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猫との暮らしの新常識?猫にまつわる『アップデート』した5つのこと

ねこちゃんホンポ

︎1.ワクチンは首の後ろではなく足に打つ

猫では注射を打った部位にごく稀に悪性の腫瘍が発生する事があり、これを「注射部位肉腫」と言います。

一昔前までは、「ワクチン関連肉腫」と言われていましたが、現在はワクチン以外の注射でも生じることがわかってきたため、「注射部位肉腫」と呼ばれるようになりました。

「注射部位肉腫」が発生してしまった場合の主な治療方法は外科手術です。その場合、しこりの部分だけを切り取るのではなく、まわりの健康な組織も含めて切除します。

ですので、万が一腫瘍ができてしまった際に広範囲に切除しやすい場所(足先、尾など)に注射をすることがあります。

これを聞くと猫にワクチンを受けさせるのが怖くなる方もいらっしゃるかも知れませんが、猫の「注射部位肉腫」は10000頭に1頭と非常に稀である一方、ワクチンに含まれる病気に罹患する猫の数の方は圧倒的に多いため、両者のメリットとデメリットを正しく理解することが大切です。

︎2.FIPは不治の病じゃなくなりつつある

猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫コロナウイルスの突然変異によって起こる病気です。この病気は1歳未満の子猫に発症しやすく、非常に進行が早いのが特徴です。

長年の間、このFIPには治療薬がなく、発症してしまった場合には100%が亡くなってしまう不治の病とされてきました。しかし近年、FIPの治療薬ができたことにより、FIPに感染しても治療をすることで助かる事例が多く出てきています。

しかも自宅での投薬で治療が可能なため、日本では認可されていないお薬ではありますが、治療として取り入れている動物病院も増えてきています。

子猫が数日で亡くなってしまう、とても残酷な病気であるFIPに治療薬が開発されたことは、猫を飼う飼い主さんの大きな希望となりました。

︎3.腎臓病が不治の病じゃなくなるかもしれない

猫の3頭に1頭は腎不全になると言われるほど、猫にとって腎臓病は身近な病気です。

腎臓は一度悪くなると再生しないため、猫の慢性腎臓病の治療は、点滴や投薬、食事管理など、これ以上腎臓の機能を落とさないために、現在の状態を維持する治療が行われます。

高齢猫の「宿命の病」ともいわれてきた腎臓病ですが、最近新薬が開発され、これから臨床試験が始まります。そして、早ければ2027年春ごろの実用化を目指す意向が示されており、多くの愛猫家の注目と期待が集められています。

︎4.マイクロチップが広まってきている

猫が迷子になった際に、体内に埋め込まれたマイクロチップをリーダーで読み取ることで、個体識別番号が表示されて、その情報から飼い主の元に戻ることができます。

これまでマイクロチップに関しての装着義務はなかったのですが、令和4年6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫について、マイクロチップの装着が義務化がされています。

つまり、これからブリーダーやペットショップなどで購入した猫には全頭にマイクロチップが装着されており、家に来た時にはすでにマイクロチップが装着済の状態ということです(飼った後に、情報を販売者から飼い主さんに変更する必要があります)。

これまで犬に比べてマイクロチップの装着率が低かった猫ですが、販売時の装着の義務化に伴い、今後装着率が大幅に上がることが予想されます。

現在ではすでに飼っている猫や保護猫へのマイクロチップの装着は努力義務ですが、大切な愛猫が迷子になった際に、少しでも早く発見するために、マイクロチップを動物病院で装着する飼い主さんは増えてきています。

︎5.猫もリハビリテーションができる

人間では、怪我で外科手術を行った後に必ずというほど行われるリハビリテーションですが、一昔前までは犬猫の手術後は自然に身体機能の回復を待つことがほとんどでした。

しかし近年は、犬猫にもより早く順調に回復して欲しいという飼い主さんの願いから、リハビリテーションを行う動物病院が増えてきています。

それでも猫は犬よりもハンドリングが難しいため、猫のリハビリテーションを行っている動物病院はまだまだ少ないですが、なかには「水中トレッドミル」という水の抵抗を利用した水中ウォーキングをリハビリとして猫に行っている事例もあります。

飼い主さんの中には、遠方から猫のリハビリテーションを求めて通院される方もいらっしゃり、新しい獣医療の分野として注目を集めています。

︎まとめ

ここ数年で、猫は単なるペットではなく家族の一員として飼う人が増えたことから、猫に関する多くの情報がアップデートされてきています。

特に獣医療では、FIPと腎臓病という猫にとって最も治療が困難だった病気の治療薬が開発され、多くの獣医師や愛猫家の注目を集めています。

飼い主さん自身も最新の情報をきちんと調べて学ぶことが、愛猫を病気から救うことにつながるかもしれません。


(獣医師監修:葛野宗)

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