千葉県松戸市「北小金駅」の住みやすさは?名刹の緑に恵まれた落ち着いた環境が魅力の街
北小金駅(きたこがねえき)は、千葉県北西部の松戸市北端に位置し、JR常磐線各駅停車を利用できる同市内の主要駅の一つです。北小金駅からは、JR常磐線内の主要ターミナル駅である柏駅や松戸駅、北千住駅へのアクセス性に優れています。
加えて、相互直通運転を行っている東京メトロ千代田線を利用すれば大手町・霞ヶ関方面へ乗り換えなしでアクセス可能です。このような交通利便性の高さが北小金駅の魅力のひとつであることは間違いありませんが、注目すべき点は交通利便性以外にもあります。歴史や文化に興味がある方や、都心に近すぎず遠すぎない落ち着いた暮らしを求める方には、ぜひ知ってほしい街といえます。
さらに、北小金駅南口では、市街地再開発事業が始動しており、住宅を主な用途とした複合建築物が計画されています。さらに、約1,000m2におよぶ広場なども計画されているため、ゆとりある駅前空間が整備される予定です。そこで本稿では「北小金駅」周辺の住みやすさをイメージできるよう紹介していきます。
北小金駅周辺の基本情報(都道府県内での位置づけ、特徴など)
北小金駅周辺の概要
北小金駅は、千葉県松戸市の北端に位置している駅で柏市に近い位置にあります。行政区域として現在は松戸市ですが、1954年に松戸市に編入される前は旧東葛市(現:柏市)にあたる区域でした。そのような歴史もあり、柏市側との結びつきも強く、国道6号線や千葉県道261号線(松戸柏線・旧水戸街道)沿いには、柏市域と連続した市街地が形成されています。
松戸市によると、同市の総人口は、2025年7月末時点で50万1,565人(出典:松戸市字別世帯数人口表)ですが、このうち、「字小金」には、4,277人(2,294世帯)が居住しています。この人口は、松戸市の総人口の0.9%にあたります。
また、行政計画で定めている小金地域(JR北小金駅周辺の地域)でみると、約5万人(総人口の約10%)が居住しており、過去の人口統計からみると増加傾向(2015年:4万5,821人、2020年:4万6,950人。※松戸市都市計画マスタープラン)にあります。
北小金駅周辺の歴史
北小金駅南口の旧小金宿には、そこが宿場であったことを知ることができる「水戸道中の道標」や「小金町道路元標」が残されています。また、旧水戸街道沿いに面して位置している東漸寺山門(仁王門)は1804年(文化元年)に再建されています。境内には樹齢340年を超えるしだれ桜をはじめ、松、梅、紫陽花、紅葉などが植えられており、四季を感じられる緑豊かな空間が広がっています。
北小金駅周辺の住みやすさ
北小金駅周辺の交通利便性
北小金駅からは、JR常磐線で東京駅まで約40分、柏駅まで約7分、東京メトロ千代田線との相互直通が行われているため、大手町駅まで乗り換えなしで約40分です。。また、北小金駅から柏駅で常磐線特急に乗り換えれば、土浦駅や水戸駅までアクセスすることも可能です。
<北小金駅から主要駅へのアクセス時間>
・東京駅:約40分(松戸駅乗換え)
・大手町駅:約40分(乗り換えなし)
・柏駅:約7分
・松戸駅:約10分
・土浦駅:約50分(柏駅乗換え)
・水戸駅:約60〜70分(柏駅乗換え、特急ときわを利用)
北小金駅周辺の買い物・飲食店事情
北小金駅周辺には、小金宿通り商店街やハワイ通り商店街、再開発ビルピコティをはじめ、スーパーやドラッグストアなど、日常生活に欠かすことのできない食料品・日用品の買い物環境が充実しています。なお、旧宿場通りには個人商店は少なく、当時の面影が色濃く残っているわけではありませんが、中小規模の商店が多くあるため日常の買い物に苦慮することはないはずです。
また、小金宿通り商店街には、「マツモトキヨシ」の創業の地として、銘板が設置されています。同社の本社は松戸市の新松戸駅近くにあります。なお、案内板によると、1932年(昭和7年)に「松本薬舗」として開業したことが示されています。
「住まいの近くには大型店舗が不可欠」と考えている方にとっては、少し不便に感じるかもしれませんが、大規模商業施設が集積している柏駅までは2駅です。電車を利用すれば容易にアクセスすることができますので、北小金に大規模施設がなくても不便には感じないはずです。
北小金駅周辺の自然環境
北小金駅周辺の自然環境としては、少し大きめの公園として「小金公園」や「根木内歴史公園」などがあります。また、旧宿場通りに面する東漸寺の境内には緑豊かな環境が広がっており、四季を感じられる樹木も見られます。
さらに、季節ごとに催しやイベントも行われており、地域コミュニティの温かさを感じられるのも魅力です。東京圏の郊外らしい自然環境が整っているといえます。
北小金駅周辺の公共施設(役所関係、図書館、教育施設など)
北小金駅の南口の再開発ビル「ピコティ」には、松戸市役所の小金支所があり、一定の行政サービスを受けることができます。また、駅から徒歩10分の場所にある小金市民センターには、松戸市立図書館の小金分館が入っており、蔵書数は約5万冊に及びます。駅周辺には銀行や郵便局など金融機関もそろっており、日常生活の基本的な利便施設が徒歩圏内で完結しているのもメリットです。
<北小金駅周辺の公共施設等>
・松戸市役所小金支所
・松戸市小金保健福祉センター
・小金市民センター
・松戸東警察署小金交番
・松戸市立図書館小金分館
北小金駅周辺の治安・ハザード
松戸市では、毎年市内の犯罪発生マップを公表しており、自動車盗、住宅対象侵入盗、車上・部品ねらい、電話de詐欺の5罪種の合計発生件数を公開しています。公開情報によると、松戸市内のなかでも小金地区は人口のわりにこれらの犯罪が少ないエリアであり、松戸市内における2023年12末時点の犯罪発生件数2,631件のうち、窃盗4罪種の発生件数は315件、このうち、小金地区の窃盗4罪種の件数は28件です。
▶︎参照:松戸市、「松戸市犯罪発生マップ(令和5年1月から令和5年12月)」
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/anzen_anshin/bouhan/hanzai_joho/map_r5.html
松戸市はハザードマップを公表しています。北小金駅周辺は、多くが下総台地上にあたるため、浸水想定がされているエリアは少なく、一部で内水氾濫(雨水出水)の恐れがある程度です。このため、北小金駅周辺は洪水などに対して比較的安全といえます。
河川洪水・内水氾濫に対する災害ハザードエリアついては、松戸市が公開しているハザードマップ情報のほかに、国が公表している不動産情報ライブラリでも閲覧できますので、いずれかであらかじめ、災害ハザードリスクを把握することをおすすめします。
北小金駅周辺の病院事情
北小金駅周辺には、日常生活に不可欠な診療所があります。このほか、松戸市内には、いくつか夜間・休日診療所を当番制で設置しています。さらに、夜間、子どもの具合が悪くなった場合に、診療所や病院を受診した方が良いか迷った際には、松戸市がホームページで「小児救急電話相談」の連絡先を公開しているので、北小金駅周辺に住む場合には、ぜひチェックしてほしいです。
北小金駅周辺の子育て環境
北小金駅周辺の子育て環境のメリットとして、豊かな自然と歴史に触れられる落ち着いた住環境が挙げられます。駅の南口にある東漸寺は、徳川家ゆかりの由緒あるお寺で、美しい参道や緑豊かな境内は、子どもと一緒に散策するのに最適です。春の桜や秋の紅葉など、四季の移ろいを身近に感じられます。
また、駅北側には「本土寺」や、少し足を延せば大型公園「21世紀の森と広場」もあり、子どもがのびのびと遊べる場所が豊富です。駅周辺には保育施設や教育機関も点在し、静かで治安も良いため、子どもたちの成長を穏やかに見守りたいと考えるファミリー層に適したエリアといえます。
なお、松戸市の子育て支援に関する情報は、松戸市が運営する公式サイトに詳しく掲載されていますので、子育て中の方やこれから出産・子育て等を予定している方はぜひご覧になってみてください。
北小金駅周辺の家賃相場
<北小金駅の家賃相場>
・ワンルーム:6.87万円
・1LDK:8.59万円
・2LDK:12.38万円
<新松戸駅の家賃相場>※隣駅
・ワンルーム:6.24万円
・1LDK:9.13万円
・2DK:7.04万円
・3LDK:12.93万円
<南柏駅の家賃相場>※隣駅
・ワンルーム:6.13万円
・1LDK:9.12万円
・2LDK:13.54万円
・3LDK:14.60万円
北小金駅周辺の魅力まとめ
今回は、松戸市にある、豊かな自然と歴史が共存する「北小金駅」周辺の住みやすさについてご紹介しました。繰り返しになりますが、北小金駅周辺は本土寺や東漸寺といった名刹の緑に恵まれ、日常的な買い物環境も駅前の「ピコティ」、駅周辺にあるドラッグストアなどで完結します。子育て世代はもちろんのこと、落ち着いた環境を求める単身者や高齢世帯にとっても、快適な暮らしが期待できるエリアといえます。
また、北小金駅は都心へのアクセスも良好です。大手町駅まで乗り換えなしで約40分と、「都心の利便性と、穏やかな住環境の両方を手に入れたい」という方には、特にマッチする立地といえます。
最後に、駅周辺では南口のロータリー整備などが進められており、街の利便性や景観はさらに向上していくと考えられます。都心近郊のエリアの中でも、歴史と自然を大切にしながら着実に進化を続ける街として、暮らしの質を重視したい方にとって、今こそ注目すべきエリアの一つといえそうです。
この記事では画像に一部PIXTA提供画像を使用しています。