静寂の森に包まれた国宝・朝光寺で『つくばねの滝』に出会う。水音を聞きながら癒しのひととき 加東市
加東市の山あい、池之内(いけのうち)地区の奥深く、『つくばねの滝』と呼ばれる美しい滝があります。岩壁の間を縫うように流れる姿は周囲の自然にしっくり溶け込み、思わず見入ってしまう光景が広がっています。
昭和29年に国宝指定された「朝光寺」境内から続く森の中で、ひっそりと流れ続けています。
「朝光寺」は白雉2年(651)、法道仙人によって開かれたと伝わる由緒あるお寺です。
つくばねの滝へは、駐車場から徒歩2〜3分。足元は舗装されていますが、道幅は人が対面で行き交うことのできる程度。渓谷側に柵はなく、ゆるやかなアップダウンもあるため、足腰に不安のある人は無理をせず進みましょう。
歩き始めるとすぐに”ざぁっ”と水の音が響き、木々のあいだから滝が姿を現します。
滝の近くまで行くためには、未舗装の斜面を降りる必要があり、足場も悪いので慎重に。
滝の前に立つと、明るく開けた視界に曲線を描きながら流れる滝筋が現れます。
名称の由来である「ツクバネ(衝羽根)」はビャクダン科の落葉低木で、加東市の天然記念物。
秋には羽付きの実をつけ、滝と共に可愛らしい姿を楽しむことができます。
滝見物の後は、苔むす石段が風情ある朝光寺へ。
山門への石段を登るのが辛い人は、駐車場から正面参道へ戻って拝観する方法もあります。
本堂のほかにも、鎌倉時代の建築様式を残す重要文化財「鐘楼」や。
境内に立ち並ぶ表情豊かな石像も見どころです。
さらに境内にある山道を降りて行くと。
滝上から滝下を望むこともできます。
まるで舞台の裏側をのぞいた気分になりますが、未舗装の道なので健脚の人向き。無理のない範囲で楽しんでください。
■『つくばねの滝』へのアクセス
神戸方面からは、中国自動車道ひょうご東条ICから県道313号線(平木南山線)を経て約10分。三田方面からは313号線を西へ進み。
突き当たりを右折し、そのまま道なりに5分ほど。
右手に案内看板が現れます。そのまま道なりに進めば駐車場に到着。
筆者が訪れた週末には、数台の車が停まっていました。周辺には『大川瀬大滝』(車で約15分)、『黒滝』(車で約25分)もあり、滝めぐりを楽しめます。
場所
国宝 朝光寺(つくばねの滝)
兵庫県加東市池之内609