永安橋でハゼ釣りに挑戦! <秋の五目釣り>のはずが<二目釣り>に……理由を考察してみた【岡山県岡山市】
ここ数年、筆者は岡山市西大寺にある永安橋(えいあんばし)で子どもとハゼ釣りをしています。
時期は夏から秋にかけてで、今年はあまりにも暑かったことから9月の釣行になりました。一昨年も9月に釣行しており、その際は“五目釣り”を達成したので期待も高まります。
ですが、結果はなんとたったの“二目釣り”となってしまいました。なぜこのような結果になってしまったのか──理由は分かりませんが、自分なりに原因を考えてみました。
岡山県内で好ポイントとして知られる永安橋でよく釣れる魚
永安橋は岡山三大河川の一つ「吉井川」の下流域にかかる大きな橋です。
ここは汽水域ということもあり、マハゼやウロハゼ、ママカリ(サッパ)、スズキ、チヌ(クロダイ)、キビレ(キチヌ)、ケッケ(ヒイラギ)、ウナギなど多種多様な魚を釣ることができます。
特にマハゼ、ママカリ、スズキの好ポイントとして岡山県内では有名です。
強い当たりで釣れたのは……
一般的に、魚の活性は潮が止まっている時よりも動いている時の方が高いと言われています。
こうしたことから、釣り人の間では干潮を0分、満潮を10分とした時(干満差を10等分した時)に「上げ3分・下げ7分(干潮から満潮に移る時と満潮から干潮に移る時)」が釣れやすいとされています。
永安橋においても、いつもであれば“上げ3分”くらいからハゼ類が釣れるはずですが、この日はいっこうに当たりがありませんでした。
そう落胆していると突如、強い当たりで竿が大きく動きます。急いで釣り上げたところ、なんと釣れたのは20センチくらいのキビレでした。
キビレの標準和名はキチヌ(学名:Acanthopagrus latus)ですが、キビレと呼ばれることが多いです。最大で45センチほどにもなる雑食性の魚で、ヒレが黄色いことが特徴。チヌ(標準和名はクロダイ)の近縁種となります。
その後も数匹が釣れました。これまでも永安橋で釣れることはあったのですが、こんなに釣れたことがないので驚きでした。
その後も強い当たりが!
その後も強い当たりがあり、釣れたのはセイゴ(スズキの幼魚)でした。
セイゴは成長とともに呼び名が変わる出世魚「スズキ(学名:Lateolabrax japonicus)」の幼魚。関西ではセイゴ→ハネ→スズキ、関東ではセイゴ→フッコ→スズキ──と呼ばれます。
永安橋は夜釣りのスズキ釣りのメッカですが、季節や水温上昇により、たくさん集まっていたのかもしれません。
いつもは釣れるはずのマハゼ
結果的にこの日は、数匹のキビレとセイゴを釣ることができました。しかし、今回の釣行で見られた魚はこの二目だけ。
いつもは釣れるマハゼは、川の中央から手前までどこでも釣れませんでした。永安橋でマハゼが釣れないというのはなかなか経験がないので驚きです。「マハゼの天ぷらや唐揚げが食べたかったなぁ」と思いつつ、諦めて納竿しました。
ハゼが釣れなかった理由を考察
マハゼの生態として、春に孵化したものが5~7月ごろに多く釣れるようです。そして、大人に成長したハゼが7~9月に釣れ、水温低下にともない10月ごろには大半が沖に戻っていくと言われています。
この時、そのまま川に居つき、大きく成長した個体がいわゆる“落ちハゼ”です。また、稀に2年ものになる“ヒネハゼ”と呼ばれる個体もおり、25センチほどにも成長するとか。
あくまでも筆者の考察ですが、今回ハゼが釣れなかった理由として、9月末の釣行だったため「ハゼが沖に帰って行ったのでは」と考えています。
また、昼間からキビレやセイゴがこんなにもたくさん釣れたのは初めてなので、水温上昇により天敵となる魚が増えたことも原因かもしれません。他には、鵜がたくさんいたので、ハゼが隠れたり捕食されたりした可能性もあります。
吉井川の中流~下流域ではどこでも鵜がたくさん見られるので、もし鵜が増えすぎているのであれば今後が不安です。
キビレとセイゴを美味しく食べる
キビレとセイゴはシンプルに煮付けと塩焼き(ソテー風)にしました。
煮付けはコリコリモチモチのほっぺた肉を食べられるので、子どもが喜んで食べます。
塩焼きも、油を少しだけ使ってソテー風にするのも、肉が締まってとてもおいしかったです。
筆者は、キビレやセイゴなどの白身魚は皮つきで焼くのがいちばんおいしいと思います。ちなみに、ベラもこうすると磯臭さが減って食べやすくなりますよ。
釣れたての魚を食べられるのは釣り人だけの特権ですね。
(サカナトライター:額田善之)