時宗美術と歴史に触れて 遊行寺宝物館で特別展
遊行寺宝物館(西富1の8の1)で特別展「遊行寺の名品」が開かれている。同寺が保管する2万点を超える史料の中から厳選した48点を展示中だ。2月18日(火)まで。
館内でまず目を引くのが、歴史の教科書に掲載されるなど有名な天皇肖像画「後醍醐天皇御像」(国指定重要文化財)。南北朝時代の生前に描かれた寿像で、後醍醐天皇の従兄弟関係にあった同寺12代・尊観上人により伝えられたとされる。
もう一つの目玉は「当麻曼荼羅」。奈良県の当麻寺本尊で、中将姫が蓮糸綴織で阿弥陀仏の仏国土を表現した「阿弥陀浄土変相図」が元絵とされる。時宗の開祖・一遍上人が当麻曼荼羅を参拝した際、中将姫が写経した阿弥陀経(鳩摩羅什訳)の異訳「称讃浄土仏摂受経」(玄奘訳)の一巻を住僧から譲り受け、大切に所持したという。遊行寺の当麻曼荼羅は本尊同様に模写された優品で、称讃浄土仏摂受経と共に現在展示されている。
同館の遠山元浩館長は「えりすぐりの名宝が見られる貴重な機会。ぜひお楽しみ下さい」と来館を呼び掛けている。
開館は土・日・月・祝日、午前10時〜午後4時30分。入館料600円、中学生以下300円。問い合わせは同館【電話】0466・22・2063。