思春期に直面する多くの問題と悩みは“第二の誕生”から生まれる?【眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話】
体は大きくても心は子ども、思春期の苦悩
「自我」が芽生えることで混乱する
中学生から高校生にかけての思春期は、「第二の誕生」と言って、子どもの脳から大人の脳へと切り替わり、「自我」がきちんと芽生えてくる時期です。
もちろん、子どものときも「自分」というものはあるのですが、本格的な「自我」というのは中学生以降に生まれます。「自我」をもった子どもたちは、急に「自分はどういう人間なのだろう」「私だけこういうことを考えているのかな」といったことに気づきはじめます。その結果、「何が普通で、何が普通ではないか」がわからなくなって混乱し、精神が不安定になります。思春期の子どもは何を考えているのかわからない、扱いが難しいと言われるのは、こうしたメンタルの不安定さによるものです。
また、中高生は経験やスキルが圧倒的に不足しているため、失敗もたくさんします。そのため、自分はダメなのではないかと傷ついたり、イライラしたり、悩んだりすることも増えます。
さらに、性の問題も起きます。女の子なら、痴漢などの性被害にあう、売春の誘惑に負けてしまう。男の子なら、性衝動をコントロールできない、攻撃的になり、誰かを傷つけてしまう。このように思春期というのは、さまざまな問題の初体験が大量にあります。大人になると思春期は眩しく映りますが、一方で多くの問題や悩みに直面する苦しい時期でもあるのです。
「第二の誕生」と呼ばれる思春期
思春期は「第二の誕生」と言われるように、子どもから大人に変化していくなかでさまざまな悩みを抱えている
体の変化は心(脳)の変化よりもはやいため大人になったように見えても心は子どものまま
思春期に直面する問題と悩み
自分”が何者かよくわからなくなる失敗が増えて傷つきイライラする攻撃性、衝動性、脆弱性により混乱する親への不快感、社会への不快感友人関係のトラブル、恋愛の失敗進路を決めるという決断のプレッシャー性の問題(性被害、性的搾取、性衝動)
いろいろな問題をはじめて体験するため混乱し、正常な心を保てずに苦しむ
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 メンタルの話 』監修:益田 裕介