配部分の高さ(角度)や広さにも注意が必要です。たとえば勾配部分が低過ぎると、空間の広がりを生む効果は減少します。また勾配部分が十分に広くなければ、同様に空間の広がりは生まれません。 勾配天井は費用負担が大きいため難しい面ですが、十分な高さや広さを確保しましょう。
ポイント③:断熱性・気密性に注意する
勾配天井では室内空間が広くなるため、断熱性や気密性が重要になります。床や壁だけでなく、屋根を用いた勾配天井では屋根部分の断熱性・気密性にも配慮が必要です。 勾配天井のデザイン性だけを意識するのではなく、過ごしやすさにつながる断熱性や気密性にも注意しましょう。
勾配天井で家をおしゃれにする工夫3つ
高いデザイン性を理由に、勾配天井を選ぶ人がいます。 ここでは、勾配天井で家をおしゃれにする工夫を3つご紹介します。
工夫①:勾配を外観にも取り入れる
勾配は、室内だけでなく外観にも取り入れることで、家をよりおしゃれにできます。外観にも勾配を取り入れることで、家の見た目に動きが生まれます。また高い位置の窓は、外観的にも非常におしゃれです。 勾配天井にするときには、外観にどのように取り入れるのかも考えましょう。
工夫②:ダイニングに勾配天井を設ける
ダイニングを勾配天井にすることもおすすめです。リビングに設置するイメージが強い勾配天井ですが、ダイニングに設置してみましょう。 具体的には、ダイニングの上部を吹き抜けにして天井は勾配天井にします。またダイニングとつながるリビングは吹き抜けにせず、通常の天井を設けましょう。こうすることで、リビングダイニングとして1つの空間だった室内に高低差による境界が生まれ、ダイニングには開放感や明るさのある空間を、リビングには落ち着いた空間を確保できます。 勾配天井をどの部屋に造るべきか、しっかり検討しましょう。
工夫③:シーリングファンを設ける
勾配天井と相性がよいシーリングファンを設けるのもひとつの手。シーリングファンを設けるメリットは、デザイン性だけではありません。空調の効率を上げる働きがあり、空調効率が悪い勾配天井とは相性が非常によいといえます。 多くのシーリングファンが勾配天井に対応しているため、接続部の心配は無用です。勾配天井を設けるときには、導入メリットの大きいシーリングファンについて検討しましょう。
まとめ:勾配天井はポイントを押さえておしゃれに取り入れよう
この記事では、勾配天井の概要やメリット・デメリット、失敗しないポイントや家をおしゃれにする工夫について解説しました。 勾配天井には、室内空間に広がりを生み出すなどメリットが多くありますが、注意すべきデメリットもあります。 勾配天井を設ける際には、後悔しないようにポイントを押さえておしゃれに取り入れましょう。