上野エリアで発見した「本物のハラールラーメン」を食べた感想を正直にお伝えしよう
今から数年前のこと。東京オリンピックを控えた日本で「ハラール(ハラル)認証」や「ハラールフード」が話題となった。あれから早幾年。今では街中で「ハラール認証」の文字を目にすることも少なくない。
一方で「ハラール認証のメニューもありますよ」的な店が多く、ガチで「ハラール認証のメニューだけ!」というお店はさほど多くない気がする。そんな中、上野エリアでガチガチの『ハラールラーメン』を発見したので立ち寄ってみることにした。
・ハラール認証とは
ざっくり言えば「ハラール認証」とは「イスラムの基準をクリアした証」のことを指す。有名なところでは「豚肉やアルコールが禁止」と聞くが、その他にも細かいルールがあるようだ。
コロナ禍を経て、空前のインバウンド客でにぎわう昨今の日本において「ハラール」もかつてないほど需要が高まっているのだろう。店頭に「ハラール認証」を掲げるお店もちょいちょい見かける。
・ハラールしかないお店
一方で、この記事でご紹介する『上野ラーメン ハラール』のように「ハラールフードだけしか扱っていません!」というお店はそう多く見かけない。ハラール “も” あるお店ではなく、ハラール “しか” ないラーメン店なのだ。
お店は東京メトロ仲御徒町から徒歩5分ほどのところにあり、決して「駅前」というワケではない。ただし、近所にモスク(礼拝所)があるなど、イスラム圏の方が多くお住いの地域ではある。
またホームページによると、店長と料理長はどちらも来日10年となるムスリム教徒とのことで、ハラール料理とラーメンには並々ならぬ思い入れがあるようだ。ここまでガチなハラールラーメンもそう多くないことだろう。
・食べてみた
というわけで『上野ラーメン ハラール』で、オススメだという「スペシャルチキンラーメン」をオーダー。価格は1500円で、今回は注文しなかったが「餃子」や「から揚げ」などのサイドメニューも充実していた。
で、5分ほどでやって来た「スペシャルチキンラーメン」は、その名の通りかなりボリューミーな鶏肉の主張が強いラーメンである。チキンの他にはタマゴ、小松菜、豆もやしなどがトッピングされていた。
さっそく食べてみると……なるほど、スープはいわゆる“鶏白湯”で、優しい旨味がジワジワとウマい。特にコクが無いということはなく、基本は「鶏白湯ラーメン」だと思えばいいだろう。
また麺は細いちぢれ麺で、鶏白湯スープがよく絡む。鶏肉はシンプルな味付けでパンチ力には欠けるものの、逆に言えば「素材を活かした味」といったところか。総合的にラーメンとして成り立っている印象だ。
・が、しかし
とはいえ「わざわざもう1回食べに来るか?」と言われた場合、私なら「うーむ」と悩んでしまう。先述のようにラーメンとして成立はしているが、店を出た後も「ウマかったな……」と余韻が残るほどのレベルとは思えなかった。
例えるなら「海外のお店で食べるラーメン」といった印象で、小松菜の味付けや豆もやしを始め、丼の端々でちょっとした “いつものじゃない感” があった。使用できる食材に制限がある以上、これは致し方ないことなのだろう。
なので、例えばラーメン好きの友人に「オススメだよ!」とは言わないが、もし「ハラールのラーメンを探している」という方がいれば迷うことなくオススメできる。誰が食べても文句が無い「完全体のラーメン」だからだ。
というわけで、この記事ではガチのハラールラーメンについてお知らせした。厳しいハラール認証を満たしてまでも食べたい、作りたいほどラーメンは魅惑のグルメなのかもしれない。
・今回訪問した店舗の情報
店名 上野ラーメン ハラール
住所 東京都台東区台東4-5-5
時間 10:00~22:00
参考リンク:上野ラーメン ハラール
執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.