四日市の垂坂山観音寺で節分会の豆まき、市長や役者さんも舞台に立ち、福を呼ぶ
三重県四日市市の垂坂山観音寺で2月3日、節分会の豆まきがあり、境内は福を求める参拝客らでにぎわった。豆まきは午前10時から夕方まで10回近く催され、毎回、舞台の前には200~300人が集まって、宙を舞う豆や「福餅」などに手を伸ばした。
寺は慈恵大師良源(元三大師)が開いたとされる。本尊でもある大師の命日が1月3日といわれ、寺にとっては3日が縁日で、天文学的な計算で暦に変化があったとしても、常に寺の節分は2月3日の行事になっているという。
この日のために、檀家や地域の女性らがひと口サイズの丸い「福餅」を約3000個つくったという。豆と一緒に舞台からまかれたほか、境内のテントでも販売された。投げた福餅に当たりくじを見つけた幸運な人たちにはプレゼントが贈られた。
たくさんの人でにぎわう境内。舞台中央が吉田住職(白の着物姿)
豆まきは約40分おきに行われ、各回、厄除けや商売繁盛、1年の幸せなどを本堂の特別祈祷で願った人らが裃(かみしも)などに着替え、舞台に立った。かけ声は「福は内」のみで、森智広市長も「こにゅうどうくん」と一緒に声をあげて豆をまいた。市内の「天然温泉おふろcafe湯守座」で2月26日まで舞台を務めている「浪花劇団」の近江新之介座長、大河一心若座長らが女形を含む役の姿で登場し、こにゅうどうくんや吉田眞圓住職と豆まきをした。
元三大使は、おみくじの元祖としても知られ、鬼の姿で疫病を退治する「角大師護符」は家の戸口に貼るおまもりとしても有名だ。寺所蔵の木造慈恵大師坐像は南北朝時代の作といわれ、国指定重要文化財になっている。