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怯えが物語に深みを与える?【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】

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怯えが物語に深みを与える?【プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑】

NO.11 怯え【おびえ】

[英:Scare ]

【意味】

恐れてびくびくすること。

【類語】

臆病 小心 恐縮 恐怖 戦慄 畏怖 心配 物怖じ 畏縮 怖気など

体(フィジカル)の反応

震える血の気が引く表情が消える膝ががくがくする腰が引ける立ちすくむ冷や汗をかく目が泳ぐ思わず後ずさる深呼吸して気持ちを切り替える体が冷たくなる怖くて人に縋りつく頭が痛くなる動けなくなる落ち着こうと目を閉じる息づかいが荒くなる

心(メンタル)の反応

弱気になるおどおどする不安でいっぱい早く現状から抜け出したい気が気でない早く嫌なことが過ぎ去ってほしい誰かと一緒にいたいぐずぐず尻込みするこうなった原因を考えて後悔する気が小さくなる周囲が気になる気味が悪いと感じるこれからどうすればいいか、迷いが生じる思考が混乱する自分に自信がなくなる

キャラ造成において人物像の物語性を如実に印象づけられる

内面の揺れを表す感情語彙が「怯え」です。相手に対して抱く気持ちというより、自分自身のなかに芽生えて葛藤する脆弱な感情の「怯え」は、登場人物の心の動きを表現する際に便利です。

キャラ造成するときも、何に「怯え」を抱いているかを描けば、その人物像の物語性を如実に印象づけることが可能となります。

もし、海に対して「怯え」る男なら、過去に溺れたとか水難事故に遭ったなどのトラウマを想起させます。暴言を吐く男にひどく「怯え」てしまう女なら、元彼か父親の影響を受けているのかもしれないと想像できます。将来に対して漠然とした「怯え」を抱える子どもなら、心根の弱さや未熟さを彷彿させます。

さらに物語創作においては「怯え」からの脱却で、その人物の成長を表せます。弱い心に打ち勝ち、強い自信を手に入れたという成熟や進歩を描くなら、序盤で「怯え」をフラグとして使いましょう。

何に「怯え」を抱くかで、その人となりがわかってくる

【出典】『プロの小説家が教える クリエイターのための語彙力図鑑』著:秀島迅

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