保倉川放水路の流量引き上げや津波対策など 高田河川国道事務所が関川水系河川整備計画を変更
国交省高田河川国道事務所は2025年3月31日までに、今後30年間に行う「関川水系河川整備計画」を策定した。2009年に策定した計画を変更したもので、気候変動による水害の激甚化などに対応し、保倉川放水路や関川の流量を引き上げたほか、能登半島地震を受け、放水路の津波対策や海水流入の影響などを検討することを盛り込んだ。
保倉川の抜本的治水対策となる放水路整備を含む関川水系河川整備計画は2009年に策定されたが、長年計画は進まず、2017年に有識者による検討部会が「放水路整備が妥当」としてから、有識者会議や地元住民の意見を聞き、計画変更手続きを進めていた。
《画像:保倉川放水路のルート図(変更された関川水系河川整備計画より)》
変更案は2024年12月に公表され、関係省庁との協議などを経て正式に変更された。今後は変更された整備計画に基づき、保倉川放水路整備など国による調査検討が進められる。
変更された河川整備計画では、水害の激甚化に対応し、関川を河道掘削して基準の高田地点での流量を毎秒2600立方mから同3200立方mに引き上げた。保倉川は頸城区松本での流量を同1500立方mから同1700立方mに増やし、同区下三分一付近から延長約3kmの放水路の流量は同700立方mから同900立方mに引き上げた。
放水路整備では、最終的な形状、道路や橋梁(きょうりょう)などの関連施設の整備、津波防災施設のあり方、海水流入などの環境影響などは、治水対策・防災まちづくり検討部会や環境調査検討委員会、地域住民の意見を踏まえて検討し、水害に強いまちづくりに向けて取り組むとした。
また河川管理者の国や県だけでなく市町村や企業、住民など流域全体で治水対策に取り組む「流域治水」や、放水路整備に伴う家屋移転は住民の意向に配慮しつつ、地元自治体と連携し対応することも明記した。
関川水系河川整備計画(大臣管理区間) – 高田河川国道事務所( https://www.hrr.mlit.go.jp/takada/river/11735/index.html )