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【平塚市】神奈川大キャンパス跡地 川崎競馬トレセン移転が破談 敷地面積の広さなど指摘

タウンニュース

神奈川大学湘南ひらつかキャンパス跡地

2023年3月に閉鎖した神奈川大学湘南ひらつかキャンパス(土屋)跡地の優先交渉権事業者である神奈川県川崎競馬組合が、移転を断念する考えであることが11月17日、複数の関係者から明らかになった。

競馬組合は小向きゅう舎と練習馬場(トレセン)について、狭く過密な環境や建物の老朽化の課題から、県内外への移転を検討してきた。24年5月に同キャンパス売却の優先交渉権事業者に決定し、市や地元住民も含め、移転実現に向けた協議を重ねてきた。今年8月4日には競馬組合の平田良徳管理者と神奈川大学の石渡卓理事長が落合克宏平塚市長を訪問し、移転について「着実に進めていく」と確認したばかりだったという。

同市では8月に、都市計画に関する基本的な方針を定める都市マスタープラン(第2次)の西部地域に位置する同大の移転に伴い、跡地に新たな土地利用を誘導するため、マスタープランの一部改訂を策定していた。

しかし、10月29日に競馬組合の平田管理者が落合市長を訪問した際、「神奈川大学湘南ひらつかキャンパス跡地へのトレーニングセンター移転を断念する」と伝えられたという。これを受け市は、11月10日に移転断念の申し入れ撤回の要望書を競馬組合へ提出するも、11月19日に「再考しかねる」との回答があった。11月20日開かれた定例記者会見で落合市長は、「誠に遺憾。神大跡地の利活用については、土屋で協議会をつくってまちづくりを進めてきた。いきなり『断念したい』というのは大変失礼な対応」と憤りを露わにした。

競馬組合は断念の理由として、敷地面積が狭いこと、当初の想定に比べ、地区計画の策定の遅れや「強い馬づくり」の実現が困難であることなどを挙げ、「総合的に勘案した上での経営判断」としている。

11月16日に土屋公民館で開かれた地元住民主催の協議会(安池敏晴会長)には、協議会メンバーをはじめ競馬組合や神奈川大学、落合市長・市職員らが出席。協議会メンバーへ、競馬組合から断念の申し入れがあったことなどが伝えられた。安池会長は「地元として受け入れるために協議会をつくったばかりだったが断念となり、これまでの協議は何だったのだろうという思い」と率直な感想を話した。

同大では「競馬組合からの撤退の申し入れは突然のことであり、大変困惑している。急に何が起こったのか理由が知りたい」と吐露する。11月10日には同大も、白紙撤回の再考、移転実現に向けた協議の継続、基本協定の契約期間の延長を求める要望書を提出。11月24日現在、競馬組合からの回答はないという。

競馬組合は同大跡地への移転は断念したものの、「トレセン移転を断念したわけではない。今後も他の候補地の検討を深め、早期に移転できるよう取り組んでいく」としている。

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