“御茶デビュー”は小さなミュージアムで! 「京菓子について学べる」スポット【京都市上京区】
四季折々の自然や日本の文化を、目と舌で楽しませてくれる“京菓子”。そんな繊細で奥深い和菓子の世界を、親子で楽しく学べるスポットがあります。
今回訪れたのは、京都市上京区にある『京菓子資料館』。ここでは展示を見るだけでなく、実際に味わうこともできます。小学生の子どもと一緒に訪れて、展示からお菓子の実食まで楽しんだ様子をご紹介します!
和の世界に入り込む、小さなミュージアム
『京菓子資料館』は、地下鉄・今出川駅の2番出口より、徒歩約3分の場所にあります。企画により内容・入館料が異なりますが、入館料を支払った際には御茶席で生菓子とお抹茶を飲むことができ、子どもの“御茶”デビューにもぴったりです。
展示とイベントで、和菓子の魅力を体感!
今回開催されていたのは、期間限定展示の『描かれし京菓子』。2025年9月15日(月)までの期間、開催されています。
まず出迎えてくれるのは、工芸菓子の『春秋』(写真右)。「これ、本当にお菓子でできてるの?」と子どももびっくり。
展示物のひとつ『諸国名物菓子集』を見ていると、知っているお菓子を発見! 「これおいしくて好き!」など、自然に会話が生まれます。
『京洛干菓子四季記録』には、50年前に描かれた京都の有名なお菓子が載っています。現在も形が変わっていないお菓子も多く、受け継がれた伝統に誇らしさを感じられます。
展示の一角には、小学生でも馴染みのある硯や墨、色鉛筆や筆など学校で使うような道具が飾られています。道具と一緒に制作方法も書かれており、「今度書いてみたいな」と興味津々。
一つのお菓子を、日本画・版画・イラスト・水墨画、それぞれの書き方で描いた作品が飾られています。全く同じものを描いているはずなのに、まるっきり異なっており、ぜひ見てほしいポイントです。
本企画展示の期間中、各作家が行うワークショップや講演会も開催されています。「こんなにきれいな絵を描いた人の話を聞けるんだ!」と、子どもも目を輝かせていました。気になる方は、ホームページをチェックしてくださいね。
見て、学んで、最後は味わう。展示の世界を口の中でも体験
資料館をじっくり見学したあとは、併設の茶室『祥雲軒(しょううんけん)』でひと休み。入館料には生菓子・お抹茶が含まれています。
生菓子は3種類から選ぶことができ、今回は企画展で描かれていた『水陰』をチョイス!
まるでアートのような和菓子に、子どもも「これ、本当に食べられるの?」とびっくり。透き通った寒天と繊細なあんのコントラストが美しく、まるで小さな水辺を閉じ込めたような一品。
本当に食べていいのかと戸惑うほどの美しさに、親子でしばし見入ってしまいました。口に運ぶと、見た目の涼やかさそのままのやさしい甘さ。子どももおいしそうに喜んでいました。
お抹茶も優しい苦味で、子どもも飲める程度◎ すっきりとおいしいお抹茶を、おいしくいただきました。
資料館に併設している店舗『俵屋吉富 本店』では、今回食べた『水陰』(432円)も販売されています。家族や友だちへのお土産にもぴったりですね。
詳細情報
京菓子資料館
企画展名:描かれし京菓子
住所:京都府京都市上京区烏丸通上立売上ル 俵屋吉富 烏丸店北隣
電話番号:075-432-3101
営業時間:10:00~17:00 ※入館は16:00まで
休業日:水曜日・木曜日 ※臨時休業あり
入館料:企画展により異なり、現在開催中の企画展では800円
ライター・ikeariのひとこと
見て学び、作り手の想いにふれ、最後は実際に味わう。繊細な世界を、親子でゆったりと堪能できた『京菓子資料館』。美術館のような展示と、静かで落ち着いた空間は、慌ただしい日常を忘れさせてくれます。
子どもにとっても、“和菓子=おやつ”から“和菓子=文化・表現”へと、新しい視点を得られる貴重な機会になりました。季節ごとの展示やイベントをチェックして「また来たい!」と思える場所。ぜひ訪れてみてください。
文/京菓子資料館・ikeari
取材協力/京菓子資料館
【画像】ikeari
※この記事は取材時点の情報です。最新の情報は各店舗・施設にお問い合わせください。
※文中の価格はすべて税込みです。