国民的防寒具『ヒートテック』を釣りに上手に活用しよう【ノーマル・極暖・超極暖の使い分け方】
冬の釣り場では、「防寒」が釣りの快適さと集中力を左右する。その中でも、ご存じ国民的防寒具「ヒートテック」は軽量かつ保温性が高いインナーとして人気だ。ここでは、「ノーマルタイプ」「極暖」「超極暖」の3種類のヒートテックを使い分けるポイントを、釣り場の状況や気温に応じて説明していこう。
ヒートテックで防寒
ヒートテックはもはや国民的防寒着だ。防寒の考え方として、まず、「下着で防御する」という方針でいこう。上着を重ねていくのは、実は効率的ではない。着ぶくれて動きにくくなるし、重ねた上着の隙間から風が入ってくるとそれが気になる。また上着を重ねまくって汗をかいてしまうと、汗冷えしてしまい、そのあとの体温調整が難しくなる。
むろんゴアテックスなど最強レベルの上着を使用するのもいいが、それが一番上で、中は最大でも4枚までに済ませたい。参考までに筆者は大阪で1月下旬まで釣りをするが、着ても最大4枚までだ。いい下着があれば効率的に防寒できる。ベストな選択は釣具店で扱われている最強レベルの防寒着を買うことだが、もちろんヒートテックでも戦える。
気温10℃まではノーマル
最低気温が10℃までなら、一般的なロンTにフリースと薄手のウィンドブレーカーだけでもいいが、やはり風が出てきたときに冷たいので、ノーマルタイプのヒートテックで予防しておいたほうがいい。最も薄手で動きやすく、軽量で汗を吸収して速乾性も持つ。重ね着の基礎として適している。日常生活での使い道もあわせて、2枚は必須だ。
比較的暖かい冬の日や風が弱い日の釣りにノーマルのヒートテックを。またルアーフィッシングのように動きが多い釣りや移動を伴う釣りでは、体を動かして発熱するため、通気性が高いノーマルタイプが推奨される。すでに手持ちのアウターが十分な保温性能を持っている場合は、あえてノーマルタイプ一枚とすることで過剰に熱くなることや蒸れを防ぐことができる。
5℃の気温に「極暖」
極暖ヒートテックはノーマルよりも約1.5倍の保温力があり、少し厚手の生地で暖かさが増す。着ているだけである程度暖かい。それでいて生地は柔らかく、動きやすさも確保されているため、釣り場での汎用性が高いタイプといえる。とにかく寒がりの人は、保険をはって極暖を選んだほうがいいだろう。
筆者の感覚では、最低気温5℃までいくとするなら、極暖がほしい。冬本番の寒さでも、風が強くない状況なら極暖で快適に釣れるし、非常に寒い時期の日常使いでもこれ一枚でいけるのだから汎用性も高い。極暖や超極暖が特に活きてくるのは、「じっとしている釣り」だ。ウキ釣りや磯釣りのように、動きが少ない釣りには極暖が適する。また、動き回るルアーフィッシングの機動性を上げるために、中間着やアウターを薄手にしたい場合、極暖の保温力が役立つ。
厳冬期の最終手段「超極暖」
今のところ「超極暖」が最上級の防寒着なので、厳冬期もかまわず釣りをしたい人はやはり超極暖を手に入れておきたい。気温が0℃近くなるときや体感温度がマイナス5℃にもなると、その場に立っているのも辛いので、さすがに並のヒートテックではいけない。
超極暖はヒートテックシリーズの中で最も保温性が高く、厚手の生地により体温がしっかり保持される。寒さの厳しい環境での使用を想定して作られた、防寒対策の「最終兵器」ともいえるアイテムだ。真冬の夜釣りや早朝の釣りには、超極暖で体を基礎から温めていこう。寒風が頬を刺すような凍える冬でも快適に過ごせるだけの保温性能がある。
涼感タイプの下着も取り入れながら
ここでは上に着るタイプのヒートテックを紹介してきたが、タイツにも同製品がある。寒い人は上記と同じ基準で選べばいいだろう。ちなみにヒートテックは靴下にもマフラーにも帽子にもある充実ぶり。
ヒートテックの敵として厄介なのは、「汗冷え」だ。ある程度は速乾性があるが、蒸れてしまい、透湿が追い付かなくなると極度に着心地が悪くなり、寒くなってしまう。そんなときには、ヒートテックの下に一枚同社の「エアリズム」という涼しい下着を1枚着ておくのも一手だ。
<井上海生/TSURINEWSライター>