子どもの「お手伝い力」をグングン伸ばす“小さな工夫3選”
「うちの子、なかなか手伝ってくれなくて…」そんな悩み、ありませんか? 10歳の娘と家事をシェアしてきたわが家では、“お手伝い”を「やらせる」ものではなく、「一緒にやって楽しいもの」にする工夫をしてきました。 今日は、そんな“小さな3つの仕掛け”をご紹介します。
お手伝いが「修行」じゃ、やる気は育たない
娘がまだ幼稚園へ通っていた頃のこと。
「そろそろ、自分のことは自分でできるように、お手伝いをやってもらいたい」と思っていましたが、どうすればイヤイヤじゃなくて、楽しく取り組んでくれるか悩んでいました。
この当時は「わたしもお手伝いしたい!」と言ってくれる時期。
ある時、僕が洗濯物を畳んでいると、隣でワクワクした表情でその様子を見ている娘に気が付きました。
で、ふと思ったんです。
子どもにとってのお手伝いって、「教えられるもの」じゃなくて、「誘われるもの」だって。
1.遊びの延長からスタート
子どもには何でも「やってみたい!」という時期があります。この時期は、とにかくたくさんやってもらうのが吉。
上手にできる必要もないし、親としてはむしろ自分だけでやった方が楽ちんなんですが。
そこで、僕は家事を遊びの一つとして取り入れました。
遊びだったら「公園行こうか?」「ブロックやる?」というように誘います。それと同じように子どもと遊ぶ時間の中に「パパは洗濯物たたみやるけど、一緒にやる人〜?」と言うように、あたかも遊びのように誘いました。
専用のモップも用意して、埃取り競争したり、テーブル拭きしたり。遊んでいるように見せかけて、その間に家事を進めるって感じで一緒にやってみる。
これは効果抜群で、いわゆる”おままごと”感覚で、色々やってくれました。
あ、もちろん、全然乗り気じゃなかったり、むしろ洗濯物放り投げだしたり、なんてこともしょっちゅうでしたが……笑
2.成功体験を仕込む!「助かった〜」を口ぐせに
お手伝いをしてくれたとき、僕が心がけているのが「ありがとう」よりも、「助かった〜!」という言葉。
このひと言には、“自分の行動が役に立った”という実感が詰まっています。
さらに、「この野菜の切り方、きれいだね!」とか、「この畳み方、ホテルみたいじゃん」と、“結果”より“プロセス”に注目してほめると、子どもはぐんと自信をつけていきます。
成功体験を積み重ねることが、お手伝い力の“エンジン”になるのです。
3.習慣のルール化!「週1○○係」で“自分の役割”に
娘が5歳のとき、週1で「植物の水やり係」をお願いしたことがありました。
はじめは忘れがちだったのに、「〇曜日は〇〇係」というルールにしたら、次第に自分で気づいて行動するように。
ポイントは「毎日じゃなくてもいい」「ちょっとでいい」こと。
“責任感”というより、“気づく力”を育てるイメージで、少しずつ自分の役割にしていくと続きやすいです。
「手伝わせる」から「一緒に育てる」へ
お手伝いって、結局「ラクするための手段」じゃありません。
忙しい毎日の中で、子どもと目線を合わせて、生活を一緒につくっていく時間です。
それこそが、親にとってもかけがえのない「子育て」の一部なんですよね。
娘と一緒に台所に立って、「今日の盛り付け、いい感じじゃん」と笑い合う日常が、僕にとっては「家事シェア」の真骨頂だなと思っています。
子どものお手伝い力は、グングン伸びます。
それは、親が「育てよう」と構えたときじゃなく、一緒にやって“楽しさ”を見つけたときに、自然と育っていくものなんだと思います。
三木智有/家事シェア研究家